ぼっち・ざ・かくれんぼ!   作:ライム酒

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 後藤さんすぐ調子に乗るのね。



ぼっち・ざ・らいぶ![4.000, +1.000, 日常セカイ]
ちょちょいのちょいですよぉ


 

 私、後藤ひとりはこの度、結束バンドの作詞大臣に就任しました。

 

「どうしてこうなった」

──どうしてこうなった?

 などてかくなりにけり(古語)

 

 絶賛混乱中の私は大変貴重な1週間を無駄にした。

 

 その間、手は勝手に動いてサインが完成していた。

 

 

「そういえば中学の頃に書いた作詞ノートがあったはず」

 

 押入れから過去の私の詞を探す。

 たくさんの教科書や参考書、ノートの中から目当てのものを見つける。

 

──呪詛?

 

 過去の私はどうかしていたのだろうか。

 悲観的な私ですら過去の私に理解が苦しんでいた。

 

 

──整理しよう。この曲は喜多さんが歌うもの。

 

「やっぱり明るい詞、青春ソングかな」

──暗い詞だったらいくらでも書けるけど。

 

 明るくて優しくて可愛い喜多さんが歌う曲。

 

「私なんかが書けるだろうか」

 正反対の私はため息がでる。

 

──喜多さんはどうな曲を歌う?

 喜多さんなら。

 

「私は陽キャ!ナイトプールでサーフィンをする女!」

 キタさんになりきるんだ!

 

「うぇーい!いっき!いっき!」

「皆バイプスあげてこぉ!」

「おにーさんテキーラ追加ぁ!」

 

 キタさんが暴走した。

 

 

「違う。これは明るい人じゃなくてただのパリピだ」

 散々やってようやく気づく。

 

──明るい人、私と違いすぎて想像がつかない。

「暗示じゃダメだ」

 

──喜多さんから連想してみよう。

 

「喜多さん。喜多さんといったらイソスタ」

──イソスタといったら渋谷。

──渋谷といったら花火大会。

 花火大会といったら。

 

「今日渋谷行く人この指とーまれっ!」

 

 お母さんから除霊を薦められた。

 

 

 

 部屋にはたくさんの盛り塩とお札が飾る。

 私にも念入りにお塩をすりこまれた。

 おでこが痛い。

 

──青春ソングが難しいなら応援ソングにしてみよう。

 

 塩の匂いが微かに香る部屋で私は発想を変える。

 

「応援ソングか」

 無責任に現状を肯定するのはあまり好きじゃないんだけど。

 

 

 できた詞はやっぱり薄っぺらい。

 あと読んでてちょっとムカつく。

 気分も悪くなる。

 

──こんな曲、落ち込んでる時に聴いたらさらに悪化する。

 

 ほんとにこれでいいのだろうか。

 答えは考えても見つからなかった。

 

 塩は舐めるとしょっぱかった。

 

 

「とりあえずリョウさんに見せよう」

 

 返信はすぐに来た。

 誘われたのはここからほど近い喫茶店。

 

 

 外観はおしゃれなカフェだ。

 

──そういえば店にどうやって入ればいいんだっけ?

 外食なんて一度もひとりでしたことない。

 

 なにか儀式があったはず。

 

 

「へっへい!大将やってるぅ?」

 ここはアウェイになった。

 

 ロックって何だろう。

  • ──ロックはロック。
  • ──ロックはひとりごと。
  • 「わからない」
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