ラーメン大好き小泉さんU 俺と彼女の不可思議な幸福 作:しゅみタロス
夏の夜は眠れないと感じる、熱さよりも正夢よりも夜更かしと言うのはいつになってもやめられない物だ。常々そんな風に夜更かしを続けても体力が落ちないのは日々の行い故と思いつつ、俺は目の前のチラシと集結している友人とある話に向き合っていた。
美沙「てなわけで、今夜は近くの神社で行われる夏祭りに皆で行くわよ!!」
えらくハイテンションの美沙、楽しみなのはわかるが一応昼時だし静かにしてほしいが舞い上がる気持ちは常々わかる。
昨日悠に誘われる形で行く事が決まった夏祭り、夏休みのイベントの王道と言う訳で俺達も高校生活1年目でこのイベントを期待していたのは言うまでもない。
小泉「一応私は凛君と二人だけで回るつもりですが」
悠「そう言わずに皆で回ろうよ」
潤「皆で回ったほうがきっと楽しいよ」
小泉「凛君はどうしたいの?」
不満そうに目線を向けられてもなぁ……だが二人だけで回るのは勇気いるし小泉さんには申し訳ないが……
凛「少なくとも俺は皆で回りたいな、だって皆友達だし依怙贔屓はしたくないから」
小泉「はあ、そうですか。であれば私も皆と回りましょう」
一応納得してくれたようだ、これを機に関係を深められればいいな。
そう考えながら俺は仕事に戻り、夏祭りまでの時間はお小遣い稼ぎの為に働くのだった。
その夜
凛「お待たせ」
小泉「お待たせしました」
悠「おお~小泉さんの浴衣~」
小泉「抱き着こうとしないでください、形が崩れます」
凛「悠も似合ってるな」
凛「え?あ、ああ、ありがとう」
嬉しそうな顔をがバレバレだがまあ良しとしよう。
美沙「やっほー、お待たせ~」
潤「揃ってるね」
凛「美沙も潤も気合入ってるな」
美沙「夏祭りは女の子の戦場だからね」
凛「ああ、綺麗な姿を期待してるよ」
美沙「え、そ、それはその……」
潤「美沙あからさまに照れすぎ」
美沙「もーう、凛君の女垂らし」
凛「何故そう言われなきゃならないんだよ」
潤「とにかく、そろそろ行こう」
悠「そうだね」
こうして俺達は鳥居を潜り抜けた。
美沙「焼きそば最高」
潤「うん、美味しいわね」
凛「いでででで!!」
悠「かき氷、頭に響く~」
小泉「ですがこれも醍醐味、痛いですけど」
美沙「見て、水風船二つ釣れたわ」
潤「こっちは金魚すくいで4匹」
美沙「おーやるわね」
潤「ところであの3人は?」
美沙「ああ、そう言えば、
って、どこ行ったっけ?」
潤「え!!」
その頃
小泉「凛君、一体どこに?」
悠「参ったな、はぐれちゃった」
それぞれ迷子になっていた。
美沙「と言う訳で何とか探せない?」
凛「確かにそれは心配だな、わかった。探してくるよ」
潤「ごめんね、こんな事任せちゃって」
凛「良いよ、今動くと絶対に迷子になるのは目に見えてるから。二人は動かないでここで待っててくれ。俺が見つけてくる」
そう言うと俺は人混みの中を避けながら悠と小泉さんを探す。
凛「そう遠くへは行ってないはずだ」
小泉 ガリ「凛君、今頃何してるのか……」
一人りんご飴を齧りながら人混みの通路の外側で座っていた。
小泉「待っていても埒があきませんね、私も早く凛君たちに合流しましょう」
凛「二人とも、どこ行ったんだよ」
探し始めてから10分、俺は何とか二人を探そうと躍起になっている。どちらにしても二人を泣かせるようなことはしたくない、そう思うと自然と身体が動いた。
そして
凛「!!」
露店の裏に蹲る悠を発見した。
凛「悠!!」
悠「り、凛君!!」
凛「良かった、見つかって」
悠「凛君!!」
凛「うわッ!!」
突然抱き着かれた上に涙が見える。
悠「寂しかった……ありがとう……」
凛「ああ、心配したぞ。さあ、早く、皆の所を戻ろう、後小泉さんも見つけないとな」
悠「小泉さんも!!それは大変!!」
凛「早く行くぞ、それと
俺から離れないようにな」
悠「え?」
そう言うと俺は持っていたタオルで悠と俺の手首を縛る。
俺は平静を装って悠と歩き出した。
悠ドキドキ(卑怯だよ……凛君、優しいとか言って、私よりも凛君の方が優しいじゃん……)
凛「悠?」
突然、悠が足を止めてしまった、急いでるんだけどな。
凛「どうした、何処か痛めたか?」
悠「ねえ?一つだけ、聞いても良い?」
凛「なんだ?」
悠「私ね、凛君の言う通り優しいけど。本当は、それだけ好きな物が無かったんだと思う。いつも色んな人に人たらしとか言われて関係を切り詰め続けて、それが自分にとって楽しいかって言われたら楽しいけど何かが違う。そう思うと余計に関係を持ちたくなった。だから私は優しかったんだと思う。
でも、誰かに優しくされる事を避けてきたから、凛君と関わるうちに気付いたんだ。
私も凛君も同じなのかな?」
凛「確かに、似た者同士かもしれないな、俺たち」
悠「凛君と同じだと、こんなに嬉しいことは無いよ。きっとこの先もやって行けるよね」
凛「悠」
悠「ねえ、
恋人になってよ、私の」
凛「え?」
小泉「嘘……」
その言葉を聞いた俺は、
自分の正しさが分からなくなると同時に
近くで一部始終を見ていた小泉さんを追い詰めてしまった。