ラーメン大好き小泉さんU 俺と彼女の不可思議な幸福 作:しゅみタロス
カッ!!
悠「うわー暑いー」
修「大丈夫か」
小泉「気温33度、今年の夏日は早いと聞いていましたがここまでとは」
凛「というかこんな暑い中ラーメンが目的でバス待ってるなんて周りからすればおかしいもんな」
遂に到来した夏休み、当然の話俺達はこの猛暑の中で相も変わらずラーメンを求めて出かけている。こうなったのは夏休みに入ってその昨日の事だった。
前日
小泉「夏こそスタミナ、と言う訳でトマトラーメン行きましょう」
修「トマトラーメン?」
悠「そんなラーメンあるの?」
凛「ああ、あの店か、確か新宿駅南口の」
小泉「そうです、夏こそスタミナ、ガッツリラーメンを食べるためのトマトラーメンです。言わば身体づくり」
凛「身体づくりって一応食べてるだけだからな」
修「でも面白そうじゃん、俺もそういうラーメン中々食べないからいいと思う」
悠「じゃあ、皆で行こう!!」
と言う訳だ。まあ、修兄さんには以前の修羅場の事もあるし、少しでも謝罪の意味になるのならこの外出は大賛成なのだが。
凛「修兄さん、前回の自宅の件の事も含めていくらでも付き合いますよ」
修「はは、それはありがたいな。まああの件は水に流してるから
凛「はは、それは良かった」
悠「あ、バス来たよ」
凛「じゃあ、乗ろうぜ」
バスに揺られる中、俺は書店で買ったゲーム雑誌を読んでいた。
修「そう言えば今年の春に大手電機企業から次世代型ゲーム機の概要出てから大分変わったよな」
凛「ああ、2019年次世代型ゲーム機の発表に伴い、多くのゲームメーカーによる大型タイトルの開発競争が激化してる話だろ?」
悠「え、今そんな事が起きてるの?」
小泉「知ってる、各企業間による次期覇権ゲームの座を勝ち取るための企業間によるコンテンツビジネスが大きく動いてるらしいわ」
凛「もう令和となった今でもゲームメーカーは常に戦争だな」
アナウンス「間もなく~新宿駅前、新宿駅前です」
小泉「降りましょう」
凛「行くぞ」
そうこうしてる内に目的地に着いた俺達はバスを降りて新宿駅の南口へと向かった。
凛「あった、あった」
5分後、俺達はようやく目的地へと着くことが出来た、今にも店の前で目を輝かせている小泉さん、はやる気持ちを抑えつつ、俺達は席でオーダーをするのだった。
悠「本当に店内トマトばっかりだ」
凛「因みにこの店ではトマトラーメンと一緒に白米を注文するのがセオリーだ、トマトラーメン食べるならシメの事も考えた方が良い」
小泉「一応、スタンダードはトマトスープに粉チーズとタバスコ、これが基本です」
修「おおよそラーメン屋で聞くメニューの注文じゃ無いな、でも美味しそうだからいいか」
凛「それがこの店の良さなんだよ」
勿論最初は俺も戸惑った、中学2年の頃に小泉さんに連れられてきた時はトマトでラーメンとか中華の認識的にどうなのかと思ったしこの頃は進化系ラーメンより王道を行くタイプだったため尚更目の前にして受け付けなかったが食べてみて正解だった、ラーメンの認識が180度変わったのはこの頃からでそれ以降奇天烈なラーメンをかなりの数食べてきたがそれっきり、店を手伝っている事もあって中々気軽には行けないんだよなぁ。
店員「お待たせしました、チーズトマトラーメンと白米です。
悠「おお、真っ赤でちょっとピザみたいな匂いがする!!」
凛「ある意味表現としては正解だ」
凛・小泉・悠・修「いただきます」
これだ、すりおろしたトマトの旨味の広がるスープ、少し感じるハーブがアクセントになり、爽やかなのに力強さを感じる。麺はパスタの様に美しい曲線のストレート麺、トマトの旨味が染みこんだ麺は啜る度に喉を鳴らす。そして何よりチーズを絡めて食べれば濃厚さとトマトの甘さが合わさり、実に旨い。
凛「そろそろか」
ここでご飯を投入し粉チーズとタバスコを振る。
おおよそラーメンのシメには見えないトマトチーズリゾット、奇抜だが悪くない。
溶けたチーズを絡ませるようにご飯をスープと一緒に混ぜ合わせる、トマトとチーズの間に深みのある粉チーズがコクを出し、そこにタバスコのエスニックな辛みが引く、身体の隅々に染み渡るトマトのエネルギーを感じながら俺達は完食した。
凛・小泉・悠・修「ごちそうさまでした!!」
その後
悠「今日は楽しかったね」
修「付き合ってくれて、ありがとな」
凛「また機会があれば男子メンバーで行きたいですね」
修「アイツらにもそう言っとくよ」
小泉「それじゃ、俺達はこれで」
悠「また明日ね~」
大澤兄妹を見送ると俺達は帰路に着く。
小泉「凛君、明日はお店の手伝い?」
凛「いや、明日も休み取ったんだ」
小泉「そっか、じゃあさ」
小泉さんは俺の腕を組むと耳元で囁く。
小泉「今日、私の家に泊まって行かない?」
凛「え……」
それは紛れもない……
天使の様な悪魔の囁きだった。