その頃、人類代表を弔う祭壇の間に、ブリュンヒルデが一人佇んでいた。ゲルとサンズには一人にしてもらうよう頼み、祭壇の間の外で待機させている。
ブリュンヒルデ「此れで4敗目……」
ブリュンヒルデは祭壇に置いた盃へ酒を注ぐ。
ブリュンヒルデ「あの時誓った筈なのに………最後の時まで決して動じぬと………誓った筈なのに……」
祭壇に映る3Dの写真には、楽しそうな笑顔のまま戦闘の構えを取るイングリスが写っていた。
ブリュンヒルデ「思っていたよりずっと……私はずっと、弱いようです」
救うと決めた人類が次々と死んでいく。心が打ちのめされて行く。ブリュンヒルデはその場に膝を着いた。
ブリュンヒルデ「それでも救わねば………何としてでも………」
ブリュンヒルデは哀しげな顔を浮かべながら、その場で祈る仕草を見せる。
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その頃、人類代表のトレーニング部屋である『精神と時と必要の部屋』で、広い現代的な実験ルームであるトレーニングが行われていた。
広い部屋の中心に立つのは、テクターギアを全身に纏う金髪の美少女。
アニス「『ドラゴニックウェポンズ』」
それは、人類代表選手の一人である魔学の開発者、アニスであった。彼女は周囲に召喚されたゴーレム達に囲まれているが、その手にはショットガンが握られていた。背中の刻印が輝いており、それが掌で形成され、ショットガンの形を形成している。その手には白と黒を基調とした、マガジンが握られている。彼女が手にしているのは、レバーアクションショットガン『ウィンチェスターM1887/1901』。映画ターミネーター2でも有名なショットガンで、レバーアクションを採用した珍しいショットガンである。
彼女は現在、己がワルキューレと融合して使用可能になった神器の力を試しているのだ。
そして、様々な世界の魔法を教わり、それを精製した神器に宿す形で行使する。
アニス「『ゾルトラーク・ショットガン』」
アニスはショットガンに弾を装填すると、そのまま一体のゴーレムへ向かって走り出す。ゴーレムはアニスに拳を振り下ろすが、アニスは拳を避けた後にゴーレムの頭部へショットガンを向けて、ショットガンのトリガーを引いた。その瞬間、ショットガンの銃口から白黒の弾丸が大量に放たれて、ゴーレムに命中する。ゴーレムは粉々に砕け散り、そのまま仰向けに倒れるゴーレム。
次に背後から現れたゴーレムの気配に気付き、アニスは後ろへ銃口を向けた後に引き金を引いてゴーレムを破壊する。
アニス「『レヴィオーソ・ガン』」
アニスはショットガンを霧散させて消滅させると、二丁のオートマチック銃を顕現させてそれぞれ持ち手を握り締める。それぞれのトリガーを引いて弾を発射した。離れた2体のゴーレムに命中させると、ゴーレム2体が空中に浮かんだ。
アニス「単純な浮遊魔法だけど、結構便利だね!」
アニスは自分の乗る床に向かって、レヴィオーソの魔法を込めた弾を発射。すると、床のパネルが地面から離れて浮かび上がった。
アニス「『ボンバーダ・ランチャー』」
アニスは魔力で4連装式ロケットランチャーを顕現させると、そのままトリガーを引いて浮かばせたゴーレムに向かってロケットを撃ち出した。ロケットはそのままゴーレムに向かって飛んで行くと、そのまま浮かんだゴーレムに命中し、大爆発を起こした。更に隣で浮いていたゴーレムも巻き込まれ、大爆発と共に砕け散った。
更にアニスは、自らの身体に竜と同一の特性を持たせることのできる「滅竜魔法」。その魔法の力を込めた短剣に、力を込める。今回は、炎の属性を纏うようだ。
アニス「『火竜の剣・第一の炎:火竜の鉤爪』!」
アニスは太ももから取り出した短剣の刀身を、炎で構成された三本の爪に変形させた。
そして、迫って来たゾンビの群れを、鉤爪を振り下ろして焼き払う。何時もなら殲滅させる必要があるのだが、今回のトレーニングでは工夫も求められるので、無闇矢鱈に力を振るうのではなく、正確なコントロールを鍛える為に一体ずつ処理して行く。
