終末のワルキューレvs若き戦士達   作:ちいさな魔女

90 / 101
ギリシャの大賢者VS特型駆逐艦1番艦 その4

ケイローンと吹雪はお互いに歩み寄る。互いの射程距離だが、どちらも攻撃しない。先に先手を打って先制攻撃を与えて此方のペースとするか、敢えて受け身の姿勢で待ち構えてカウンターを狙うか。互いに手の内を読み合っている。

 

ケイローン「吹雪さんですね」

 

吹雪「はい。吹雪型駆逐艦1番艦の吹雪です。宜しくお願いします」

 

ケイローン「貴女の事を調べ、貴女にとっても有利な闘いの場を選びました。ですが、それは私にとっても同じ事です。このような場で殺し合う事になるのは、非常に哀しい思いです」

 

吹雪「………はい。でも、私だって、覚悟の上でこの場に来たんです!ケイローンさん!私は全力で、貴男と闘います!」

 

吹雪の覚悟を決めた強い表情。それを見たケイローンは改めて、吹雪が人類代表として此処に来た事を理解する。

 

ケイローン「良い顔ですね。艦娘は海の制海権を取り戻す為に闘い続けていると知っていましたが、どうやら貴女も死線を乗り換えて来た戦士であるようですね」

 

吹雪「戦士……とは違いますけど、負けるつもりはありません!」

 

吹雪は右手に持つ砲台をケイローンに向ける。そして引き金を引くと、砲塔から爆音と共に砲弾が放たれる。

 

しかし、吹雪はケイローンの実力を垣間見る。

 

ケイローンは吹雪の撃った砲弾を、素手で弾いた。

 

砲弾は弾かれた事でケイローンの後方に飛んで行った後に水に落ちて爆発し、空に届きそうな水飛沫を形成する。

 

吹雪は空かさず砲弾を放つ。

 

ケイローンは再び片手を振るって砲弾を弾く。今度はビルの壁に当たり、爆発でビルの一部を破壊する。

 

ヘイムダル『ケイローン様に砲弾届かず!』

 

ケイローンは吹雪に向かって跳んだ。軈て目の前に迫ると、そのまま吹雪を蹴り飛ばした。

 

吹雪は胸元から蹴り飛ばされて水の上を転がる。吹雪は立ち上がったが、吹雪の眼前に一瞬で迫ったケイローンに頬から蹴り飛ばされ、ビルの中へ突っ込んでしまう。窓ガラスを割り、中のテーブルが吹雪に当たって砕けながら吹っ飛んだ。

 

吹雪「ぐっ!」

 

???『………吹雪、無事?』

 

静かな声が響く。

 

吹雪『大丈夫だよグンちゃん!でも、強いね。ケイローンさん』

 

吹雪の隣に現れる、彼女と神器錬成(ヴェルンド)するワルキューレ。名をグン。名前の意味は『戦争』。

 

 

【挿絵表示】

 

 

グン『ケイローンは強い……………下手な騙し討ちは通用しない』

 

吹雪「うん。なんかギリシャの神様って、真正面から叩き潰すって感じがあるね」

 

グン『そっ。だからこそ何処の神界よりも強い』

 

吹雪「うん、そうだね」

 

吹雪は神器の力を解放した。

 

吹雪「艦娘の皆さんの力、お借りします!」

 

その時、吹雪の身体にパワードスーツのような機械系の鎧が装着された。装甲は海のように青い色を基調としているが、太腿には魚雷が装着されており、背中には矢を仕舞う筒が装備されている。両腕には空母の艦艇のような模様が浮かび上がっている。

 

吹雪「行け!」

 

吹雪は走りながら腕を上げる。その瞬間、腕からミニサイズの粒が出現し、軈て吹雪の腕から飛び立ち、姿形が変化して行く。

 

それは、前方にプロペラの付いた第二次世界大戦時代の戦闘機『ゼロ戦』であった。艦娘の『空母』の少女達が放つ艦載機と呼ばれる戦闘機である。操縦は謎の小さな妖精が行っている。例え撃墜されても妖精は再び蘇る。

 

この時間、僅か2秒。

 

ケイローン「ッ!」

 

ケイローンは吹雪を蹴り飛ばした後に出来た穴から、何かが飛び出して来たのを見た。小さな艦載機がケイローンに迫る。

 

ケイローンはその場から跳んだ。ビルの壁に着地して、弓を構える。そして、魔力で生み出した矢を手にすると、弓の弦に掛けて構える。そして、弦を引っ張った後に手を離して矢を放つ。

 

この一連の弓矢の発射動作を、ケイローンは無駄なく、しかし素早く行う。1秒間に何万回も。

 

その為か、ケイローンの放つ矢は雨のように降り注ぐ。

 

妖精『ッ!?』

 

