終末のワルキューレvs若き戦士達   作:ちいさな魔女

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囚われの魔導王VS囚われぬ魔法使い その7

アインズ・ウール・ゴウン。元の名はモモンガ。VRMMORPG『ユグドラシル』のヘビーユーザーで、現実世界では『鈴木悟』という名のサラリーマン。中の人が社会人で、異形種のアバターである事を参入条件とする伝説的ギルド、《アインズ・ウール・ゴウン》の長である。性格は引っ込み思案・自己評価が低い・お人良し・臆病である。しかし面倒見が良く、サラリーマンとして培った話術など、丹念に準備を行い行動する。人当たりも良く、ギルド内では癒しキャラに認定されている。

 

更に、母子家庭で育ったが母親は小学生の頃に過労で倒れ他界している。更に親戚もいないらしく、天涯孤独の身である。

 

『ユグドラシル』をプレイした際に、当時流行していた異形種狩りに巻き込まれる。一定数の異形種を倒した事で就ける、職業目当てで、異形種プレイヤーが次々と狩られていき、大勢の異形種プレイヤーが辞めて行った。当時の異形種プレイヤーは自分達に有利な三世界・《ニヴルヘイム》《ヘルヘイム》《ムスペルヘイム》に引きこもり、外へ冒険に出る事が無かった。

 

当時はまだ弱く、前述の世界の外にいたモモンガも毒牙にかかりかけたが、「この世界で閉じこもっていられるか」と奮起する異形種プレイヤー達のパーティーリーダー、“たっち・みー”に助けられたモモンガはパーティーに加入、新たな仲間と共に世界を駆け巡り、虐げられていた異形種プレイヤー救済の為に作ったクラン《九人の自殺点(ナインズ・オウン・ゴール)》の結成メンバーとなる。

 

パーティーメンバーが27人になった頃、クラン長たっち・みーがクラン解体を宣言。そのままギルド結成を宣言するのだが、ギルド長としてモモンガが当人より推薦された。その時、周囲からは満場一致状態で賛成されたが、当人は否定した。しかしぷにっと萌え等からの相談や推薦により、ギルド長になる事を決意。ギルド長の初仕事が、以降の『アインズ・ウール・ゴウン』の拠点となる未探索ダンジョン『ナザリック地下大墳墓』の初見攻略を始めた。大仕事だったものの、見事成し遂げる事に成功。以降、ギルド《アインズ・ウール・ゴウン》の名は《ユグドラシル》世界に広まり、数々の偉業を成している。

 

しかし、栄枯盛衰により《ユグドラシル》全体の活気が減り、41人いた仲間達も次第にゲームを辞めていく。その中でモモンガは1人残り続け拠点の維持費を稼ぐ毎日を続けるが、とうとうサービス終了日が運営より告知されてしまう。

 

《ユグドラシル》のサービス終了をギルドメンバー全員で迎える事を望み、引退メンバー及び残留メンバー(ただしプレイは長期間していない)にメールを送るも、社会人であるためそれぞれに都合があり、最終日にヘロヘロがログインしたとはいえ体調が悪く早々にログアウトしてしまい、結局1人でその時を迎える事になる。

 

モモンガ『巫山戯るな!!此処は、皆で創り上げたナザリック地下大墳墓だろ!?何故それを簡単に捨てる事が出来るんだ!!』

 

誰一人居なくなったその部屋で、モモンガは自身の心に秘めていた思いを吐露した。

 

しかし、モモンガも分かっていた。彼等だって社会人なのだ。夢を叶えた人も居るし、先のヘロヘロのようにボロボロな人も居るだろう。“リアル”を優先するのは当然だった。

 

その後、モモンガはナザリック地下大墳墓と共に転移する。

 

転移後の世界でも、モモンガ………否、アインズは転移後の世界に存在するかもしれない仲間を探し続けた。

 

彼は決して一人ではない。意思を持ったNPC、そして転移後の世界で彼に仕える人間達や他種族も居る。

 

