皆さん、こんにちは。サニーウェザーです!
夏合宿の間は、私にストーリーテラーやってほしいってトレーナーさんに言われまして…それで、今回も私がストーリーテラー担当になりました!
もう8月に入ろうとしている頃で、いつもの学校のある日とは違う夏合宿のスケジュールにも、大分慣れてきました。暑い夏の日に屋外で行うトレーニングは、正直言ってなかなか地獄です…!
1日の様子をざっくりと説明しますと、朝は6時に起床。そのまま空腹の中で点呼、そして基礎トレーニングって形で腹筋、腕立て伏せ等の種目を行います。ただ、中にはもっと早く起きている人もいます。その1人がブレイズちゃん。6時には完全に体操服に着替えていて、しかもその体操服が汗に濡れ土汚れっぽいのも着いている辺り、結構早くから起きてるね…もしかすると、5時起きとかなのかもしれない。
「1、2、3、4…」
「みんな頑張れ! レッツ・マッスルー!」
メジロパーマー先輩、もしくはメジロドーベル先輩がカウントし、メジロライアン先輩が一緒に運動しながら励ましてくれます。でも、朝起きたばっかりにこの運動はなかなかしんどいのです…!
1時間も運動した後、7時から朝食です。無人島でやっているこの合宿の中で、数少ない癒しの時間です。
合宿中の食事は、実はこの無人島を所有するメジロ家が用意してくれているとのことで、メニューはなかなか充実しています。だいたい和食か洋食のどっちかで、例えば和食の場合は「ご飯、味噌汁(具は日替わりです)、メインディッシュ(焼き魚、肉じゃが、ささみの塩茹で、魚の煮付け等)、サイドメニュー2品(卵焼き、煮野菜、炒め物、フルーツetc.)で、ご飯と味噌汁はお代わり自由・おかずは2回までお代わりOK」、洋食の場合は「パン、スープ類(スープだけでなく、ボルシチのような煮込み料理が出ることもあります)、メインディッシュ(魚のムニエル、ハムエッグス、ローストチキン等)、サイドメニュー(サラダ等の野菜料理、パイ類、冷凍食品らしい唐揚げやハンバーグ等、フルーツetc.)、パンとスープと一部のサイドメニューはお代わり自由」みたいな感じです。
たまにブレイズちゃんが少し早めに朝の運動を抜けていることがあるけど、どうやら朝食作りを手伝ってるみたい……ブレイズちゃんが抜けた日の朝食は、決まってイギリス料理が出てくるんです。朝食そのものがイングリッシュ・ブレックファーストになってたり、パンの代わりにサンドイッチが出てきたり、メインディッシュにサンデーローストやカレー料理が出てきたり、サイドメニューにアップルパイやパスティ(イギリスのコーンウォール地方の食べ物だそうです)、トライフルがあったり。
美味しい朝食を食べた後、8時から本格的なトレーニングです。砂浜ダッシュやショットガンタッチ、水泳、砂浜でタイヤ引き、ヒルクライム(という名の駆け足登山です)を中心に、スピードやスタミナを鍛えるトレーニングが行われます。
あと、たまにトレーニングが半分サバイバルになりますね。釣竿や銛なんかを渡されて、海に潜って昼飯の食材を自力で調達する、とか。
泳ぎが絡むと、ブレイズちゃんが遠い目をしていますね、カナヅチだから。
「体力作り、もう少し良い方法はないんですの…? 私は、避暑は海より高原派なのですが…」
だいたいそう言って嘆いてますね。
12時から昼食で、ここでは朝食に出なかった方のメニューが出てくることが多いです。朝が和食だったら昼食が洋食になる、って感じで、たまに中華風とかフレンチみたいなメニューが出てきます。
で、昼からは熱中症対策のため屋内で活動することになります。主に夏休みの宿題をしたり、腹筋なんかで体力作りに励んだり、トレーナーさん指導の元でレース講座になったり、って感じですね。宿題が多いので、宿題をしていることが多いんだけど…
「また間違えた…過去分詞難しいよ…!」
「ちょっと頑張って覚えれば、だいたい何とかなりますわよ」
実は私、英語が苦手で…たびたびブレイズちゃんに助けてもらっています。
あと、ここってやっぱり図書館とかないから、自由研究がなかなか大変なんです…!
