あの事件から数日後
「ジン君、準備は出来たかい?」
「行けますよ」
「よーし!じゃあ第一試合・・・・開始!」
上から恭也さん。僕。忍さんの順だ。
彼女達が僕に戸籍などを用意してくれた。
如月 ジン (12歳)
なんとも甘い人達だ。
普通こんな正体不明は始末すると思うのだがな。
まあ、話を戻そう。
僕は月村家に所属する扱いになった。今後はここを活動拠点にせざるおえなくなった。
僕は恭也さんの稽古相手になり、すずかとアリサのティータイムに招待されたりと、そんな生活だ。
個人的には、早く逃げ出して世界を見て回りたいのにこれだ。
彼女達には、世界を見て回りたいと伝えたのだが
『貴方が20になったらね☆』
と忍さんにキラッとされた。
そして今、
「はあ!」
「遅い」
絶賛剣の稽古中と言うわけだ。
「はぁ!喰らえ!徹!」
ようやくか。よし。
「虚空陣雪風」
木刀でなんとか再現した「雪風」で恭也さんの横に立ち、お腹に木刀を当てる。
「また負けた・・・・」
「もう少し早くなってから来てください」
こんな感じの毎日だ。
おそらく悪くないと言うやつなのだろう。
だが。
「僕は世界を見て回りたいんだ」
そう言って月村家を出ようとした。
「おっと?行かせないぜ?ジン」
振り向くと、笑顔でイレインが待っていた。
「何の用だ・・・イレイン」
「家に戻ってくれよ、ジン、私はまだあんたと離れたくないんだ」
「・・・・・・・・・今の僕にとってお前は障害だ」
ジンの後ろで氷が固まり出した。
イレインはファイティングポーズで構える。
「消えろ」
そう言ってジンは剣を取った。
「おらぁ!」
イレインはジンに接敵し殴る。
「ふっ!」
ジンは当たり前かのように攻撃を避け剣を振る。
「くっ!」
剣は彼女の腕に傷を付ける。
「・・・・・もう一度言う、消えろ」
「お前とまだ一緒に居たいんだ!」
そう言ってイレインは駆け出した。
「仕方ない・・・!」
そう言ってジンは攻撃を剣でガードし始めた。
「オラオラ!絶対行かせねぇ!行かせてたまるか!」
イレインは少し泣きそうな顔だ。
「縁があればまた会えるだろ」
「それまでが遠すぎるんだよ!」
彼女は攻撃を連打する。全て剣で防がれている。
そして、
「ふっ!」
彼の体から氷が出て彼女の体は凍りつく。
「くそ!動けねぇ!」
「さよならだ、縁があればまた会えるさ」
「くそ!動け!動け!」
彼女が氷から抜け出そうともがく。
しかし、現実は残酷である。
「またなイレイン・・・・・氷翼月鳴!」
彼は弓を構えるような格好でしゃがみ、氷の弓を彼女に打つ。
「ぐっ!?がぁあぁぁああああ!?」
彼女は強い衝撃と寒さで意識を失った。
機械人形だからこそ壊れもせずすぐ直る程度である。
「じゃあなイレイン・・・」
彼は倒れた彼女の頬をなで、仰向けにした後。
その場から去って行った。