第11回戦の前まで遡る。
何故乙骨憂太や祈本里香ではなく、吹雪が出る羽目になったのか。
それは、精神と時と必要の部屋から出て来た乙骨憂太と祈本里香、そして彼等と神器錬成するワルキューレ『フレック』は、食堂に向かっていた。
乙骨「いよいよ僕等の番か………」
里香「憂太。里香も一緒に戦うから平気だよ」
乙骨「ありがとう里香ちゃん。それに、君も僕等に協力してくれてありがとう。お陰で僕等も、強くなれた気がするよ」
???「まっ、正直アンタ達なら勝てる気がするわ。なんたって、このフレックちゃんと組めたんだから。呪術師と聞いた時はなんでフレックちゃんが?って思ってたけど、案外良い奴で良かったわ」
『ワルキューレ11女:フレック』
フレックは乙骨や里香のトレーニングの際に、一度だけ神器錬成をしていた。その時、乙骨と里香は己の力を上手く使いこなした。
とはいえ、フレックにとって苦労した事がただ一つある。
乙骨「里香ちゃんは何食べたい?」
里香「憂太と一緒ならなんでも!!」
フレック「憂太。フレックちゃんのクッキー食べ――」
フレックは乙骨にクッキーを持つ手を伸ばすが、里香が平手でフレックの手を弾いた。しかしその後にフレックの手からクッキーを掠め取り、乙骨に渡す。
里香「クッキー食べよう憂太!」
乙骨「あ、ありがとう」
フレック「もおおおっ!?なんなのよこの女ァ!?フレックちゃん何もしてないのにぃ!!」
フレックはその場に有った椅子に潜り込み、涙目になりながら叫んだ。
フレックの一番の悩みはこれだった。
祈本里香は、乙骨憂太以外に対してかなり冷たい対応をする。特に女性や年上男性に対しては、かなりの塩対応だ。人類代表の大半は女性だ。祈本里香は人類代表の女性達やワルキューレ、そして怪獣優生思想のムジナにはかなり敵意と殺意を向けて来る。フレックもある程度里香と話せる程度には仲良くなれたと思っているが、それでも乙骨に対して何か用がある時に彼女は必ず邪魔をする。乙骨が言えば留まってくれるが、それでも敵意を向けて来る。手を弾く時も、口は笑っていたがこちらを睨む目は笑っていなかった。全ては乙骨を愛するが故に。
里香「……もし憂太に何か渡したいとか、用事があるなら里香に話して。憂太に伝えるから」
フレック「相談窓口か!!」
里香「憂太窓口へようこそ」
フレック「ワケワカンナイワヨー!!」
乙骨「テイオーちゃんみたいな事を言うね」
乙骨は里香から貰ったクッキーを食べる。
フレック「ハァ………じゃあ里香、憂太。食堂に……ッ!」
乙骨「襲撃…!」
里香「…………来る!」
三人はその場から跳んだ。前に跳んで床にうつ伏せになる形で倒れ込む。その瞬間、先程まで三人が居た場所に無数のダイヤの形をしたエネルギー弾が飛んで来た。そして、着弾した後に大爆発を起こす。乙骨達が床にうつ伏せに倒れたと同時にであった。
乙骨「里香ちゃん!フレックちゃん!」
里香「うん!ハァァァァッ!!』
フレック「何が起きてんのよ!ラグナロクの途中で誰よ!フレックちゃん達を襲ってきたのは!」
『
フレックと手を繋いだ乙骨と里香。そして、心を一つにした瞬間、フレックの肉体は無数の光の粒子となり、乙骨や里香と一体化していく。それは液状化したかと思えば、二人の手に纏わりついた。それは白のスライムのようだ。しかし、黒いオーラも纏っており、呪いがオイル漏れした車のように黒い線となって漏れ出ている。
乙骨「里香ちゃん!無事?」
???『だいじょうぶだよ憂太ァ!』
先程まで美少女の姿をしていた里香は、巨大な異形の怪物の姿となっていた。
そして、乙骨と里香は攻撃が飛んで来た方向を見た。
ドロシー「何よ。折角の不意打ちなのに避けられてんじゃないの」
デュアル「先に攻撃したのはそっちでしょ」
声のした方向には、二人の少女が花のような足場に乗って浮遊していた。
一人は寡黙そうな雰囲気をしたロングヘアーの少女。もう一人は活発そうな短めのツインテールの少女。二人の手には、万年筆のような形状をした武器を手にしていた。
乙骨「いきなり襲撃なんて、なんのつもり?」
ドロシー「なんのつもりですって?そんなもん決まってんでしょ。アンタ達を“削除”しによ」
フレック『ハッ?削除?何言ってんのよ』
ドロシー「アンタ達『ウイルス』を削除しによ」
乙骨「ウイルス?僕達が?」
デュアル「そうよ。それが私達の役目」
ドロシー「ってか、もうワルキューレと融合してたのね。デュアルが速くないから間に合わなかったじゃない」