1時から2時間踏ん張った後、3時に小休憩として間食の時間が来ます。実はこの時間が一番楽しみなんです!
「皆さん、一時休憩にしましょう!」
メジロマックイーン先輩の掛け声が福音です!
「アルダンさん、今日のメニューは?」
「はい、今回はパーマーさん、それにシルヴァーブレイズさんに手伝ってもらって、ティーサンドとスコーンをメインに、甘味としてメジロ家専属シェフ特製マカロンとフルーツを用意しました!」
「紅茶は?」
「ご安心ください、メジロ家の執事とブレイズさんの特性ブレンドです!」
名家のメイドさんにブレイズちゃんの特製なんて、大当たりです!
「はーい、もう少し待ってねー!」
「落とさないように、ゆっくり、ゆっくり…」
「ブライト先輩、少々のんびりし過ぎでは…?」
パーマー先輩、ブライト先輩、ブレイズちゃんがティースタンドやカップ、ポット、皿等を運んでくる間に、私たちでテーブルの上を空けて準備します。
準備を終えてみると…すごい、テーブルの上がすごく豪華…!
「今日の紅茶はマルコポーロですね。メジロ家御用達の一品です」
アルダン先輩の説明に戦慄…メジロ家御用達って、どれだけ高級品なんだろう。
「マルコポーロって…確かフランスの老舗マリアージュ・フレールの銘柄だったはず。こんなの日常的に飲んでるんですの…?」
ブレイズちゃん、詳しい…!
で、お茶会になるとだいたいゴールドシップ先輩がふざけ始めて…
「よぅマックイーン! ゴルシちゃん特製ブレンドソープのプレゼントなんだぜ!」
「ちょっと、何をしようとしてるんですか!」
例えばマックイーン先輩のサンドイッチにケチャップをかけようとするんです。で、そういったオイタが過ぎると…
ドスッ!
「ぎゃああぁぁ目があぁぁぁ!!」
「ティーテーブルに不埒者は不要ですわ」
どこかで聞いたような台詞と共に、ブレイズちゃんの手元から飛来したナイフ(しかもわざわざ逆さに持ち替えて、持ち手の方が命中してます)が左目の辺りに命中して悶える、というのが多いんです。
っていうかブレイズちゃんナイフ投げるの上手くない!? あと、そのバグパイプはどこから持ってきたの?
「サニーさん、これですか? メジロ家にあったものをお借りしていますの」
だからなんで以心伝心みたいなことできるの!?
そしてブレイズちゃん、バグパイプ上手いんです。私は演奏したことないから分からないんですけど、上手いと思います。そのバグパイプをBGMにしてお茶会が進むことが多いですね。
そのまま、お茶休憩の後は音楽関係…ライブレッスンになることが多いです。アルダン先輩とトレーナーさんを講師にして、主にウイニングライブに備えて踊りと歌唱を練習してます。そしてこういうトレーニングもそつなくこなすのがゴールドシップ先輩です。…ふざけてることも多いんですけど。歌唱に関しては上手いのはやっぱりブレイズちゃんですね。聖歌隊に入っているだけあって、歌声が綺麗なんです。……ただ、ブレイズちゃん曰く「実はあれでも本気では歌っていないんです。私が本気で歌うのは1曲だけですの」らしくて、その曲をリクエストしてみたら「曲名は秘密です。あと、その曲はよほどのことがない限り、1月に歌わないとあまり意味がないんです。なので申し訳ありませんがその注文にはお応えできかねますわ」とのことでした。何ていう曲なんだろう?
4時半か5時くらいになると、暑さがちょっとマシになってきますので、外で走る方もいます。で、6時前くらいから順次クールダウン。そして夕食です!
