もっと分かりやすく言うなら、『紙の上に空いた穴』を吹雪は使った訳です。ケイローンやホロメン達はその穴に攻撃しても、塞ぐ事は出来ません。其処でケイローンがカシウスの槍で行ったのは、『紙の上に空いた穴を塞ぐ』事なんです。
OP:『一途(劇場版 呪術廻戦 0)』
吹雪とケイローンの闘いは決着を迎えた。
神々『『『ケイローン様ァー!!』』』
神々は大歓声を上げる。ケイローンの勝利を、神々が祝福した。
そら「ケイローン先生………」
あやめ「先生ー?大丈夫か?」
ホロメンの中で生き残ったときのそら、百鬼あやめの二人はケイローンの元に駆け寄る。
ケイローン「………素晴らしい闘士でした。最後の技も、見事な物でした」
そら「超えて行くという意味を込めて、ゴー・ビヨンド。それも神を超えて行くという意味を込めて、シンを加えたのは良い発想ですよ」
ケイローン「シンとは、真実や進む、神以外にも様々な呼び方があります。それらを踏まえた上で、あの技にそう名付けたのでしょう。いずれにせよ………もし当たってしまえば、もしカシウスの槍が無ければ、私は負けていました」
しかし、今は勝って此処に居る。
あやめ「あー疲れた。星座解除してくれー」
ケイローン「ええっ。お疲れ様でした。お二人の本体にも、宜しくお伝えします」
そら「はい。ありがとうございました」
そして、ときのそらと百鬼あやめはその場から姿を消した。オーロラが空に溶けて消えるように、二人はその場から半透明となった後に姿を消した。
夕立「うわあぁぁぁんっ!!吹雪ちゃぁぁん!!」
睦月「うわああぁぁぁぁぁぁんっ!!」
暁「いやぁぁぁぁっ!!」
響「クソぉっ!!」
雷「そんな………吹雪………」
電「うわぁぁぁんっ!!ふぶぎぢゃああああんっ!!」
艦娘達は、特に吹雪を知る者達は泣いていた。
長門「くそぉっ!!吹雪!!」
陸奥「そんな………」
赤城「吹雪さん………どうか、安らかに…………」
加賀「………お見事よ。吹雪さん………でも、死んでほしく無かった…………」
涙を堪らえようにも、我慢出来ない。止め処なく流れ出てきた。
金剛「ブッキー………」
比叡「金剛姉様………」
榛名「比叡姉様………今は、金剛姉様をそっとしましょう」
霧島「ええっ」
多くの艦娘達が吹雪の死を哀しんだ。吹雪の死を哀しむ艦娘達。
そして、ゼウス達も試合を全て見届けた。
ゼウス「ふぅ………全く心配したわい。仮にもアヤツは、ワシの弟。無事で良かったわい」
アレス「それにしても………吹雪が何をしたかは知らんが、まあケイローンには届きはしなかったか」
ヘルメス「いえ。ケイローン様も危うい所でしたよ。あの吹雪が放った物は、我々の歴史から見ても『存在しない』物でした」
ゼウス「そうじゃな。アレはワシも知らぬ。恐らく一番近いであろうグリーザのようなものじゃな」
アレス「えっと………つまり、どういう事だ?あのガラス球が何だというのだ?」
ヘルメス「ガラス球ではありません。アレは無限ゼロに近い、限りなく細い線が爆発的な回転によって完全なゼロとなり、存在しなくなっているのです。ゆえに、『この世に存在していない』が『回転だけが存在している』のです」
アレス「???」
アポロン「もっと言えば、無限小、数学的には『1⁄∞』の細さの“糸”が、先程のガラス球の形になるように超高速回転しているから、“物理としては存在していない状態に限りなく近いが、回転という事象だけが発生している”ということさ」
アスクレピオス「………色々省略して簡単に言えば、あのガラス球は紙の上に出来た穴。ケイローンやホロメン達は紙の上に描かれたキャラクター。キャラクターが穴に攻撃しても、穴は塞げない。だからケイローンは、穴を塞ぐ手に頼るしか無かった」
アレス「な、納得だ………」
まだ分からない所はあるものの、アスクレピオスが示した例えで何とか理解した。
ゼウス「まさか人間がそのような攻撃を繰り出せるとはのう。或いは、吹雪のように艦娘の運命を変える力を持つ者だからたどり着けた“技術”かもしれん」
ゼウス達から見ても、吹雪の最後の技は異質だった。彼等の長い歴史の中にも存在しない力。しかし、ゼウスはかの攻撃を“技術”と言った。即ち、神器やコズミックパワーに関係なく、『回転』を利用した“技術”なのだ。
ゼウス「人類の力、侮れんのう。特に今我々に挑んで来てるのは比較的若い奴等。若い奴等の最大の武器は、決意でも、オーバーテクノロジーでも、知性でも、力でも、武器でも、発想力でもない。その成長性にあるかもしれん」
