ラーメン大好き小泉さんU 俺と彼女の不可思議な幸福 作:しゅみタロス
朝
皆さん、初めまして。藤原フレデリカ七海です。とある企業に勤める二十歳、今現在僕は会社のはずですが仕事が午後からになっています。そんなわけでやる事無く公園で座っているだけなのですが……
七海「ツイてるのも大変だな、思った事全部当たるなんて……」
僕はある体質に悩んでいた、それは思った事が全部叶ってしまう幸運体質、現に仕事が半日なのも僕がそう思ったら勝手にそうなってた。それ故に自分はその体質によって今の会社のポジションにいる訳だが。
七海「どこぞの超高校級の幸福になりたい訳じゃあないんだけどなぁ」
自分の体質故にある企業からの出向(厳密にはある人の指名で)今の会社にいる。僕にとってあのジョークのキツイ取引先の社長さんから与えられた役目を全うするのが今の仕事だが本当にあの人には敵わないな。最もあの人を超えようとか無理ゲーにも程があるけど。
???「隣、良いですか?」
すると手にカフェオレを持った一人の高校生が爽やかな笑顔でこちらを見てくる。
七海「ええ、どうぞ」
その高校生は隣に座るとカフェオレの缶を開ける。
???「何か、お困りごとですか?」
七海「そう言う君はどうしてここへ?」
???「小説の執筆に行き詰ってね、気付いたらここへ」
七海「僕は、少し病気でね」
???「病気、ですか?」
僕はコインを見せると三回のコイントスを行う。
???「三回表、何が起きてるんですか?」
七海「僕の体質、何かを考えるとそれが当たる。悪い事も良い事もなんでも現実に起きて、自分だけが得をする。生まれながらのラッキーボーイさ」
???「それの、どこが病気なんでしょうか?凄く良い様に聞こえるんですけど」
僕は今の気持ちを伝えた。
七海「何でも叶う体質のせいで、社長から色々言われてね。元気ないんだ」
???「成程ね、それは病気だ」
僕は逆の事を聞く。
七海「君はどうして行き詰ったんだい?小説とか言っていたけど?」
???「はい、僕は小説家です。今書いてる作品の事でどっちのヒロインを主人公が選ぶか、それの結末で悩んでいて」
七海「小説家か、君、名前は」
???「はい、桜葉桃八といいます」
七海「え?もしかして、あのオン情シリーズの桜葉桃八先生?」
桃八「はい、ご存じでしたか」
七海「ああ、知ってるよ」(あの社長のデスクに単行本が積み上がってたな、確か)
そう思うと必然的にこの人は信頼できる、そう思うと僕は安心できた。同じメディア業界で活躍してるともなれば出来る限り接点は持っても良いだろう。
七海「桜葉さん、一緒にご飯どうです?」
桃八「良いですね、僕も昼食まだだったので」
七海「良い店知ってるんだ、ついて来てよ」
そうして僕は桜葉さんを連れて大廉時中華飯店へと向かった。
七海「ここだよ、大廉時中華飯店」
桃八「大廉時……」
その時桃八は財布から大廉時中華飯店のランチ500円券を取り出す。
七海「この店、知ってたのかい?」
桃八「この店の店主の息子さんとちょっと関りがあって、でもお店には来た事無かったですね」
七海「それなら」
僕たちは扉を開けて店内へと入店した。
凛「いらっしゃいませー、あ、フレデリカさんと……」
桃八「やあ、来させてもらったよ。凛君」
凛「あ、バレンタインの時の!!お久しぶりです!!」
桃八「あ、これ使っていいですか?」
凛「ランチ500円券ですね、わかりました。それではこちらのランチセットからお選びください」
メニュー表を見るな否や僕は声を掛けた。
七海「ここに来たなら今限定のカツオ香る大廉時醬油ラーメンセットは必ず食べた方が良いですよ」
桃八「あ、じゃあそれにしましょうか」
2人は大廉時醬油ラーメンセットを注文した後、コップに水を注ぎながら話を始めた。
桃八「それで、その色々言われた社長ってどんな人なんですか?」
七海「僕は社長と昔ある企業の仕事を一緒にやってたんですが冗談なのか本気なのか分からない困った人で。社員を振り回すわ仕事にダメ出しするわでそのやりたい放題から一部界隈で悪魔であり勇者と言われてたぐらいです。でもあの人いるだけでどれだけでも利益が出て大成功するから社員は何も言えないんですよね」
桃八「うわあ、なんかタチの悪い社長ですね」
七海「挙句平気でプライバシーの無い発言しますし、挙句会社のお金でゲーム機買うし、一日三食ジャンクフードで仕事中になんかのコミックス読んでるし」
桃八「ははは……」(その社長、なんかどこかで会ったような気がするんだけど気のせいだよね……)
凛「お待たせしました、カツオ香る大廉時醬油ラーメンセットです」
桃八「おお、うまそうだ」
七海「それでは、いただきます」
のど越しの良いストレートの麺、力強く、少し硬めの茹で加減が食欲を掻き立てる。醤油は薄口ではあるモノの柔らかな塩辛さ、何より粗削りで香りの強いカツオの出汁が濃厚で刺激の効かせる。添えられたネギは麺と合わせればさらに強い風味を感じ、箸休めのチャーシューやメンマはスープに留まらない濃厚な油と歯応えで麺をさらに進ませる。
セットの大廉時特製餃子は外はパリッと良い焼き具合で中の餡には豚肉の旨味とショウガ、キャベツやネギと具だくさんでであり、黒酢とラー油のタレと合わせれば酸味と辛みで箸が進む。
桃八「~♪」
七海(どうやら気に入ってくれたみたいだ)
七海・桃八「ごちそうさまでした」
食べ終わるな否や席を離れる。
凛「ウチのラーメン、どうでしたか?」
桃八「とても美味しかったよ、また何かあれば来ようと思う」
凛「いつでも来てください、あ、そういえば名前聞いてませんでしたね」
桃八「桜葉桃八です、また何かあれば」
凛「え?桜葉……」
七海「それでは僕たちはこれで」
凛「またのご来店を~」(まさかな……)
そう言って僕たちは店を後にした。
七海「それでは、僕はこれから仕事なので」
桃八「僕も執筆に戻ろうと思う、今日はありがとうございました」
七海「また縁があれば会いましょう」
桃八「はい、では」
桃八は一礼すると走ってその場を後にする。
そして僕は会社に向けて歩を進めようとした時だった。
リリリリリリリリリリ!!
七海「あ、社長だ」
僕はスマホを取ると通話を始める。
社長『よお、午前中の
七海「社長、ええ、今から会社に向かう所です」
社長『それなら行く前にちょっと仕事を頼みたい』
七海「はい、なんでしょう?」
社長『品川の本社に来てほしい、そこで待ってる』
七海「!!!!」
その言葉の意味に気付く。
七海「いるんですか?日本に……」
社長『ああ、いるさ。
役員たちと一緒にな』
七海は足を止めてしまう。
社長『今後の事を決める大事な会議がある、出席してもらうぞ。
俺の盟友・
七海「はい」