夕食も、朝食や昼食と大きくは変わらないのですが、たまにビュッフェスタイルになることがあるんです。あとはカレーライスみたいに、ご飯と具を合わせたものになったり。暑い日が多いので、辛い物はちょっとありがたいんです。
7時以降は、お風呂を含めて自由時間です。この島、一応水道は通ってますから、シャワーはできるんですよ。
自由時間の時は、みんな好きに過ごしてます。といっても、宿題に取り組んでいる方が多いんですが。
で、この時間帯になると、たまにブレイズちゃんがふらっといなくなることがあります。
22時頃から就寝です。ブレイズちゃんもこのくらいの時間には帰ってきてます。
夜にブレイズちゃんがどこに行くのかと思って、8月に入ったばかりのある日に探しに行ってみました。
海辺かなと思ったんだけど、見当たらない……もしかして。
ブレイズちゃん、「避暑は海より高原派」って言ってたってことは、島の真ん中にある山のところで星を見てるのかな?
ということで、山の方へ行ってみると…いた! 丈の低い草が生えたなだらかな斜面に座って、夜空を見上げてる!
「こんなとこにいたんだ、ブレイズちゃん」
「あらサニーさん。私を探しに来てくださったのですか?」
「まあね、お風呂の時間とかもあるし」
「ああ、そういえばもう9時前ですか」
ちらっと腕時計を確認するブレイズちゃん。彼女、今みたいに体操服着てトレーニングしてる時は腕時計してるのに、私服とか制服の時はわざわざ懐中時計使うんだよね。こだわりがあるのかな。
あと、もしかして星占いとかやってたりするのかな?
「ブレイズちゃんって、占いとか信じるの?」
「占いですか? まあ、それなりにタロットカードは嗜んでおりますが…急にどうしたのです?」
「えっと、流れ星を探すのと一緒に星占いとかやってるのかな、って…」
「ああ、そういうのは特には信じておりませんわ。
私は、占いの結果とはいわば道路標識のようなものだと考えています。占いは未来を予言するかのようなものではありますが、何も全て信じて一喜一憂するものでもないでしょう。無視して我が途を突っ走ることもできるのですから」
「あー、確かに!」
「それに、占いって要は神頼みのようなものでしょう。困った時の神頼み、とは言いますが、それは人事を全て尽くしてからやること。何も努力しない人には、相応の結果しか訪れませんわ」
「手厳しいねブレイズちゃん……」
「世の中そういう人が多いんですの。そしてそういう人たちに限って無駄に声が大きかったり、分不相応な高望みをしたり、成功者に嫉妬したり。
あの人たち、成功者の皆様が陰でものすごく努力しているのを知らないんでしょうね。そういうことを想像できないししようとしないから、いつまで経っても変わらないんだと言ってやりたいです」
なんかめちゃくちゃ言うね……身近にそういう人がいるのかな?
「でも、レースになったらそういう人たち怖くないんじゃないの? ブレイズちゃん強いし」
「とんでもない、そういう人こそ怖い一面があるのですよ。歴史を紐解いてみると、…少々傲慢な言い方になりますが、天才や偉大な人間を殺すのはいつだって、取るに足りない凡人なのです。ホレイショ・ネルソンしかり、坂本龍馬しかり、エイブラハム・リンカーンしかり。
そういう伏兵にも対処できる余裕を持っていてこそ、真に一流たる者と言えるのではないでしょうか」
「ジェンティルドンナ先輩みたいに?」
「あの方は少しばかり極端な例ですが、まああんな感じですわ」
あの先輩、ハイパワーすぎてトレーニング機材壊しちゃうこともよくあるもんね…。でも、バ群から強引に抜け出したりするところを見ると、やっぱりパワーって大事なんだなって。
「ジェンティルドンナ先輩の名で思い出しました。私は体格に恵まれぬ故、サニーさんを含めて大柄な皆様とぶつかると、どうしても力負けしてしまう…。何とかして、もっと筋力をつけねば…」
今の私の身長が160㎝、対してブレイズちゃんはまだ145㎝くらいだから、どうしても小柄なブレイズちゃんはポジション争いで不利になるんだよね。併走トレーニングの時も、よく私に当たって力負けしてるし。
「サニーさんが時々羨ましくなりますわ」
「え?」
「サニーさん、同級生の中では結構背高いじゃありませんか。個人が発揮できる筋力は筋肉量に比例しますし、その筋肉量は背丈である程度左右されますの。それを考えると、当たり負けしにくく位置取り争いに有利なサニーさんを、羨ましいと思うことがあるんです」
そんなこと考えてたんだ、ブレイズちゃん。でもレース成績から言えば…
「いやいや、そんなこと言ってブレイズちゃん勝ちまくってるじゃない」
「私は見ての通り低身長の小柄な身体ですから、どうやっても位置取り争いには不利でしかありません。それを末脚と戦略で無理やり何とかしているだけですわ」
「無敗でG1レース3勝かつダブルティアラは、どう考えても『無理やり何とか』ならないよ!?」
私からすると、「発揮できる筋力に限界がある」身体なのにずっと無敗を貫いてるブレイズちゃんが不思議でしょうがないんだけど!?