デュアル「そっちでしょ。貴女こそ、何処かバグったんじゃない?」
ドロシー「ハァッ!?アンタに言われたくないわよ!」
互いにいがみ合っている。どうやら仲は良いとは言えなさそうだ。
乙骨達は、二人の少女達の発言の意味が分からなかった。自分達がウイルス?何の言葉だろう。
里香『ゆぅたぁ。あいつら敵?』
乙骨「敵かもしれないね」
里香『じゃあ、やっつけちゃおう!』
フレック『アンタ、ホントに憂太最優先ね』
乙骨「君達は誰?僕等がウイルスって何の事?」
ドロシーは乙骨の問いに答えた。
ドロシー「アンタ達が、この世界を侵食するウイルスって事。ほっときゃ総てのバックアップデータが、ウイルスに汚染されるって事」
デュアル「そして、放っておけば総ての
デュアルとドロシーは武器を乙骨達に向ける。
デュアル「だから………削除する!!」
ドロシー「そういう事よ!!削除させてもらうわ!!」
二人は襲い掛かってきた。
乙骨はスライムを変形させて刀に変えて、襲いかかって来る二人を迎え撃つ。乙骨が刀を振り上げると、ドロシーが刀身で受け止めた。
ドロシー「掛かってこいやぁ!!」
ドロシーは乙骨と武器をぶつけ合い、金属音が周囲に木霊する。デュアルが武器を振り下ろすが、背後から現れた里香が殴り掛かる。デュアルは里香の拳を槍の尾で受け止めた。
里香『ア”ア”ア”ァァア”ァア”ッ!!』
里香はデュアルと引っ掻くように爪を振り下ろす。しかし、デュアルは槍の先端からエネルギー弾を放ち、里香の頭部に当てる。爆発で里香は仰け反るが、すぐに起き上がってデュアルと交戦を続ける。
乙骨とドロシーは武器をぶつけ合う。
乙骨「可奈美さん。君の力を借りる」
乙骨はスライムの姿を変形させて、一本の刀に変形させる。それは、ハデスとの戦いで可奈美が手にしていた神器『神滅刀・千鳥弐式』であった。
ドロシー「何よそれ?パクリ?」
乙骨「模倣だよ!」
乙骨は千鳥を振り下ろす。ドロシーは千鳥を避ける。
ドロシー「ウイルスの癖に真似が上手いわね!」
ドロシーは乙骨に向けて、槍を横一線に振って花の形をしたエネルギー弾を飛ばした。
乙骨は刀でエネルギー弾を切断するが、ドロシーが乙骨の腹を蹴り飛ばした。乙骨は後ろへ足を引きずりながら下がる。
里香もデュアルと戦っていたが、突然槍の先端で腕を攻撃された。その時だった。
里香『い”い”い”い”っ!?』
里香の腕が、まるでテレビの砂嵐画面のような物に覆われた。それだけでなく、その砂嵐に覆われた腕の感覚が無い。
フレック『ちょっ!?何よこれ!?』
デュアル「………それが私とドロシーの役目。ウイルスや不具合、バグを見つけたら修正し、必要なら削除する」
デュアルが武器を里香に向ける。
ドロシー「そういう事!!アンタ等に恨みは無いけど、世界を守る為よ!とっととやられて頂戴!!」
ドロシーも武器を振り下ろす。千鳥に当たった瞬間、千鳥がまるでテレビの砂嵐画面のような物に覆われた。
ドロシー「
ドロシーがそう言った後、千鳥が圧縮して小さな中性子星の形になると、そのまま霧散して消滅した。
乙骨「嘘……!」
フレック『コピーした複製体とはいえ、神器を消した!?』
乙骨も驚愕した。
そして、理解した。このままでは里香の腕が消される。
否、もしかしたら里香そのものが消される可能性もある。
乙骨「里香ァ!!」
その瞬間、乙骨は床を蹴って更に速くなり、里香に手を伸ばしたデュアルに拳を振り上げた。
デュアル「速い!」
デュアルは後ろに下がる。
ドロシー「何ボーッとしてんのよ!」
ドロシーが乙骨に攻撃を仕掛ける。乙骨はドロシーの攻撃を避けた後に、ドロシーに蹴りを放つ。
その時、里香の腕も元に戻った。どうやらこの状態は維持出来る時間は短いようだ。
ドロシー「ほらぁ!とっとと削除しないから!」
デュアル「お喋りね!」
ドロシーとデュアルは、花の装置を展開した。再び空を飛び始める。
乙骨「里香、大丈夫?」
里香『だいじょーぶー!』
乙骨「そっか。良かった」
乙骨は里香に微笑んだ後、再びデュアルとドロシーの方を向いた。その時、デュアルとドロシーの胸元にあるマークが見えた。
それは、赤いリボンの紋章だ。そのリボンには、『R』の文字が横並びに刻まれていた。
乙骨「そのマーク………ピッコロさんから聞いた事がある。確か、レッドリボン軍っていう軍隊じゃ………」
ドロシー「ん?ああっ、これ?もう気付かれたのね。まあ気付かれた以上、削除させてもらうわよ!」