アインズは、皆の望む『至高の四十一人のまとめ役』を演じるために『鈴木悟』を殺している事に、心労と同時に孤独を感じてもいる。そうしていつかメッキが剥がれてしまえば、かつての友の忘れ形見で宝物も同然のNPC達に失望されて見放されてしまうのではないかという恐怖と、彼等に嘘を吐き続けている罪悪感、更には持ち前の自己評価の低さや前述の罪悪感が加わって、自身を心中で「無能」だと卑下する場面も少なくない。

 

しかしNPC達(特にデミウルゴス辺り)はむしろ、『アインズの役に立てなければ、最後に残ってくれた彼までナザリックを去って(もとい見捨てられて)しまう』といった様な不安を抱いている節がある。

 

この世界に神代表として呼ばれた時、友となったハデスからも励ましを受け取った。

 

それは、第8回戦のシヴァとイングリスの試合が終わった時だった。

 

アインズ『素晴らしい…実に良い戦いだった…』

 

ハデス『そうだな…この戦いもまた見事だった』

 

2人はこの戦いを賞賛した。すると医務室の扉を3回ノックしパンドラズ・アクターが入ってきた。

 

パンドラズ・アクター『失礼しますアインズ様、ハデス様…ご報告があります』

 

アインズ『…なんだパンドラズ・アクター?』

 

パンドラズ・アクター『はい…アインズ様。ゼウス様がお呼びです』

 

ゼウスの呼び出し…それを聞き、アインズとハデスはすぐ理解した。

 

アインズ『……とうとうきたか…すまないがハデス、失礼する』

 

ハデス『構わんさ……アインズ!』

 

アインズはハデスに一礼すると控室を出ようとした時、ハデスがアインズを呼び止める。

 

ハデス『アインズ…お前は決して1人じゃないことを忘れるな…必ず、誰かがいることを…』

 

アイ『…フッ…似合わん台詞だな…』

 

ハデス『我も驚いている。これもあやつの影響だろう…』

 

アイ『……ありがとう、ハデス』

 

そう言い、医務室を出たアインズの背中はどこか少し大きく見えた。もしかしたら少しだけ、『救われた』のかもしれない。そう感じたハデス。

 

廊下を歩きながら先ほどの言葉を思い出す。

 

アイ『『決して1人ではない』…か…』

 

自分が1人ではない…ナザリックの友人達、守護者達、執事達、メイド達、異世界で知り合った者達、その他大勢の者達を思い浮かべていると、自分が1人ではないと確信したのか自然と笑みをこぼした。

 

アイ『そうだな…』

 

自分は『アインズ・ウール・ゴウン』に囚われている。もう鈴木悟の意思が残っているか怪しい所だ。

 

アニスを見た時、羨ましく思ったのだ。彼女は第3回戦のモンキー・D・ルフィとはまた別の意味で、何者にも囚われない存在だ。そして、周りを照らしてくれる。

 

しかし、だからどうした。

 

自分だって負けられない。負けたくない理由がある。

 

ナザリック地下大墳墓のNPC達や、この試合を見てる仲間達、そして異世界で知り合った人達や、多くの異世界から集まった“クラスメイト”達の為にも!

 

―――――――――――――――――――――――

 

アニスとアインズは闘技場から飛び出していた。

 

ヘイムダル『闘技場を飛び出たアインズとアニス!!宇宙空間を飛び続ける奴等の攻防は激しくなる!!』

 

ヘイムダルはエアドラを自在に動かし、アニスとアインズを追い掛ける。

 

アインズ「うおおおおおっ!!」

 

アインズは虹色のオーラを纏い、アニスへ魔法を放つ。アニスに放たれた魔法はアニスに向かって飛んでいくが、アニスは両腕で打ち払って魔法を殴り飛ばした。

 

アニス「『竜王の吐息(ドラゴン・ブレス)』!」

 

アニスは口から白い光線を放つ。

 

アインズ「無駄だ!!」

 

アインズは右手で光線を受け止める。

 

アインズ「竜殺の剣(ドラゴン・キラー)!」

 

アインズは左手から剣を投げ付ける。アニスは剣から嫌な気配を感じ取り、右手を翳す。

 

アニス「『万有引力の法則(アイザック・ニュートン)』」

 

アニスが手を翳した瞬間、掌で持てるリンゴが生まれた。そのリンゴを食べた瞬間、アインズの投げた剣がその黒い点の周囲を周り始めた。何度も伸び縮みを繰り返し、軈て粉々に砕け散る。