軈てゾンビ達を全滅させた後、アニスは戦闘態勢を解いた。
『戦闘訓練を終了します。お疲れ様でした』
部屋が変化していく。軈て先程の三分の一の広さにまで縮まった後、先程は無かった窓が開いた。
ユフィ『アニス、ゲンドゥル。お疲れ様です』
アニス「うん。ユフィ。ゲンドゥルもお疲れ様」
???『ありがとうございます』
すると、アニスの武器が全て光を放った後、その場に一人の清楚そうな女性が現れた。
『ワルキューレ9女:ゲンドゥル』
そして、アニスはテクターギアのゴーグルを額にズラして素顔を出す。
アニス「ふぅ。試してみるもんだね」
ゲンドゥル「ええっ。まさか現代兵器と魔法を組み合わせるとは。アニスフィア様の発想には驚かされます」
アニス「前からやってみたかったんだよね。それに、色んな天才達からも様々なアドバイスを貰ったし」
アニスがそう言った後、ゲンドゥルと共に部屋を出た。部屋を出た後、様々な天才達が彼女達を出迎えた。
???「ふむ。実に素晴らしい才能だ」
『イタリア:ガリレオ・ガリレイ』
ガリレオ・ガリレイ。イタリアの自然哲学者、天文学者、数学者で、天体観測に望遠鏡を導入し、地動説への言及、木星の衛星の発見、金星の満ち欠け及び大きさの変化を発見、自由落下、速度、慣性系、振り子の開拓的研究を手掛けた偉人だ。
???「ああっ!君は正に科学と魔法の二つを備えた天才だ!」
『ドイツ:アルベルト・アインシュタイン』
アルベルト・アインシュタイン。ドイツ出身の理論物理学者であり、特殊相対性理論および一般相対性理論、相対性宇宙論、ブラウン運動の起源を説明する揺動散逸定理、光量子仮説による光の粒子と波動の二重性、アインシュタインの固体比熱理論、零点エネルギー、半古典型のシュレディンガー方程式、ボース=アインシュタイン凝縮などを提唱した業績で知られる。当時は"無名の特許局員"が提唱したものとして全く理解を得られなかったが、著名人のマックス・プランクが支持を表明したことにより、次第に物理学界に受け入れられるようになった。
それまでの物理学の認識を根本から変え、『20世紀最高の物理学者』とも評される。特殊相対性理論や一般相対性理論が有名だが、光量子仮説に基づく光電効果の理論的解明によって1921年のノーベル物理学賞を受賞した。
???「素晴らしいわ。魔法をこの目で見られるなんて」
『ワルシャワ:マリ・キュリー/マリア・サロメア・スクウォドフスカ=キュリー』
マリ・キュリー。夫のピエール・キュリー博士と力を合わせ、ピッチブレンドという鉱石が金属ウランよりも強い放射線を出していることを発見し、その中からポロニウムとラジウムという新しい放射性物質を取り出すことに成功した。
???「我々の教えを、見事に取り入れている」
『イギリス:アイザック・ニュートン』
アイザック・ニュートン。英国の物理学者・天文学者・数学者で、運動の法則、万有引力の法則の導入、微積分法の発明、光のスペクトル分析などの業績がある。
???「認めるしかないのう」
『スウェーデン:アルフレッド・ノーベル』
スウェーデンの化学者、発明家、実業家。ボフォース社を単なる鉄工所から兵器メーカーへと発展させた。350もの特許を取得し、中でもダイナマイトが最も有名である。ダイナマイトの開発で巨万の富を築いたことから、「ダイナマイト王」とも呼ばれた。
遺産を「ノーベル賞」の創設に使用させた。自然界には存在しない元素ノーベリウムはノーベルの名をとって名付けられた。
???「ああっ。彼女は正に天才だ。科学と魔法の2つの力を持つ、異次元の天才だよ。私とは違う……」
『アメリカ:トーマス・エジソン/トーマス・アルバ・エジソン』
