(仮称)ぼっち・ざ・シンガー 作:ハッピーエンドの話をしよう
また書けそうなら書くかも。
人は誰しも、誰かに憧れる生き物である。と、僕は考える。それは、近頃の若者達が将来なりたい職業として動画投稿者の名を上げていることから。という一つの根拠と、過去に一度だけ、僕も憧れというものを抱いたことがあるからだ。故に、僕は憧れという物は、人生において一度は必ず抱くべきである!と主張する。
憧れ?何それ美味しいの?とかいう人らがいることも承知の上だ。しかし、僕が今音楽系動画投稿者として活動出来ているのも、総じて憧れという目指すきっかけがあったからこそなのだ。
憧れを現実のものにするには、それはもう死物狂いする位努力が必要だ。一度でも足を休めてしまっては、それだけで憧れは遥か彼方へと向かってしまう。また、気の緩み一つで、今まで積み重ねてきた努力は瓦解してしまう。
憧れを追い求めていた当時の僕は、それぐらい必死だったんだ。だけだ、今思い出すだしてみたら、当時の僕って本当に馬鹿だったんだな。って、今になって思う。何せ睡眠時間まで削って、徹夜して楽器弾いてたんだから。その当時の努力あったからこそ、今の自分がいるわけだが、だとしても睡眠時間削ってまでやる必要ないだろ。とか、思うわけ。実際、睡眠時間削ってまでやったせいで、当時の僕の顔色は不健康そのもので目にでっかい隈ができていたのだ。そのせいで、今の友達に対し、当時めっちゃ心配された過去が何度もあるし。何なら友達の妹さんにも心配された事がある。
‥さて、長々と語ってしまったが。つまり何が言いたいのかと言うと。憧れるのは良いけど、無茶だけはするな。これ、僕と約束ね?
―――
ある日の出来事。僕は友達のライブハウスへと向かっていた際、道端で周囲を見渡し、度々携帯を見てはあたふたしている少女を見かけた。その少女は、それはもう見事なまでの真っピンク色の髪が腰辺りまであった。また、この辺りでは見たことのない制服を着ていた。
(‥となると、迷子だな。)
頭の中で少女に対してそう結論付けると、僕は直ぐ様少女へと声を掛けた。
「先程から何やら慌ててますけど、大丈夫ですか?」
ぼくに話しかけられた少女は、ギギギとブリキのロボットの様な音を鳴らし、こちらを見た。その少女は、こちらを困惑と恐怖の感情の籠った瞳でこちらを見つめており、それは正にヤベーヤツを見るそれであった。明らかに僕の言葉に返事を返してくれそうな雰囲気ではない。
(‥‥とりあえず、この少女の目的を考察しよう)
頭の中で情報を整理する。まず第一に、少女は恐らく、俺の事を不審者とかと同じ類いで認識している。それもそうだろう。俺にどのような理由があろうと、彼女からすればいきなり知らない人が話しかけてきたんだ。むしろ当然と言えよう。次に、少女が何故あたふたしていたのか‥。これはあくまで推察だが、恐らくこの少女。迷子なのではないか?という事。最後にこの少女がここにいる理由。少女の着る制服は、明らかにこの辺りのものではない。だが一度だけ、少女の着る制服のロゴは見たことがある。‥‥確か、違う県の中学の物だったはず。
‥‥となると、だ。自ずと答えは導かれる。
僕はその事実を確信させるため、直ぐ様ポケットからスマホを取り出し、時刻と日にちを確認する。
(‥‥やっぱりか。)
恐らく、少女は違う県の人間で。今日ここへ来たのは秀華高校or下北沢高校を受験の為。しかし、どういう訳か彼女は道に迷ってしまった。基本受験は9時位に始まるところ、現在は8時20分と実はちょっとヤバかったりする。その為、少女はあたふたしていたという訳だな。
もしそうなのだとしたら、今のこの状況は相当ヤバイ。よって、少女に用件を聞き、もし僕の予想が当たっていたとしたら、直ぐ様少女を受験校へ最短で行ける道を使って連れていこう。と、僕は考えた。
「じ、実は―――」
僕が話しかけてから数分経った時、少女はあたふたしていた理由を話始めた。その内容はおおよそ僕の予報通りであった。
「ここから秀華高校迄で、早くても10分位で着く道知ってるから案内してあげるよ。」
「え、あ、ちょっ!?」
その後、僕は少女を無事秀華高校を送り届ける事に成功した。少女は終始困惑していたが、‥‥まぁ今後会うことなんてないし、まぁ大丈夫だろう。僕は、そう結論付けた。