吹雪は水上を走る。
ケイローン「ガアアッ!!」
ケイローンの背中から伸びた赤黒い触手が吹雪に向かって伸びていく。吹雪は触手の雨を掻い潜るが、激しい攻撃に避けるのが精一杯だった。
吹雪「ぐっ!」
グン『吹雪!上!』
吹雪「ひゃっ!!」
吹雪は横へ跳ぶと、真上から触手が突き刺すように接近してきた。
吹雪は再び艤装を変化させて、重巡洋艦の砲台を展開。
吹雪「当たってください!」
吹雪はケイローンに砲撃を始めた。ケイローンは素手で砲弾を掴み、握り潰した。爆発で素手が吹き飛ぶが、直ぐに腕が再生した。
吹雪「うっそー!?」
グン『シンビオートの再生能力!カーネイジをどうやって制御してるの!?』
吹雪はケイローンが触手の先端から飛ばしてくる針を避けて行く。水上に針が浮かび上がる。横向きではなく、針の先が上になるよう浮かび上がる。
ケイローン「それだけに気を取られてはいけませんよ」
ケイローンがそう言った瞬間、針の先端から電気が走り、全ての針から電気が発生する。その時、ケイローンの両腕が青く染まっていた。
吹雪は周りを見渡すと、全ての針から電撃が放たれた。
吹雪「不味い!!」
吹雪は咄嗟に水の中へ飛び込んだ。
顔をガラスのような膜が覆った。
吹雪「潜水艦の能力で、水中奥深くに逃げれば!」
そして、吹雪が潜ったと同時に、全ての針から電気が発生。闘技場全体を照らす程の光を放ち、蜘蛛の巣のような形で電撃の糸が発生。
ヘイムダル『凄まじい電撃だ!!ギャアアアッ!!』
雷光が闘技場を照らす。
神々、人類全員が両手或いは両腕で顔を覆う。眩し過ぎる光が目に入りそうになる。
軈て光が収まり、闘技場の全体がハッキリと見えるようになる。
ビルの表面が焦げており、水上に電気が走る。
ケイローン「潜りましたか。水中でも感電してない所を見るに、奥深くまで潜ったようですね。それでこそです。与えられたか否かに関わらず、手にした力を工夫してどう相手に勝つのか、考える事が出来るのは立派です」
ケイローンはビルの上に立つ。
ビルの上に立った瞬間、ビルに電撃が走り、ケイローンの足元へ向かって行く。
ヘイムダル『吹雪の姿がねぇ!!だが降参や死亡の判定が出てない以上、まだ生きてるのは確実だ!!何処へ消えた!?』
睦月「吹雪ちゃん、もしかして潜水艦の能力も?」
夕立「やるっぽい!頑張れ吹雪ちゃん!!」
艦娘達も応援する。
ケイローン「ですが、油断はいけませんよ」
ケイローンはその場から跳んだ。そして、赤黒い身体が再び変化して、今度は緑色のゴブリンのような全身スーツを身に着け、仮面もゴブリンに似た物を装着する。そして、グライダーに乗って空を飛び始めた。
そのグライダーに入っている、緑色に光るハロウィンのパンプキンのような爆弾を手にする。
更に背中から4本の機械的なアームを生やし、グライダーにしがみつかせる。
その頃、水中深くに潜った吹雪は、水中を移動しながらケイローンの様子を伺う。
吹雪「どうする?今水上に出て大丈夫?」
グン『今出たら狙い撃ちにされる。此処は水中に潜んで様子を伺おう』
吹雪は水中を移動していたが、突然何かが水上から水中へ沈んできた。それは、ハロウィンのパンプキンに似た形をした何かだった。吹雪にはパンプキンにしか見えない。
それは吹雪の目の前まで沈んで来た。
吹雪「っ!?」
グン『不味い!吹雪、逃げて!!』
吹雪は泳ぎ始めた。潜水艦の能力で泳ぎだして距離を離す。
その瞬間、パンプキン・ボムが爆発を起こした。水が爆発によって吹き飛ばされ、吹雪は爆発が引き起こした水流に押し流される。
吹雪「うわあああっ!!」
グン『潜ったのは失敗だった!水中に居たらさっきのような爆弾に攻撃される!』
吹雪は体勢を立て直し、再び水中を高速で移動する。
勢いよく投げ込まれたパンプキン・ボムが水中で爆発し、水流が吹雪を押し流して行く。
ヘイムダル『ケイローン様のパンプキン・ボムが炸裂!!4つのアームと両手で投げ付けるパンプキン・ボムが、水中を泳ぐ吹雪に襲い掛かる!!』
水上では、グライダーに乗るケイローンが水中に居る吹雪に向かってパンプキン・ボムを投げ続ける。更にドクター・オクトパスの4本のアームを使い、吹雪が居る水中に投げ付ける。アームのパワーと自身の腕力によって投げ付けられたパンプキン・ボムは、浮力に逆らって水底にまで到達した物まである。グライダーから投げ続けるその様子は、正に爆撃そのものだった。
とはいえ吹雪が水中に居るせいか、吹雪の位置は大凡でしか把握出来ない。
