ラーメン大好き小泉さんU 俺と彼女の不可思議な幸福 作:しゅみタロス
カチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチ!!
小泉「凛君、左にチャージャーいるから気を付けて」
凛「サンキュー、相手チームのスナイパーは俺が先陣切って倒すよ」
小泉「じゃあ、3時の方向の敵は私が」
凛「無理するなよ」
小泉「そこは助ける所なのでは?」
凛「流れ的にそうかもな、でもこっち塗ってかないと勝てないし」
小泉「やっぱり堅実プレイ、1作目から変わってませんね」
凛「そりゃどうも、あ、一人倒した」
小泉「流石」
凛「じゃあ、塗ってくよ」
小泉「さっきから撃ち合うばっかりだったしね」
凛「カウント入った、ボム使え」
小泉「あるだけ投げる」
凛「良し、勝った」
小泉「凛君がもっと行動が早かったら楽だったんですが」
凛「そこはゲーマーゆえに危機管理能力ってことで許してくれ」
小泉「とは言え一度死んでも良いような気はしますが」
凛「まあ、俺も1作目の時よく死んでたし学んだって事で」
小泉「その部分は納得しておきましょう」
現在、夜中の3時、夏休みとは言え不謹慎かもしれないが俺は小泉さんの自宅に泊まらせてもらっている。久々に小泉さんとスイッチでスプラトゥーン2のオンラインで深夜戦に興じており、ここに来て2時間近く没頭していた。
小泉「一旦オンラインを止めて、息抜きしましょう」
凛「それもそうだな、もう8戦近く戦ってるし気の抜けない状況が続いてるからな。ちょっと休もう」
すると小泉さんは台所の棚を開ける。そこにはカップ麺がコンビニのコーナーの如く大量に並べられていた。
小泉「さて、どれを食べますか?」
凛「カップ麺だけでこんなに常備してるのかよ」
小泉「ええ、いつでも食べれるように」
俺は棚に手を伸ばす。
凛「麺○人の担々麵、食べていいか」
小泉「ええ、お好きなように。それなら私もそれにしましょう」
お湯のポットを沸かし、フタを剥がすと中身を袋を取り出す。
凛「小泉さん、お湯先にどうぞ」
小泉「ありがとうございます」
互いにお湯を注ぐとそれぞれスマホでフタを閉じた。
凛「出来るまでどうする?」
小泉「5分ですからね、じゃあ」
ボフッ!!
凛「こ、小泉さん!!!!」
突然、俺の胸に顔を押し当ててきた。しかも滅茶苦茶吸われてる。
凛「またカレ吸いかよ、高校生になってからもうないと思ってたのに」
※カレ吸い、彼氏の匂いを吸う事。
小泉「凛君が私の家に来ないからだよ、どうして来なくなったの?」
凛「いや、流石に年頃の女子高生の家に上がるのはモラル的にな……」
俺だって男なんだよ、女子高生の私生活なんて男子高生の毒以外何者でもない。
小泉「幼馴染の私生活覗く事に何も憚るものなんてない様に思うのですが」
凛「だからって何でも許されたら危ないんだよ」
どちらにしても危険な橋を渡るぐらいなら触れないでおくべきだと前々から考えていた。
それ故なのか、小泉さんとの距離感に悩まされ続けている。思春期の男にとって成長途中の女子高生の身体は非常に危険だ。そういうわだかまりを作らない為にも小泉さんと別の高校に入学したというのに……
凛「少なくとも俺達はもう高校生だ、とにかく軽率な行動はしない方が良い」
小泉「意識してたんですね、私の事」
凛「当たり前だろ、一緒に居てくれた幼馴染なんだから」
小泉「じゃあ、恋人にしてくれても良いんじゃないですか?」
凛「それはその……」
小泉「優柔不断、もしかしてあの人も」
凛「まあ、悠も優しいし、明るいあの性格に惹かれてる事もあるにはあって……」
その言葉を聞いた小泉さんが俺の服を強く掴む。
この様子、やっぱり嫉妬してたのか……
凛「でも、まだ今は気持ちが定まった訳じゃない。もう少し、考えてみる」
そう言って俺は小泉さんの頭を撫でた。
小泉「わかった、待ってるから」
凛「……」
リンリンリンリンリンリンリンリンリンリンリンリン。
小泉「あ、出来た」
そう言って俺達はスマホをポケットにしまいカップ麺のフタを外すと液体スープを入れた。
凛・小泉「いただきます」
辛い、だがゴマでまろやか。さっきまでの空気感を忘れるほどに旨い。
小泉「レトルトご飯で雑炊しましょう」
凛「賛成」
こうして俺と小泉さんは夜の静寂の中、ラーメンを啜った後にまたゲームを再開するのだった。
翌朝
凛「ただいま」
孔「おお、お帰り。小泉さんとは楽しめたか?」
凛「徹夜でスプラトゥーンの興じてたよ」
俺は部屋に戻り、ベッドへと倒れ込むのだった。
ピロン
凛「え、悠?」
悠からのメッセージ、どうやら遊びの誘いの様だ。
だがこれが思いもよらぬ事に発展することになる。