三大発明と言われる,蓄音機,白熱電球,キネトスコープこと映写機を発明したとされる。 生涯に成し遂げた発明は通信、音、光、映像、エネルギー、家電製品と広範にわたり、あわせて1,093 件、まさに「発明王」と呼ぶにふさわしい実績を残しました。しかし、その功績はイカサマ、盗作の疑惑を持たれており、疑惑の人物としても知られている。とはいえ、彼が居なくては今の現代社会の電球や録音機、映写機は生まれなかったのも事実かもしれない。
???「いや、その歴史も含めて人類の輝ける歴史だ!アニスフィア・ウィン・パレッティア!!覚えておくんだ!!」
『オーストラリア帝国/ニコラ・テスラ』
交流電気発生装置、無線装置、蛍光灯等、現代でも実用されてる科学技術を発明した天才科学者にして、世紀のマッドサイエンティストと呼ばれる謎多き人物。神に最も近い頭脳を持つとされ、未来人ではないかとも噂される程だ。彼の偉業を、人々はまるで“魔法”のようだと。彼自身は魔法ではなく、科学であると自称しているが。
テスラ「全ては“光”だ!!」
アニス「は、はい……!!」
アニスはテスラの輝きに目を光らせる。彼等から教わった事は、アニスの魔学をさらなる高みへ導いてくれる事だろう。
ユフィ「お疲れ様です。アニス」
アニス「タオルありがとう、ユフィ」
ユフィからタオルを受け取るアニス。アップは済ませた。後は本番に向けて休むだけだ。
ユフィ「貴女には勝ってきて欲しいんです。貴女は私の、最愛の方なのですから」
ユフィがアニスの腕に抱き着く。アニスはユフィの抱擁に顔を赤らめながら恥ずかしがる。
アニス「う、うん。ユフィ………////」
すると、アニスの傍に居たゲンドゥルの腕輪が光る。
ゲンドゥル「失礼」
ゲンドゥルが腕輪に触れる。すると、其処からブリュンヒルデの声が響く。
ブリュンヒルデ『ゲンドゥル。そちらにアニスフィアは居ますか?』
ゲンドゥル「はい、ブリュンヒルデ姉さま。現在、神器とコズミックパワーの性能を確かめていた所です」
ブリュンヒルデ『なら良かったです。次の出場者にと声を掛けようと思っていました』
アニス「ッ!」
ブリュンヒルデ『アニスフィア。次は貴女の番です』
アニス「次が私……!」
ユフィ「ッ!」
ユフィがアニスの腕に、深く抱き着いた。アニスを失うかもしれない。それが恐ろしくて堪らなかった。
アニスはユフィの抱擁に、自分も抱擁を返した。
アニス「怖いよね。私も怖いよ。ユフィと二度と会えなくなるかもしれないと思うと、凄く怖い。私だって、まだ死にたくないよ。ユフィを置いて死ぬなんて嫌だよ」
自分の心の内を吐露するアニス。
アニス「でも、私は負けない。約束するよ。ユフィや皆の元に、帰って来るって」
ユフィ「アニス………」
ユフィはキスをしようとした。しかし、それはアニスが人差し指でユフィの唇に当てて、制止する。
アニス「もうユフィったら。私が勝ったら、だよ」
ユフィ「ッ!はい♥お預けした分は、たっぷりと♥」
ユフィと約束をしたアニス。
アニス(勝ったらユフィに…………まあ、いっか)
アニスは腹を括った。もう引き返せない。なら、突き進もう。
ユフィと未来を、生きる為にも。
人類:アニスフィア・ウィン・パレッティア(転生王女と天才令嬢の魔法革命)
神器:『ドラゴニックウェポンズ』
能力:ドラゴンの魔力を帯びた武器の数々。
アニスの背中に刻まれている刻印と神器錬成している者から魔力を共有し、精製する武器。
分かりやすく言えばFateシリーズの英霊エミヤの無限の剣製(アンリミテッド・ブレード・ワークス)。更に様々な偉人や天才達の知恵や技術も加わり………とんでもない進化を遂げる事になる。
コズミックパワー:『マジック・ヴァース』
能力:科学ではなく魔法文明が発展していった宇宙。
魔力を消費することでありとあらゆる魔法の使用が可能。
たとえそれがアニスの世界の魔法じゃなくともーーー
単純に魔法という物が存在する世界(他作品)のあらゆる魔法が使用出来る。
更に私の独自解釈を踏まえた改変を加えており、とんでもない能力へと覚醒してしまう―――。