ドロシーが先に攻撃を仕掛けた。
その瞬間、ドロシーと乙骨の間の床が突き破られ、大樹の壁が二人の間を覆った。
ドロシー「ちょっ!?何よなによ!?」
ドロシーはその場から引いた。ドロシーに向かって伸びてきた蔦や枝を、槍で弾いてノイズを被せた。そして、そのまま影響を受けた蔦や枝は圧縮され、小さな白い点となった後に消滅した。
ライスシャワー『憂太さん!大丈夫!?』
乙骨の前の大木の表面から、全身が樹木になったライスシャワーが浮かび上がって来た。能力で森林化しており、今のライスは森そのものとなっている。
乙骨「ライスさん!うん!僕は大丈夫!」
そして、デュアルが槍をライスに向けるが、突然閃光と電撃が周囲に走ったかと思えば、突然デュアルの腹に光線が命中した。
テイオー「へっへーん!テイオー様のフォトンブラストダモンニ!!」
テイオーは周囲が遅く見える程の速度で動いていた。それによってデュアルの懐に入り込み、両腕からエネルギーを溜めて放つ『フォトンブラスト』を放ったのだ。
吹き飛ばされたデュアルは体勢を立て直すが、突然横から三人の人物が襲って来た。
ルフィ、スペ、そしてピッコロの三人だ。ルフィはギア2となり、スペは全身から蒸気を噴き出し、ピッコロは全身から気を開放する。ドロシーは三人の攻撃を回避して空中に浮かび、槍をルフィ達に向ける。
ドロシー「油断すんじゃないわよ!」
ドロシーが槍を振るってエネルギー弾を放つ。
ドロシーの放つエネルギー弾を避けるルフィ達。
ドロシー「ホンットに多いわ!ウイルスがこんなに!どうなってんのよ!?」
その時、デュアルが動きを止めて、虚空を見上げる。その様子は、例えるなら人質を取られて犯人に従わざるを得ない正義の味方のようだ。
デュアル「………っ!ドロシー、撤退命令が出たわ。引き返すわよ」
ドロシー「ハァッ!?んなもん無視しなさいよ!こっちは今忙しいのに!」
デュアル「戻らなきゃリモが何をされるか!」
ドロシー「ッ!っち!彼奴等!!」
ドロシーも攻撃を止めた。
そして、二人は背後に万華鏡を彷彿とする空間が広がる穴を展開した。
ドロシー「命拾いしたわね!でもまた会ったら、アンタ達全員削除してやるわ!」
デュアル「早く行きましょう」
ドロシー「うるさい!!」
そして、二人は穴に入った。二人が入った後、穴は縮小した後に閉じた。
乙骨「あの二人は一体………」
里香「………憂太憂太ァ!」
元の姿に戻った里香は、そのまま憂太に抱き着いた。乙骨は里香の頭を撫でながら、二人が立ち去った場所を見つめ続けるのだった。
乙骨優太&祈本里香(呪術廻戦)×フレック(ワルキューレ)
神器:『カーススライム』
神器能力:乙骨と里香の両腕に纏っている白いスライムで、黒い色をした呪力が漏れ出ている。
乙骨と里香の『模倣』をより強化しており、本物と遜色ない『模倣』が可能である。他の人類代表達や今まで出会った人達のコピー体を此れで生み出せる。
コズミックパワー:『カース・ヴァース』
宇宙全体が『呪い』で構築された宇宙で、ありとあらゆる宇宙現象総てが『呪力』によって引き起こされている。例えるなら、太陽のような恒星が起こす核融合反応も呪力によって引き起こされる。ブラックホールも呪力によって圧縮して特異点を生み出している。宇宙の膨張も呪力による膨張がメイン。
能力:無制限の呪いを扱う事が出来る。呪いはカース・ヴァースから供給されるので呪力が尽きる事は無く、限界無しで使用可能。また、この呪力は他の物質や生き物に分け与える事も可能で、無機物に与えた場合は呪物へ変化させ、生物に与えれば呪力を行使する呪霊生物へ変化させる。神器で生み出したコピー体に与えれば、コピー体に本体と遜色ない力を引き出せる事が出来る。これにより、反転術式も領域展開も時間制限無く使用可能になる。
人類
デュアル
神器:不明だが、2つもある。
神器能力:不明だが、そのうちの一つは炎が関係しており、北欧神話がモチーフ。
コズミックパワー:無し
能力:無し
ドロシー
神器:不明だが、2つもある。
神器能力:不明。そのうちの一つは氷が関係しており、北欧神話がモチーフ。
コズミックパワー:無し
能力:無し
現実世界に居た新庄アカネの描写、そしてデュアルとドロシーの発言、ラグナスペースの正体は大体勘付いてると思いますが、神や人類が戦っている最終闘争宇宙(ラグナスペース)は、現実の世界ではありません。