願わくば、意味のある死を   作:虚憂

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時間が飛びます、と言うか自分の中での構想上のプロローグが終わるまでは結構急ピッチになるかも。


黒めな職場から、重めな環境へ

「ガキども!さっさとやり合え!時間の無駄だっての!」

 

「う、うぅ……ひっぐ……もうやだぁ……」

 

「……」

 

 

 いたいけな子供二人が、適当な武器を持たされ、大の男に殺し合えと怒鳴られる。

 うーん、どう考えても犯罪臭が拭えないな。

 

 

「泣いてんじゃねぇよガキが!……クソ、もう一人のガキは気味悪ぃし、めんどくせぇなぁ本当に……!」

 

 

 いやまぁ、殺し合わされてる二人のうちの一人は、推定精神年齢……三十歳?くらいの俺が中身であるから……なぁ?

 お相手の子はすっごい泣いてる。

 ごめんね、ほんと。

 

 

「もう良いか……始めろ!!」

 

 

 この謎の組織の……支部?みたいな所に連れて来られて、早くも数ヶ月(推定)が経った、時の流れは早いな。

 窓とか特に無い所為で時間の流れが曖昧だ、だが大人達の交代だとかのタイミング的に数ヶ月は経ってる筈だろう。

 

 

「ううう……!何で()()と……!おかあさんたすけて……!」

 

 

 その期間の前半……だろうか、って時期には、俺含む十数人の子供達は殺しの技……と言うよりか、戦いを教えられていた。

 こんな場所に技術もクソもないよな。

 

 後半はまあ見ての通りで……うん、殺し合いだな。

 俺も結構殺した、こんな環境で生きているよりは余程マシだと思ってる。

 

 

「ごめんね」

 

「!?」

 

 

 悪いが殺すのに手は抜かない。

 俺も相手も持っているのは小さなナイフ。

 条件は一緒、でも俺はもう慣れているから。

 

 狙うは首の後ろ側……頸椎(けいつい)、と言う場所一点だ。

 子供の膂力だと刃物を刺す、と言う行為すらかなり難しいんだが……即死を狙える所を、俺は他には知らない。

 

 

「や、やぁ!来ないで!!」

 

「……それは、むり」

 

 

 ナイフをただ振り回す少年だが……そんな振り方だったら、な。

 ほら、簡単に後ろに回れる。

 

 

「ひっ……お、おねが……しにたく、ない……」

 

「……」

 

 

 遠慮は出来ない、相手を苦しめるだけだから。

 ナイフを振りかぶり……そのまま少年の首に……!

 

 

「ッ!」

 

「ぁ……や……」

 

 

 顔に、生暖かいナニカが付着する。

 ……大丈夫、痛みは出来るだけ少ない筈だ。

 

 

「けっ……またコイツかよ……本当に薄気味悪ぃガキだなぁおい」

 

「……もう、おわり?」

 

「話しかけんじゃねぇよっ! お前のはもう終わりだ、さっさと下がれ」

 

 

 俺の番はようやく終わりらしい。

 ……いつまで続ければ良いんだろうか。

 他の子はまだ続きがあるらしく、間を通り、見慣れた檻に足を進める。

 

 

()()だ……」

 

「怖ぇよ……何であんな簡単に殺せんだよ……!」

 

「しかも無表情だし……キモ」

 

 

 ……。

 

 このメンバーは殆ど俺より年上だ。

 無論、体の年齢だけどな。

 正確なことは聞かないし聞けない、でも皆背が高いから上の歳なのだろう。

 

 その所為か、それ以外か。

 二桁行ってないだろう俺は凄く目立ってる……昔も、今も。

 

 無表情、と言うのは俺の体の方。

 表情筋に難があるのか、あまり動かない。

 俺も動かさなくても良いかなと放って置いたら、いつの間にか人形、だなんてあだ名で呼ばれる様になっていた。

 

 

「……」

 

 

 相変わらずの檻の中、避けられているのだろう。

 俺の周りには誰かが居た痕跡はなく、俺も部屋の奥の隅に座る。

 もはや指定席の様であるが……まぁ年下が躊躇無く人を殺していたらこうなるよな、うん。

 

 

「ごめん、なさい」

 

 

 掠れるような声で紡ぐのは謝罪の言葉。

 罪悪感に、遅すぎる後悔。

 悲しい辛いと思えども涙は出ない、当然だ。

 

 ()()()から既に、俺の覚悟は決まっている。

 

 

「くるしま、せない……から」

 

 

 どうか俺を恨んでくれ、許さないでくれ。

 それが俺に出来る唯一の……自分勝手な償いだ。

 

 

「……」

 

「……だいじょうぶ?」

 

「……?」

 

 

 声をかけられ振り返る、そこに居たのは桃色の……珍しい髪と瞳の色の少女だった。

 え、いや……誰?

 

 

「……」

 

「えっと、わたしもあなたと()()()だよ」

 

 

 同じ……ああ、同じグループってことか。

 なら、俺の事もちゃんと知ってる筈だが。

 

 

「……」

 

「えと、その……」

 

「……なにか、よう」

 

「その、いつもすみっこで、つらそう、だったから」

 

「そう……だいじょうぶだよ」

 

 

 そう言う彼女の目は、本気で私を心配している様で。

 

 不思議な子。

 気味悪がられてる奴に、辛そうだと言う理由で声をかけられるとは。

 友達がいないタイプ……ではなさそうだ。

 周りの奴らが心配そうにしている。

 

 嫌われ者に声を、手を差し伸べる女の子か。

 ……小説内であれば、主人公だとかヒロインだとかに選ばれそう、そんな印象を、思わず感じてしまう。

 

 

「なら、よかった、わたしは、はっぴゃくろくじゅうごばん!あなたは?」

 

「……?」

 

「あ、えっと……ばんごう、は?」

 

 

 ……?

 あ、識別番号みたいな奴か、確か俺は……。

 

 

「……ぜろ」

 

「ぜろ!? すごーい!じゃああなたはぜろちゃんね!」

 

「え?」

 

「わたしとともだちになろ!ぜろちゃん!」

 

 

 手を取りキラキラとした目で見つめられている。

 

 ちょっと待て、理解が追いつかんぞ?

 急展開にも限度があるだろう。

 

 

「……なんで?」

 

「?なんとなく、だけど」

 

 

 いや、何となくで、躊躇なく人を殺せるんだと分かってる気味の悪い奴と友達になろうとしないでくれ。

 

 

「きみわるく、ないの」

 

「だいじょうぶだよ?」

 

 

 うーん、これは話が通じない気がするなぁ……天然か?

 

 

「……だめ?」

 

「だめ」

 

 

 ダメだろ、いずれ殺し合う事になるんだし、そうなるんなら仲良くなる必要は……。

 

 

「……」

 

「……うぅ」

 

 

 !?

 いや待って、なんでそれだけで泣きそうに!?

 ああもう、いきなり声かけてきたのそっちだってのに……!

 

 

「わかった、ともだちに、なろ」

 

「!」

 

「……なかれると、こまるから」

 

「えへへ……よろしくね!ぜろちゃん!」

 

 

 ……なんだろう、あの男程では無いが、面倒な気がしてきたぞ。

 だけれども。

 少女の様に……いや少女だが、私、嬉しいです……と言った風に笑う少女の顔が、泣かなくて良かったな、とは思う。

 

 ……それが、この先自分を苦しめる事になったとしても、そこに後悔はしない……筈。




曇らせとか、タグ入れる必要ありますかね、あと駄文だとか。
曇らせと言うより重いナニカな気はしますが、判断しかねる所です。
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