秋華賞、決着です!
10月8日 15時26分、京都レース場。G I「秋華賞」も終盤、一番の盛り上がり処である。
ホームストレッチの最後の攻防、ギャラリーたちの興奮もほとんど最高潮だ。
「負けるなスイーピー! そのまま振り切れ!」
「シュガー! 今度こそリベンジだ、頑張れ!」
「諦めないで、キングダムズ様!!」
「行けっ、ブレイズ! 無敗三冠は目の前だ!」
詰めかけた観衆が上げる声は、実況の声すら塗り潰しかねない勢いである。その群衆の目の前で壮絶な競り合いを繰り広げているのは、「秋華賞」の栄冠を狙う4人のウマ娘。
チーム《ミモザ》の新世代、魔法を思わせる強烈な末脚を持つスイープトウショウ。
阪神ジュベナイルフィリーズ以降勝ち星から遠のいているが、実力は確かな《アルナイル》のエース、シュガーニンフェ。
強力な逃げで知られ、抜かれても尚諦めていない《リギル》のホープ、スリーキングダムズ。
無敗トリプルティアラに王手をかけた、《シリウス》の期待の新星シルヴァーブレイズ。
『4番手まで大混戦!!
シルヴァーブレイズ、負けられない! 負けられないぞ!』
当然、出走ウマ娘のチームの面々は必死で応援の声を上げる。特に声が大きいのは、《シリウス》の面々だ。
「ブレイズちゃん、行けーっ!」
「ファイトですわブレイズさん!」
「行けっ、ぶっ潰せ! エリダヌス銀河までかっ飛ばせ!」
最前列で声を張り上げるサニーウェザーとメジロマックイーン。その隣でゴールドシップがややぶっ飛んだ声援を放つ。
「ブレイズ…!」
反対に、シルヴァーブレイズの母シルバーアクセサリは、両手をきつく握りしめてコースを見詰めている。緊張などの理由で声を出せなくなったらしい。
『100を切った!
スリーキングダムズ苦しいか! シュガー粘る、スイープ、ブレイズ、先頭に出るのは誰だ!!』
ほぼ横並びになった3人、いや、途中でシュガーニンフェが追いつけなくなったので残りは2人。スイープトウショウとシルヴァーブレイズだ。
皆様ごきげんよう! シルヴァーブレイズですわ!
秋華賞も残り1fもない、しかし最後まで諦めない! さっきちらっと見た限り、私の前に残るのは3人、スリーキングダムズさんとシュガーニンフェさん、スイープトウショウさんだけ!
そのはずですが…姿が見えません。私の視界に見えているのは進むべき前面の芝と、その右端の方に見える赤っぽい何かだけです。おそらくゴール板でしょう。
やることなど1つしかない、ただ全速力で前に出るだけ! 残り少ない
ほぼ霞みかけた視界の右の隅を、ゴール板らしい派手な色の塊がどんどん近付いてきて…あっという間に後方へ吹っ飛んでいきました。競走は終わったのでしょうか。
そのとたん、両脚が一気に重くなりました。もう1歩も動けませんわ……惰性でしばらく走った後、そのまま脚がもつれて倒れ込んでしまいました。
これまでにないくらい、肺が悲鳴を上げています。あと、脚も……これはまた、しばらく筋肉痛に悩む日々が来るでしょうか。
全く、オークスの時に続いて優雅さの欠片もない走りをお見せしてしまいましたわ。でも、これはこれでありなのかもしれません。持てる全力で戦った証になるでしょうから。
さて、結果はどうなりましたでしょうか……と、電光掲示板を見上げようとして、気付きました。観客席から聞こえてくる大歓声に。そしてそれに混じって聴こえる、興奮した様子の実況に。
スイープトウショウとシルヴァーブレイズ、どっちが勝ってもおかしくなかった…かもしれない。少なくとも、一般人にはそう見えただろう。
だが、しかし。
超集中状態とも表現される"領域"に、通常の末脚が敵うはずがなかった。
残り50メートルを切った時、最前列でレースを見守る人々の目には、シルヴァーブレイズが僅かに前に出たように見えた。そして。
最後の一瞬でその差は小さな、しかし誰の目にも分かる差となった。
先にゴールに飛び込んだのは…
『ブレイズ交わした! シルヴァーブレイズだ!! シルヴァーブレイズ、三冠達成ーッ!!!』
内を捲った流れ星だった。
その瞬間、歓声が爆発した。
『やり遂げましたシルヴァーブレイズ! 銀色の流星は人々の願い星となって、京都の秋空を彩りました!
歴史的快挙ッ! 無敗トリプルティアラ達成であります!
