もう一人の先生   作:ゴンザレス☆田中

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初投稿です。
オビトって先生に向いてね?
そもそも下の名前カタカナだから世界観あうくね?
忍術研究部ってNARUTOネタあるくね?
イズナかわいくね?

そんなノリと勢いだけで書き始めました。



プロローグ
始まりのアーカイブ


 

 ボロボロと皮膚が剥がれていき、身体が崩壊していく。

 腹には、カグヤから放たれた共殺しの灰骨が深々と突き刺さっていた。

 痛みはほとんどない。だが、崩壊の進行具合で考えれば、俺に残された時間はあと僅かだ。

 

 このまま何もせず、無様に死ぬわけにはいかない。

 せめて最後に、自分にできることをしなければ…。

 

 あぁ、そうだ。

 

 あの時(神那毘橋)と同じように、この写輪眼を贈ろう。

 大事な局面で何もできず、畑(・)に(・)立(・)つ(・)文(・)字(・)通(・)り(・)の(・)カ(・)カ(・)シ(・)にならないように――

 

「カカシ……」

 

 もう感覚がない下半身を、気力だけでどうにか動かそうとした。

 だが意思に反して、俺の身体は跪いてしまう。

 この満身創痍の身体では、超重力の空間に立っているのは限界だったらしい。

 

「オビト…っ」

 

 最後の力を振り絞り、近寄るカカシの顔に両手をあて、残されたチャクラを流し込む。

 

 これでしばらくは写輪眼のカカシとして、再びナルトたちの力になれるはずだ。

 

「お前は…すぐに…来るんじゃ…ねぇ…ぞ……最後まで…生き……ろ…」

 

 全身の力が抜けていく。

 しゃべるのも難しくなってきた。

 視界もぼやけ、もうほとんど見えない。

 だが、カカシが悲愴な面持ちになっているのは見て取れた。

 

 なんだ――なんだよカカシ、そんな顔…するな。

 こんなクズに…そんな顔をするなよ。

 

 世界に絶望し、否定してやろうとした。

 「夢の世界」を創る為に救世主(マダラ)を騙り、ひたすら闇に堕ち続けた。

 救世主(マダラ)として世を歩き見えたものは、非情さと、虚しさと、絶望だけ。 

 多くの人間を巻き込み、傷つけ、殺し、世界を滅茶苦茶にしてしまった。

 心のどこかで、間違っていると思いながらも。

 

 だがこんなクズにも救いはあった。

 かつての己と同じ夢を抱く後輩が、オレに再び光を見せてくれた。

 

 「はは…ははは……」

 

 木の葉の忍として。そして、火影をかたりたかったうちはオビトとして。

 最後は仲間とともに、世界を救うために戦うことができた。

 

 なんだこの感じ…オレの内に湧き上がる…この気持ちは。

 あぁそうか、オレはうれしいのか。

 最後に友と共に立てたことが…。

 そうか、だからオレは笑っているのか…。

 

 決して許されることのない大罪人でも、後悔だらけの人生だったとしても。

 最後の最後に、惜しまれながら逝くことができるのだ。

 

 罪人のオレに慈悲の感情はいらないよ…カカシ。

 お前が見送ってくれればそれで…。

 最後まで、ありがとうなぁ。

 

 溢れる多幸感と、黒に沈みゆく視界。

 崩壊が最後まで進んだところで、オレの意識は消失した。

 

 

 

                    *

 

 

 

少女忍法帖ミチルっち

チャンネル登録者数:19人

57本の動画

最近の投稿:サルでもわかる印の結び方 の巻 再生回数:27回

総再生回数:492回

 

 

「…はぁ」

 

 そっとパソコンを閉じた後、無情な現実に思わずため息をついてしまった。

 最近の私を悩ます深刻な問題――そう、動画が伸びないこと。

 いや、まぁ別に今に始まった話じゃないんだけどね。

 

 最初は、キヴォトス中のみんなに忍者の魅力を知らしめる!