ケイローン「さあ、どう切り抜けますか?」
ケイローンは再び爆弾を投げ付ける。爆発で水飛沫が上がる。
ヘイムダル『ケイローン様、容赦無し!!吹雪、最早これまでか!?』
大和「吹雪さん……!」
睦月&夕立「「吹雪ちゃん!!」」
人類『おい、どうなるんだ!?』
人類はザワ付き始める。
神々『うおおっ!ケイローン様の勝利だー!!』
神々は歓喜に満ちる。
ケイローン「っ!」
その瞬間、ケイローンは海から跳んできた何かに襲われる。
吹雪?『まさか私の力を頼るなんて。どういう風の吹き回しかしら?』
そして、ケイローンは左腕の巨大な赤黒い手に殴り飛ばされた。グライダーも共に落下していき、ビルに激突する。
吹雪「今回は沈む為じゃないよ。皆を守る為に、貴女の力も貸してほしいからね」
吹雪?『そう。なら、思う存分振るいなさい!私!』
吹雪「分かってるよ。私」
その姿は、先程までの吹雪と異なる姿となっていた。肌は雪のように白く、瞳は赤く染まっていた。スーツは形こそそのままだが、真っ白に染まっている。額には二本の角を生やし、首には鎖付きの首輪を身に着けていた。左手は魚の鰭のような指と化し、異形化していた。
ヘイムダル『吹雪、爆撃から生還!!しかし、あの姿は何だ!?まるで深海棲艦のようだ!!』
誰もが驚愕する。艦娘達ですら、吹雪の深海棲艦化した姿を知らなかったのだ。何せそれは、吹雪が心の内に秘めた、もう一人の自分との秘密だからだ。
深海吹雪。それは、アイアンボトムサウンドにて沈んだ吹雪が、その海に眠る艦達の想いによって助かった際に分かれた、もう一人の吹雪だ。
そして今、コズミックパワーによって海の力を得た吹雪は、深海棲艦化した吹雪と意識を融合し、その姿と力を行使出来るようになったのである。
吹雪が立つ場所から、海が赤く染まって行く。
ケイローン「成る程。深海棲艦化した貴女の力。艦娘と深海棲艦、2つの力を持っていたのですね」
ケイローンは吹雪の姿に、まどかを重ねた。彼女も魔法少女の力と、数多の『獣』の力を併せ持つ女神だ。そして吹雪もまどかも、諦めることのない強さを持っている。
ケイローン「貴女と出会えた事、誇りに思います。ですが、私も負ける訳にはいきません。全力で、勝たせて頂きます」
吹雪「私も、負けるわけにはいきません!!皆が私を信じて送り出してくれた!!なら、私は皆の想いに答えます!!」
ケイローンと吹雪は水上に立つ。吹雪は隣に球体型の深海棲艦の艦載機を浮かせ、更に周りに無数の深海棲艦を召喚する。ケイローンは4本のアームを開いて電気をアーム全体に走らせ、吹雪に向ける。
二人の闘いは、より激しくなろうとしていた。
ケイローンが現在纏ってるヴィラン。
『カーネイジ』:スパイダーマンシリーズにおいて、ヴェノムとスパイダーマンの宿敵。シンビオートは宿主の精神性に作用されるが、カーネイジは宿主が快楽殺人鬼であった為に相性抜群。身体から武器を生成したり、触手を自在に操り、針による遠距離攻撃も可能。但し、熱と高周波に弱い。ケイローンは凶暴化する事無く、カーネイジの力をフルに使用している。
『エレクトロ』:本名はマックスウェル・ディロン。通称マックス。莫大な量の電気を発生させることができ、電撃を発射して攻撃するのが常套手段。また、周囲の環境から電気を奪い取ることも可能。さらに、この電撃は最大出力なら感電死させる事もおろか、スパイダーマンのウェブも分解する事も出来る。本来なら許容量を超える電力を取り込めば爆死してしまうが、ケイローンには許容量が存在しない。故にどれだけ電気を取り込んでも自爆せず、より強力になっていく。
『グリーン・ゴブリン』:本名はノーマン・オズボーン。ある哀しい出来事によって身体能力増強薬を摂取し、身体能力を向上させた代償として、副作用で誕生した凶悪な別人格グリーン・ゴブリンが誕生してしまう。高い身体能力に加えて、パンプキン・ボムやレーザーバットといった武器を使い、グライダーで空中を飛び回る事が可能。他にも手首から有毒ガスを放出させる事も出来るスパイダーマン史上最強の宿敵。
『ドクター・オクトパス』:本名はオットー・ギュンター・オクタビアス。4本のロボットアームは元々危険物取り扱いを目的に開発されたこともあり常人をはるかに上回るパワーと長いリーチを持ち、彼の神経回路(脊髄)に直接繋がっており手足のように自在に動かすことが可能。
オーバーテクノロジーや他の神器に頼るのも良いけど、私はこのまま吹雪の力のみで多数の力を扱うケイローンと戦わせたい。