 

ブラックホール。それをアニスは発生させたのだ。重力の特異点。自身の強すぎる重力により無限に潰れた点を、アニスは掌で発生させた。

 

それをアインズに向けて放つ。

 

アインズ「甘い!」

 

アインズは右手を翳す。ブラックホールが右手に触れた瞬間、ブラックホールが掻き消えた。

 

アニス「『ピタゴラスの金槌(ピタゴラス)』」

 

アニスは金槌を手にした瞬間、金槌を空間に叩きつけて音を放つ。アインズは再び右手で音を打ち消し、更に掌から魔法陣を展開して、無数の隕石をアニスに降らせた。

 

アニスは周囲に音を発して振動を起こし、隕石全てを素粒子状に分解した。

 

アインズはシャルティアの持つスキルを用いて、無数の光の槍をミサイルのように放つ。アニスは空間を操ってアインズの槍を全て分解した。

 

更にアインズは様々な魔法を放ち、アニスを攻撃。アニスは魔法を避けて行きながら、アインズの間合いに入る。

 

アインズ「私は負けるわけにはいかない!!」

 

アニス「私だって負けられないんだよ!!」

 

二人は互いに拳で殴り合い、お互いの拳がぶつかり合う。

 

アインズ「ぬおおおおおおっ!!」

 

アインズが右手を振り翳す。

 

アニス「ぐっ!」

 

アニスがアインズに左手を掴まれた。その瞬間、アニスの左手が音を立てて砕け散った。

 

アニス「があっ!!まだまだぁ!!」

 

ヘイムダル『アニスフィア!!左腕を失って尚突き進む!!アインズが蹴り飛ばされた!!』

 

宇宙空間を通して行われる激闘。

 

アニス「ゾルトラークをこの万有引力の法則を利用して放てば、どうなる?」

 

アニスはゾルトラークを放つ魔法陣を掌に展開したが、更に重力を加える事で特大の質量を持つ光弾へと変化させた。そして、そのままアインズに向けてゾルトラークを放つ。極細の光線にも関わらず、アインズはその魔法が危険な気配を纏っている事を知る。

 

すると、アインズは小瓶を割って自らの身体に不可視のバリアを張った。

 

バリアに当たったゾルトラークは周囲へ弾かれてしまい、近くの恒星や惑星を貫き、破壊した。

 

アニス「『ゴッホの筆(フィンセント・ファン・ゴッホ)』」

 

アニスはその手に筆を持つ。その瞬間、筆から放たれた塗料がアニスの身体に染み込み、アニスの全身に無数の虹色の線が走る。

 

アインズ「『ワールド・オブ・アインズ・ウール・ゴウン』」

 

アインズはその手に、地球を模した球体を持つ杖を手にした。地球は半透明で、その中にはナザリック地下大墳墓が逆三角形のピラミッドとなって存在している。そして杖から鎖が放たれて、アインズを縛る。

 

アインズ(例え俺が『アインズ・ウール・ゴウン』に囚われていたとしても、其処が俺の居場所であり、彼等が俺の帰る場所なんだ!)

 

アニス(そっちも全てを終えるつもりなんだね。でも私は負けたくない!ユフィが悲しむし、イリアやレイニ、それにアル君や父上、母上も、パレッティア王国の皆も、私を待ってるんだからね。だから私は、負けないよ)

 

次回、アインズVSアニス、決着。




オリジナル魔法

『万有引力の法則(アイザック・ニュートン)』
昔読んだ『HUNGRY JOKER』が元ネタであり、YouTubeで見た科学系の動画が元ネタ。万有引力の力を扱い、『重力』を支配する。

『ピタゴラスの金槌(ピタゴラス)』
ピタゴラスが使用した金槌で音を自在に操る。音響兵器そのものであり、その振動を操る事も可能。

『ゴッホの筆(フィンセント・ファン・ゴッホ)』
その筆でゴッホは『自身の感動』を描いた。この筆はアニスの心の情景を描き、世界を塗り替える。言い換えれば世界を書き換える力。

なんかオーバーロードの設定多いから色々詰め込もうとしすぎて……頭が………なのでもう考えるのを止めた。
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