 この広大なインターネットの世界なら、きっとわかってくれる人がいるはず!

 って野望を抱いてやってたんだけど…。

 

『忍者なんているわけないでしょw』

『やらせ乙』

『遊んでないで勉強しなよ』

『ふにゃふにゃボイス』

 

 最初の方に投降した動画は、そんなひやかしや悪質コメントばかりだった。最近はコメントすらつかなくなっちゃったけど。てかふにゃふにゃボイスって何?どゆこと?

 

 でも私たちは忍術研究部、そして私は忍術研究部の部長!

 どんな逆境でも決してあきらめないのだ! がんばれ千鳥ミチル!

 次は忍者に興味がない人でもカッコいいって思ってもらえそうな、あの術の動画を投稿しよう。

 てなわけで…。

 

「ツクヨ! 今日は口寄せの術の動画を撮ろう!」

 

 

 

 

 

 演出の都合上、広い方がよいので外で撮ることにした。

 雲一つない快晴で、絶好の撮影日和だった。

 ちなみに場所は、学校近くの広くて大きな桜の木がある公園。

 穴場だからか人が少なく、よく撮影で使っているお気に入りの場所だ。

 

「それで部長…、その口寄せの術っていうのはどんな術なんですか…?」

 

 セッティング中のツクヨに尋ねられた。

 

「ふっふっふ、よくぞ聞いてくれました! わかりやすく言えば、そう…ずばり召喚術!」

「しょ、召喚術ですか!?」

 

 目をキラキラさせている。相変わらずいいリアクションするねぇ。

 

「そう、契約した動物や遠くにある武器を呼び寄せる忍術なのだ…本来はね」

「本来は…?」

「タネも無しにそんなことはできないから、今回も編集で再現するのだ」

「そう…なんですね、すみません、あまり詳しくなくて…」

 

 一転してしゅんとなってしまった。

 毎回動画撮影の度に、ツクヨの夢を壊してしまっている気がする。

 うーん、すごく罪悪感を感じる。

 

「やー、大丈夫、大丈夫だから! それよりほら、撮影始めよう!」

「あ…は、はい」

 

 落ち込むツクヨを慰め、録画を始めてもらった。

 

「私が印を結び終わったら、用意した煙幕を一斉に使って。

 そんで、映らないようにあのニンペロさんぬいぐるみを置いておくこと。じゃ、お願いね!」

「わかりました…頑張ります!」

 

 

 気を取り直そう。

 さて、口寄せの術を使うには印を結ばなきゃいけない。

 亥→戌→酉→申→未の順だ。

 この印結びが地味に難しく、私は映画『忍者デストロイヤー』に出てくる忍者みたいに素早く結ぶことができない。ちなみにツクヨが印を結ぶと、印そのものの形が崩壊する。

 まぁゆっくりでも正しく結べば術は発動するでしょ、多分。フィクションだしね。

 

「亥、戌……酉…むむむぅ」

 

 思ったより難しいな。スピードを落としてもう一度。

 

「亥…、戌…、酉…」

 

 よし、ゆっくりなら大丈夫そう。

 

「申…、未…!」

 

 上手く印を結べた。

 その時、自分の中から何かが込みあがってくるのを感じた。

 

 あれっ、なんだかものすごい力が湧き上がってない?

 テンションがあがってるからかな。

 今なら本当に、何かを口寄せできたりして!

 

 そんなことを考えながら、右手を広げ地面を叩く。

 手を中心に地面に黒い魔法陣のようなものが広がる。

 私は、ツクヨが用意してくれた演出かなにかだと思った。

 

「口寄せの術ぅぅっ!!」

 

 ボンッ…とものすごい音がした後、視界を遮るほど大量の煙が発生する。

 

「ゲホッ…ゲホッ……」

「ぶ、部長!? 大丈夫ですか!?」

「だ、大丈夫…ちょっと煙…多かったかもね…ゲホッ」

 

 用意していた煙幕、いつも使ってる安いやつだし、そこまで煙でなかったはずなんだけどな。

 まぁ派手な演出の方が再生数も伸びやすいし、結果オーライか!