艦載機のコクピットで艦載機を操縦する妖精は驚いたが、矢の雨によって艦載機全体を射抜かれてしまう。

 

更に周囲の艦載機も矢の雨に射抜かれてしまい、爆発を起こして撃ち落とされていく。

 

しかし、少数の艦載機は矢の雨を掻い潜ってケイローンの元へ迫り、翼の機関銃で攻撃を開始した。

 

ケイローン「掻い潜るとは!やりますね!」

 

ケイローンは機銃から放たれる弾丸の雨を避ける。機銃の射撃により、ビルの壁が削られ、崩れ落ちる。

 

吹雪「逃がしません!」

 

ビルから飛び出した吹雪は即座に武装を変換して、太腿の魚雷を発射し、六本総てを蹴り飛ばした。ケイローンは魚雷の爆発しない部分を持ち、総て指で摘んで止めた後に6つ総てを両手で挟んで持った。そして、吹雪へ投げ返そうとする。

 

吹雪「グンさん!」

 

グン『んっ』

 

吹雪はグンの名を呼んだ。グンが頷くように声を上げる。

 

その瞬間、残った艦載機がケイローンに向かって飛んで行き、機関銃を連射する。

 

ケイローンは飛んできた弾丸を、身体を後ろに仰け反らせて上半身に当たらないようにする。しかし、狙いは別であった。

 

ケイローンの握り締めていた魚雷に弾丸が命中し、無数の弾丸が魚雷を貫いた。

 

その瞬間、魚雷が爆発してケイローンを爆風で吹き飛ばす。

 

ヘイムダル『ぎ、魚雷に攻撃したぁ!?ケイローン様が魚雷の爆発によって吹き飛ばされた!!』

 

しかし、ケイローンは空中で何度も回転してビルの壁に再び着地する。

 

ケイローン「魚雷を狙ったのですか。私を魚雷で撃墜するのではなく、艦載機に魚雷を攻撃させて爆発させる為に」

 

吹雪「出来るなら魚雷が当たれば良かったんですけど」

 

吹雪は壁に飛び乗った。そして、()()()()()()()()()()()()()()

 

ヘイムダル『か、壁を水上を進むように走っているぅ!?』

 

???「うおぉっ!?凄い!!壁を走ってる!!良いよ吹雪ィ!!夜の街の壁を走ってるよお!!」

 

『艦これ:川内』

 

???「姉さんはホントに夜が好きですね。ですが、吹雪ちゃんはどうやって壁を走ってるのかしら?」

 

『艦これ:神通』

 

???「頑張れー吹雪ちゃーん!!那珂ちゃんも応援してるよー!!」

 

『艦これ:那珂』

 

???「何あれ!?あんな艤装、初めて見るわ!!」

 

『艦これ:夕張』

 

???「ホントね!?陸上も走れる艤装、あれウチも開発出来ないかしら!?」

 

『艦これ:足柄』

 

艦娘達は驚くばかりだ。水上を走るように建物も走れる上に、空母の艤装まで使用可能になる等、普通なら不可能だからだ。

 

???「しかし、あのケイローンという方は恐ろしいほどに強いです。吹雪さんの砲撃や艦載機を、悉く撃ち落としています」

 

『艦これ:大淀』

 

大淀の見た通り、吹雪は壁を走りながら砲撃を続けているが、ケイローンは弓矢のみで砲弾も艦載機も落としている。矢が艦載機を胴体諸共貫き、砲弾を相殺する。

 

大淀「ケイローンは圧倒的に格上。吹雪さんは艦娘としての能力のみで戦わなくてはなりません。ハッキリ言えば、吹雪さんに勝ち目は薄いかと……」

 

???「なんだ大淀。吹雪を信用してないのか?」

 

『艦これ:長門』

 

大淀「いえ!そんなつもりでは………」

 

長門「吹雪なら心配は要らない。彼女は駆逐艦でありながら、多くの艦娘を救い、そして数多の困難を乗り越えて来た」

 

???「長門の言う通りよ。吹雪は負けないわ。信じましょう。私達の旗艦を」

 

『艦これ:陸奥』

 

大淀「………はい!吹雪さん、信じていますよ」

 

そして、舞台に戻る。吹雪は駆逐艦の武装を展開した。嘗て共に出撃した駆逐艦である『島風』と『天津風』の二人の艤装を展開した。

 

吹雪「連装砲ちゃん!!連装砲くん!!当ててください!!」

 

連装砲ちゃん『『『ーッ!!』』』

 

連装砲くん『ー!!』

 

3体の連装砲ちゃんと、一体の連装砲くんは、どうやら自我のある艤装のようだ。

 

吹雪「行きます!当たってください!」

 