9戦9勝のトリプルティアラ! 気鋭の流星、快進撃が止まりません! 史上最強女王の座を勝ち取り、永遠のヒロインが誕生しました!』
……何とか聴こえる実況から判断するに、どうやら、やり遂げたようですわ。
うつ伏せに倒れたまま、首だけ動かして掲示板を見ると、そこには既に「確定」の表示が出ていました。勝ち時計は1分59秒1。そして順位は、1着が18番。2着がクビ差離れて11番。
勝ちました。無敗三冠、成し遂げましたわ! ならばこの喜びを、私を応援してくださった皆様と共有しなければ!
両手を突きながらも震える膝を叱咤して動かし、何とか立ち上がります。立った直後に膝が言うことを聞かず、また倒れそうになりましたが、無理矢理ねじ伏せました。
右手に握り拳を作った後、指を3本立てながらそれを突き上げて……
「うおぉぉぉぉぉぉ!」
「「「わあぁぁぁぁぁぁーっ!!!」」」
乙女らしからぬ雄叫びになってしまいましたが、精一杯の笑顔で勝利を示しました。それに応じて、観客席からはこれまで聞いたこともない、ものすごい歓声が響きましたわ。
これこそ……これこそが、勝利ッ! こういう風に皆様が喜んでくださるからこそ、また勝とう、そのために努力しようと思えるのです。それを延々と繰り返していけば、私の目標…"偉大な祖先に並び立つ"もいつか達成できるでしょう。
さて、勝ったは良いのですが……"あれ"が待ち構えていますわね。私の苦手なものにして、予測可能回避不可能な障害の1つ。
しかしその前に、まずは写真撮影やら何やらです。
「ブレイズ、よくやった!」
「素晴らしい走りでしたわ、ブレイズさん!」
「すごいよブレイズちゃん! 無敗トリプルティアラだなんて!」
「「おめでとー!!」」
私を winner’s circle で待ち構えていたのは、《シリウス》の皆さんと…やはりいましたね、母上。そして予想通りに泣き腫らしている……心中は察せますが、何もそんなに泣かなくても…。
「ただいま戻りましたわ、皆様。Paddock であんなことを申し上げて、ええと…"ふらぐ"? を立てていたかもしれませんが、まあなんとか勝ってきましたわ」
振り返ってみると、あんな出遅れをやらかしてよくまあ勝てたものですわ。私の勝因はおそらく…… 3rd corner でがら空きになった内ラチ沿いを突っ切る戦術を選択し実行したことと…あの謎の現象ですね。
音をも置き去りにしたかのような感覚で走っていた、あの現象。あれはいったい何だったのでしょう。あの謎を解明しなければ……少なくとも、今後の勝率が低くなってしまう。
だって、私ごときが使えるのです。今後戦うことになる他の先輩方、あるいは同期生が使えないなどと、何故言い切れるのですか? 特にジェンティルドンナ先輩などは、ほぼ確実にあれを使いこなせると見て良いでしょう。
そんな手強い方々を向こうに回しても勝てるようにするためには…あの現象の謎を解明し、随意に発動できるようにしておく必要がある。
そこまで考えたところで、私はいきなり両肩に手を回され、そのまま抱きしめられてしまいました。この感覚は…やったのは間違いなく母上ですね。
「ブレイズ…素晴らしいわ。たった1人の娘が、歴史に残るようなことを成し遂げるなんて……貴女は、私の誇りよ。本当に、ありがとうね」
母上、そんなに泣かなくても…。そしてこのくらいは、やって当然なのです。だって私は…
「何を仰います母上。私に期待し、あるいは夢を見る人あらば、その期待や夢を叶えてみせねばならないでしょう。何故なら、私は願い星…
たとえ死兆星と謗られ、あるいは全世界を敵に回そうとも、私を応援してくださる方がいるのなら、その方のために走って勝ち続ける……それが、私の決意です。
願い星と、死兆星…二律背反の覚悟を背負って。
「それはそうと母上、そろそろ写真撮影だの何だのの時間ですわ。離してくださいますこと…?」
「ああ、ごめんなさいね。
そうね、私と過ごす時間も大事だけど、トレーナーさんやチームの皆さんと過ごす時間も大事。私のことは良いから、皆さんのところへ行ってきなさい。でも、年末には実家に顔を出すのよ」
「心得ております。志を果たしていつの日にか……と誓って故郷を出たからには、無敗三冠を1つの業績として持って帰ってきても、罰は当たらないでしょう。必ずや帰りますわ、達者でお待ちくださいませ」
さて…母上と別れ、写真撮影が済んだら、試練の時間ですわね。
「それでは、秋華賞を勝利したシルヴァーブレイズ選手にインタビューしたいと思います。シルヴァーブレイズさん、秋華賞の勝利、そして無敗トリプルティアラの達成おめでとうございます!」
「ありがとう存じます」
私の苦手なものの1つ、記者会見です。と言いましても大分慣れてきましたが。
「史上初の無敗トリプルティアラを達成し、今の感想は如何でしょうか!?」
