「█って何だろう」
つちの子
つちの子は希少種だ。
のこのこ、のこのこ。
█は希少種だ。
のこのこ、のこのこ。
█はつちの子だ。
のこのこ、のこのこ。
のこのこ、のこのこ。
──今日は一段と飛んでる。
精神的に不安定な時。
私の中は大荒れ模様だ。
──█はつちの子じゃない。
めんどくさい█が乗っかってきた。
──でも三段論法ではそう示されてる。
私の中はいつも騒がしい。
──じゃあ使い方が間違ってる。
つまり誤謬。
──難しい言葉は使わないで。
わかりやすく簡単に。
──こんな単純な文が間違ってるの?
単純な文だからこそ。
──まず正しい三段論法の使い方を見つけよう。
三段論法とは、
AはCである。
BはCである。
AはBである。
のように論理的な結論を導く方法。
──でも今回は論理的じゃない。
つまり正しくない。
──じゃあここから間違ってるのかな。
最初も最初、入り口から。
──この方法で正しいものを考えよう。
例えばAはバナナ。
──ならBは果物。
Cは甘い?
──ブトウも甘い。
ダメだね。
──果物で結論に導いてみたら?
なるほど。
Cが果物。
──バナナはりんご。
どうやっても『█はつちの子』と同じ結論にたどり着く。
じゃあ三段論法とは、
AはCである。
CはBである。
AはBである。
なのかも。
今回だとAはバナナでCが果物。
──じゃあBは?
果物は甘い。
──バナナは甘い。
悪くない。
──甘くないバナナもあるよ。
うん。
なら甘くない果物があるとも言える。
つまりふたつ目が正しくないだけで三段論法は正しい。
──今度はこの方法で正しくないものを探してみよう。
論理的じゃないもの。
Aは█。
──じゃあBは陽キャ。
█と陽キャを繋ぐもの。
ギタリスト?
──全てのギタリストが陽キャとは限らない。
動画配信者?
──全ての動画配信者が陽キャとは限らない。
全て。
この全てが論理の鍵なのかも。
──全てとは包括していること。
ベン図だっけ?
丸を書いて重なり合う場所の要素がどうたらって。
──難しい言葉は使わないで。
わかりやすく簡単に。
つまり三段論法とは、
AはCである。
全てのCはBである。
AはBである。
ということ?
──正しいね。
論理的だ。
──でも当然のことを言ってるだけ。
確かに。
この方法では既知のものしか結論できない。
──難しい言葉は使わないで。
わかりやすく簡単に。
この方法ではわかってることしかわからない。
──つまり?
あまりいい方法ではないのかもしれない。
こうして█たちは『█はつちの子じゃない』を十数分かけて理解した。
「つまり?」
「全ての█って何だろう」
-
──全ての█はつちの子たち。
-
──全ての█は█たち。
-
全ての█は私。