 あとはツクヨがニンペロさんぬいぐるみを置くだけ。

 最後にそのぬいぐるみを前に、私がキメポーズをして終わり。

 

 

 

 …のはずだった。

 

「……あえっ?」

 

 素っ頓狂な声が聞こえた。

 またドジをしてしまったのだろうか?

 

「…ツクヨ、大丈夫?」

「ぶぶぶ、部長…!」

 

 ツクヨの様子がおかしい。

 基本的にいつもあわあわしている子ではあるが、これはドジをしたとか、ヘマをしたりとかそういう感じではない。何か異変があったのだろう。

 

「人が…!人が…っ!」

 

 人?人がどうしたのだろうか。

 近くで人が倒れたとか? 少なくともさっきまで周りには誰もいなかったはず。

 

 異様ではない空気に、不安が募る。

 風が煙をさらっていき、だんだんと景色が晴れていく。

 

 ツクヨは、私の足元のほうを見て狼狽としていた。

 彼女の視線の先を、恐る恐る確認する。

 

 

 すると。

 

 

 そこには。

 

 

 白い短髪の人物が横たわっていた。

 

 

 百八十センチはありそうな、筋骨隆々とした身体。だが、その右半身は白く、まるでつなぎ合わせたかのような不自然さを呈している

 そして顔も同様、右半分にシワがあるが、それを除けばイケメンといえる顔立ち。

 

 キヴォトスの生徒でも住民でもないと一目で分かる容姿。私の見当違いでなければ、恐らく大(・)人(・)の(・)男(・)性(・)だろう。

 だけど、この人は一体どこから現れたのだろう?

 

 …まさか、今の口寄せの術マネで本当に召喚してしまったのだろうか?

 普通に考えたらありえない事だが、状況が状況である。

 

「ふぇ…うそ…でしょ」

 

 やったね! これで私も一人前の忍者だぁ、ニンニン!

 普段だったら、そう狂喜乱舞していたかもしれない。

 だけど、流石にこれは―――。

 

「ど、どうしましょう部長ぅ…」

 

 ツクヨが今にも泣きそうな顔でこちらを見ている。

 男性の意識はなかったが、息があるのでとりあえず生きてはいるようだ。

 

 さて、問題はこの後である。

 私はこの人をどうするべきか。

 

 このまま放置して帰る? いやいや、誰かに見られたりしてたら捕まるかも…。

 ヴァルキューレに通報? でもあの人たちいっつも来るの遅いし、なんか疑われて逮捕とかされそうな気もする。

 じゃあ陰陽部に連絡? うーん、面倒ごとに取り合ってくれるだろうか?

 連邦生徒会…は、そもそも伝手なんてないし、今大変なことになってるってニュースでやってたような。

 

 つまるところ、頼れるところなし。

 いやいや、私にどないせーちゅうねん!

 

 

「…いやぁ、本当にどうしようね」

 

 私はただ茫然と召喚されたソレを眺めるしかなかった。

 

 

 

                    *

 

 

 

 忍術研究部が口寄せの術に成功(?)したちょうどその頃。

 この世界――キヴォトスに、もう一人の大人が訪れていた。

 訪れていた…というより呼び出されたというべきかもしれない。

 失踪中の連邦生徒会長が設立した連邦捜査部「シャーレ」

 その担当顧問で、後に生徒たちから「先生」と呼ばれる人物である。

 




ご覧いただきありがとうございます。

不忍ノ心あたりでブルアカを始めてハマりました。ニンニン
最近の最終章無限追加編で涙腺崩壊しました。
極力原作に沿って進めたいと思っています。
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