吹雪はビルの間を跳びながら両手の甲に装着した砲台から砲撃した瞬間、3体の連装砲ちゃんと1体の連装砲くんもケイローンに向けて砲撃した。吹雪、連装砲ちゃん、連装砲くんに四方八方を囲まれた事で、ほぼ全方位から襲われるケイローン。小さなビルの屋上に居たケイローンは周囲を見渡した。

 

ケイローン「………やりますね。出来れば使いたくありませんでしたが、やむを得ません。()()()()()使()()()()()()

 

ケイローンは両目を閉じる。

 

ケイローン「あらゆる世界のヴィラン達よ。我に力を与え給え」

 

ケイローンはコズミック・パワーを起動した。ケイローンの胸元を中心に宇宙が全身に広がっていき、軈て全身が宇宙に包みこまれる。

 

そして、連装砲ちゃんと連装砲くん、吹雪の砲撃が直撃して大爆発を起こす。

 

ヘイムダル『砲撃が直撃!!ケイローン様は無事か!?』

 

吹雪「………もう一度!!」

 

連装砲ちゃん達&連装砲くん『『『『ーッ!!』』』』

 

再び砲撃を開始した。

 

ケイローンが居るであろう爆煙の中へ放たれた砲弾は………。

 

 

ケイローン「良い判断ですが、まだ青いですね」

 

 

突然煙の中から現れた無数の赤い触手によって、砲弾が貫かれた。貫かれた砲弾は爆発を起こし、触手も消滅する。

 

吹雪「ッ!?」

 

吹雪は水上に降り立ち、片手を付いて勢いを殺す。

 

ケイローン「あまり楽しませないでください。でなければ私は、『大虐殺(カーネイジ)』に支配されそうになりますから」

 

其処に居たのは、背中から無数の触手を生やし、全身が血のように赤黒い爛れた身体となったケイローンであった。口元は優しそうだが、両目は白く大きくて鋭い目付きをしていた。

 

グン『気を付けて………ケイローンが纏った奴は、ヤバい!』

 

吹雪「うん……今まで出会ったどの深海棲艦よりも危険そうだよ…………」

 

吹雪とグンは気を引き締めた。




人類:吹雪/艦隊これくしょん×グン(オリジナルワルキューレ)
神器:完全艦装・改二
神器能力:駆逐艦,軽巡級,重巡級,戦艦級,航空母艦,海防艦,潜水艦ーーー
全ての艦娘達の艦装能力を兼ね備えた特殊艦装。
分かりやすく例えるなら終末のワルキューレに出るニコラ・テスラのスーパーオートマトンベータの吹雪Version
吹雪の意志で艦装の種類を変化させて戦う。
コズミックパワー:『オーシャン・ヴァース』
能力:一面が生命の母である海が広がる宇宙。
たとえ陸地だろうと海の上を滑る艦娘の様に動く事が出来る。
更には海の底に散って行った艦娘達の怨念ーーー深海棲艦の能力をも再現出来る。
力を開放すれば心は艦娘のまま深海棲艦の姿になる事が可能となる。
これでの深海棲艦の姿は艦これ劇場版の深海吹雪と瓜二つ。

名前:グン
所属:北欧
原作:オリジナル
概要
ワルキューレ十二女。 
無口でクールなワルキューレ。海の様な青色の瞳と雲の様な白髪で、白赤色のセーラ服を着ている。一人称は私。名前の意味は『戦争』。戦場の死者を蘇らせる力を持ち、全ての戦·武器·体術·戦術·医術の知恵や技術に詳しくて特に知恵に関してはヘラクレス·アキレウス·アスクレピオス·ケイローン·アポロンや戦や医術に関する神も自身と同等と認める程の実力者。名前が戦場に由来している為、どんなときでも冷静沈着で頭の回転とキレ·洞察力·観察力がワルキューレ十三姉妹の中で一番であり、相手の僅かな癖や動きを見極める事が出来てアドバイスを言う。普段から何をしているかは姉妹も知らないミステリアスなワルキューレでもある。

【挿絵表示】


神:ケイローン(Fate/Apocrypha)
神器:不明
神器能力:今持ってる弓矢は偽物だが、神器としては充分
コズミックパワー:『ヴィラン・ヴァース』
能力
ありとあらゆる世界の『ヴィラン』が記録され、保存されている宇宙。そこには哀しきヴィランから、ヴィランにさせられた者、ヴィランにならざるを得なかった者の記録まで存在している。
ケイローンはヴィランの記録を身に纏い、その力と経験総てを会得する事が出来る。鹿目まどかの『ビースト・ヴァース』と暁美ほむらの『マジカル・ヴァース』と似ているが、ケイローンの場合は纏う事のみしか出来ない。しかしそれ故に、ケイローンはどんなヴィランも数の制限無く纏う事が出来る。但し、精神性が弱くなれば忽ちヴィランに支配されるかもしれない諸刃の剣でもある。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。