だとすれば、後から控えている人類代表の成長性も、きっと想像を超えてくるだろう。ならば、こちらも油断はしていられない。
挑まれたならば、それに応えよう。
釈迦「ゼウスちゃーん。ただいまー」
ほむら「ただいま戻りました」
ゼウス達の元へ戻って来た、釈迦とほむら。釈迦もほむらはどうやら身体に傷らしい傷が無い。血や土による服の汚れはあるものの、表立った怪我はしてないようだ。
ほむら「………そう。人類側は負けたのね」
まどか『そっか。ケイローン先生勝ったんだ!でも……吹雪ちゃんは、もう………………』
ほむらも哀しげな顔を浮かべ、まどかはほむらの中で片目から涙を流す。
ゼウス「………レッドリボン軍はどうじゃった?」
ほむら「……………はい。私達も介入はしましたが、あの程度なら大したことではありません。本来ケイローン先生と戦う筈だった人類代表の乙骨憂太、祈本里香のカップルは、勝ち残った人類代表や師匠達と共に、レッドリボン軍を壊滅させました」
ほむらは気持ちを切り替えて、ゼウスに報告を済ませた。
釈迦「まっ、人間があれ程の怪獣造ったのは驚いたけどね〜」
ほむら「まっ、正直に言えば、まどか一人でも対処出来る感じだったわ。乙骨憂太と祈本里香の実力なら、容易い結果ね」
まどか『もうほむらちゃんったら。否定出来ないけど』
ゼウス「まっ、大した事では無かったようじゃのう」
ヘルメス「おや?他にもお客様が居られますか?」
ヘルメスがそう告げた後、出入口から三人の少女達が歩いて来た。そのうちの二人は際どい衣装を身に着けているが、その手には万年筆に似た武器を手にしていた。彼女達の間に挟まる少女はこの世の者とは思えぬ程の美少女で、美の女神にも此処まで綺麗という言葉が似合う者は早々居ないだろう。
???「………ホントに神だわ。さっきもこいつ等だけは余裕綽々って感じだったし、マジで勝てる気しないんだけど………ああっ、もう!出会っただけで強いって丸分かりなんだけど!!」
『ガラスの花と壊す世界:ドロシー』
???「弱気ね。さっきまで勝てるって言ってたのは誰かしら?」
『ガラスの花と壊す世界:デュアル』
ドロシー「煩い!アンタだって勝てるなんて余裕な雰囲気出してたくせに!」
どうやら口やかましい方がドロシーで、寡黙な方がデュアルのようだ。
???「もう二人共!喧嘩は止めて!」
『ガラスの花と壊す世界:リモ/リモーネ』
アレス「こ、こいつ等がか?俺でも勝てそうな気がするなぁ!」
ヘラクレス「いや、こいつ等は恐らく俺より強い。アレス、お前でも勝てん」
アレス「ほ、本当か?」
アレスは耳を疑うが、ヘラクレスがそう語るならば間違いないのだろう。とはいえ、未だに信じられないのも事実だ。
ドロシー「あっ、コイツなら勝てる気がするわ。デュアル、アンタは手出しすんじゃないわよ」
デュアル「そうね」
アレス「な、何だと!?」
ドロシー「あっ、マジで楽勝だわ」
アレス「な、なぁにぃ!?な、なら確かめてやろう!俺は軍神アレスだ!な、なぁに!俺の力を見せてやろうじゃないか!返り討ちにしてやるわ!ハッハッハッハッ!」
そして、アレスはデュアル達と共にVIP席から去って行った。恐らく近くの演習場に向かったのだろう。
ほむら「アレスも脳筋ね。自分で確かめなきゃ気が済まないのね」
まどか『あー………アレスさん、頑張って………』
まどかはアレスの安否が気になった。
ゼウス「………ふむ。釈迦、どうしてこうなったんじゃ?」
釈迦「あー、説明ムズいから、
釈迦はほむらに押し付けた。
ほむら「お釈迦様………ハァ、仕方ないわね。じゃあゼウス様。私がご説明致します」
此れは、第11回戦の裏側で起きた、人類同士の闘い。
どうしてこのような状況となったのか。
そして、デュアル、ドロシー、そしてリモは何者なのか。
全ての始まりは、第10回戦が始まる前、アダマスがサラサを襲撃しようとしていた頃にまで遡る。
本来、第11回戦に出場する筈だった人類代表、乙骨憂太と祈本里香の闘いである。
ED:『夢の蕾(ガラスの花と壊す世界・テーマソング):THREE(花守ゆみり、種田梨沙、佐倉綾音)』
ほむらの答えが大体を語ってますが、全てはこの章で出来る限り描写していきたいと思います。
デュアル、ドロシー、リモが常に三人一組なのは?実はこの組み合わせはかなり重要で、強さの源でもあります。