「そういうものでしょうか…?」
そしてたまに抜けてるんだよねブレイズちゃん! 天然というか。
「だって、無敗のトリプルティアラ取ったら史上初の快挙になるって言われてるじゃん!」
「そういえばそうですわね」
「ってことは、無理やり取れるようなものじゃないじゃん!」
「うーむ、言われてみれば…」
やっぱりブレイズちゃんの常識がおかしい気がする…。
「ただ、私としては、今自身にやっていることを精一杯やっているだけなのですが」
「そうなの?」
「ええ。サニーさんも言われてみればピンと来るかもしれませんが、例えば朝練。私の場合、朝練では特に重機材は使えませんから、ひたすら筋力や持久力を鍛える鍛錬をしています。といっても、トレーナーさんが作ってくださったメニューのとおりにやっているだけですわ」
「つまり、寸暇を惜しんでトレーニングしてるってこと?」
「そういうことですわ。あと、補習には絶対に引っかからないように意識しています。補習に時間を取られて放課後の鍛錬に支障が出る事態は、あってはなりませんわ。
時は金なり。できる限り時間を有効活用したいのです」
筋は通ってるね…。でもそれなら、1日に5回もやってるティータイムは何なんだろう?
「じゃあティータイムは?」
「人生の燃料の補給時間ですわ」
「どういうこと!?」
「精神的に余裕を作っておく手段として、お茶の時間を設けているのです。成功者こそやっていることですわ……追い詰められたりして余裕が無くなると、人の思考って単純化されてしまうのです。ですから、必ず心に余裕を持たねばなりません」
何というか、考え方が違うとしか思えない…。
「あと、こうして星を眺めるのも精神的回復の手段ですわ。広大な星空を眺めていると、心が洗われていくような気がするんですわ。私とて、たまには何も考えない時間が必要です」
そういうところは私とおんなじなんだ…。ブレイズちゃんも、やっぱり1人の女の子なんだなぁ…。私とは全然違う人だと思ってたけど、意外とそうでもないのかも…?
「さてサニーさん、そろそろ戻りましょうか」
「うん、そうだね! 宿題もやらなきゃだし…英語がまた難しくて…」
「お手伝いさせていただきますわ」
「ありがとー!」
夏休みも半分を切ったし、レースでもまだオープンクラスに昇格できてない。私ももっと頑張らないと!
以上、夏合宿回でした。
「ウマ娘」のメインストーリー第一部を見ると、夏合宿ではあろうことかメジロ家の別荘(しかも無人島付き)を使ってるんですよね。なので今年はそれにあやかる形となりました。メジロ家ってどれだけ金持ちなんだ…。
皆様、毎度ご愛読いただきましてありがとうございます! ついでに感想とか評価とかしていただけると、うp主のテンションが上がって投稿頻度が高まるかもしれませんので、お手数ですが何分よろしくお願いいたします。
さて、次回予告に移ります。今回の担当は…
「私、シルヴァーブレイズですわ」
…なんか上手に焼けてね?
「夏の炎天下に屋外で運動すれば、誰でもこうなりますわ。あと、誰が狩猟ゲームのお肉ですか、竜撃砲撃ちますよ」
怖い怖い、冗談だっての。
「全くもう。さて、少々時計の針を『右回り』に進めまして、夏合宿回は今回でおしまい。次回から9月に入ります。
だんだんと秋の気配が近付き、クラシック最後の一戦となる『秋華賞』もまた近付いてくる。そうなると、
次回『来る秋G1戦線の前に…』 更新は少々お待ちくださいませ」