ぼっち・ざ・かくれんぼ!   作:ライム酒

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この指

 

 ぼっちちゃーん、どしたの?そんな俯いて。

 

 えっ、私?

 いやー、昨日飲みすぎちゃってさ。

 こんな時間だから先輩のところでシャワーを借りようかなーって。

 

 ええ、露骨に離れないでよ!

 まだ2日は突入してないからさー。

 

 ……そんなに匂う?

 それよりお酒臭い?

 それはしょうがないね。

 

 それで、ぼっちちゃんは?

 

 え、……文化祭のステージで、ライブ?

 へー、文化祭で、ライブ……っうう。

 ううっ……。

 

 ……あー、ううん、ごめんね、急に泣いちゃって。

 私も高校の時から飲んでたらこんな青春があったのかなって。

 あー、いいなー。

 文化祭でライブかー。

 かっこいいなー。

 

 あっ、やっぱわかっちゃう?

 うんうん、似たもの同士って惹かれ合うのかなー。

 私も高校の時はすごく陰キャでさ。

 同級生も先生にも話しかけられなくて。

 それこそ文化祭なんて適当に体育館で時間を潰してたよ。

 

 だからさ、ぼっちちゃんは本当にすごいなって。

 この前だって素面で路上ライブできたからねー。

 それにライブハウスでもさ。

 ほんとに……。

 

 えっ?まだでるとは決まってないの?

 ……そっかそっかー。

 まだ用紙提出できてないんだね。

 

 うんうん、怖いよねー。

 私もさ、初めてライブ申込む時はすごい緊張したなー。

 ライブハウスに行く道で何度帰ろうと思ったか。

 なんとなしに空なんか見上げてさ、地震でもおきないかなーって不謹慎に願ったりさ。

 

 それだけ嫌でも、ライブを申込んだよ。

 

 だってこのままの自分の将来想像したらさ、つまんなすぎて絶望しちゃったんだよね。

 40年だよ?

 これから40年、私は苦手な事をずっとやるのかと思うとね。

 

 だったらさ、少しでもやりたいと思う事をやってやろーと思ってロック始めたの。

 

 楽器店でベース買ったり、ライブハウスに初めて入ったり。

 最初はすごい怖かったし。

 

 でもさ、一番怖かったのは違うんだよね。

 もちろん、ライブを申込むのは怖かったけど。

 どれもひとりでできるからさ。

 

 一番怖かったのは、メンバーを誘った時なんだよね。

 バンドやりませんか、って私よく言えたよなぁ。

 

 断られたらどうしようって。

 どうしようもないのにね。

 

 ずっと悩んでたのに最終的には勢いに任せてさ。

 うまくいかないことばかりだったけど。

 でもやってよかったよ。

 

 ね、ぼっちちゃん。

 初めて何かをするってのは誰だって怖いよ。

 それはぼっちちゃんだけじゃない。

 

 でもさ、やりたいと思うことをやらないでいるのは、すごくもったいないと思うよ。

 それは今しかできないんだからさ。

 

最後にみんなに会ったのは何時ですか?

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