「光栄である…としか申せません。私の成したこととはいえ、未だ前例のない壮挙をやってのけたことが、なかなか信じられませんわ。夢心地、とでも言うのでしょうか。体感をもって理解するにはもう少々かかりそうです」
出だしとしてはベタな質問です。率直に答えても問題無いでしょう。
「今回は出遅れて最後方からのレースになっていましたが、本来はどのような作戦だったのでしょうか?」
…ふむ、これも正直に答えても問題無いか。
「実は、もともとは先行するつもりでした。一応、後方から行く作戦も用意していたのですが、相手がスリーキングダムズさんであることと、私がマークされやすい状態であることを考え、できるなら前目に着けておき、
後方から差す作戦もあったのですけどね、本当に。
「では、レーススタートで出遅れた時の心情はどうだったのでしょうか?」
そろそろ答え方を考えねばならなくなってきました。
「あの瞬間に全てが終わったと絶望しかけた……なんて答えをお求めでしょうか? だとすれば、それをはっきり否定いたします。
私はあの瞬間、絶望的だなどとは微塵も思っていませんでした。絶望している暇があるなら、巻き返す算段を考える方が有用です。ということで、どうやって抜き返すか考えておりました。
幸いにして、今回は序盤から中盤にかけて全体に流れが遅く、また私やスイープさんへの牽制の意味があったと思いますが各ウマ娘一団となって走っておりました。故に、上手く途を切り開くことができれば逆転も不可能ではないと思って、機会を窺っておりましたの」
決して諦めるな、決して、決して、決して! ということです。
あと、どこぞの軍人が言ってましたね、『万に一つでも可能性を発見したら、それを信じて冷静沈着に行動するんだ。それが漢というものじゃよ』と。
「それで、その機会というのがあの第3コーナーだったと?」
「そういうことですわ。せっかく空いているのですから、使わないという選択肢はありません」
あそこで内ラチ沿いをがら空きにしたのは、私の敵にとって最大の失策だったという他ありません。まあ、そうなるように私が皆様の思考を発走前から誘導していたのですが!
戦争はその準備段階で勝敗が8割方決まると言われております。競走も同じでありましょう。ならばやるべきことは、競バ場に来る前から…つまり
「それでは、今後の進路や次走についてはどうなさるおつもりでしょうか?」
この質問も予想しておりました…そして答えは決まっております。
「それにつきましては検討中ですので、現段階では確たることは申し上げられません。今申し上げられることとしては…」
皆様、忘れてはおりませんよね? 史上初の快挙を tiara route で成し遂げたのは事実ですが、私の適性は紛れもなく…!
「私が得意とするのは長い距離です。説明はそれだけで十分でしょう」
そういうことです。
今後は、国内で言えば古バ王道路線…つまり春シニア三冠とか秋シニア三冠へ挑戦することになるでしょう。海外に目を向けるなら…何が良いでしょうね。"凱旋門賞ウィークエンド"? "ブリーダーズカップ"? "ドバイワールドカップカーニバル"? あるいは、"ロイヤルアスコットミーティング"なんてのも良さそうですね。
"ロイヤルアスコットミーティング"を目指すなら……国王手ずからの trophy を受け取れる「ロイヤルアスコットゴールドカップ」には出走して勝ちたいものです。ただ、その道のりは日本のウマ娘にとって果てしなく過酷でしょう。重い馬場、4階建て高層建築に等しい高低差、そして何より日本では前代未聞の4,000M級競走。勝てる確率は非常に低い。
だからこそ挑み、そして勝つ価値がある。
「それでは最後に、ファンの皆様に一言お願いします!」
「私が今日、こうしてこの場に立っていられるのも、応援してくださった皆様のおかげです。この場をお借りして、心から御礼申し上げます」
一度言葉を切り、一礼します。
「その上で申し上げます。今後、私を取り巻く戦局はますます厳しくなっていくでしょう。先輩方とも本格的に渡り合わねばなりませんし。
しかし、私は知っています。私が皆様にとって何であるか。そう、『願い星』に他ならないでしょう。
今後とも、私は皆様の希望の願い星たるべく、鋭意努力を続けていく所存です。引き続き温かいご声援を、よろしくお願い申し上げます!」
ふう、言うべきことは全て言いましたわ。
「以上、シルヴァーブレイズさんでした! ありがとうございました!!」
さぁて、この後は表彰式に脚の点検、そして winning live ですね。表彰式と脚の点検が終わり次第、「彩 Phantasia」の振り付けの復習を…と考えていた、その時。
「あっ、あの!」
かなり低い位置から舌足らずな声をかけられました。
「え?」
その方角を見ると、かなり身長の低い鹿毛のウマ娘の方が1人。明らかにまだ初等教育機関に通っているような方ですね。
髪の色は茶髪よりもやや黒みがかった、焦茶色という表現が最も近い色の頭髪…鹿毛でしょうか。長い頭髪を両側頭部で三つ編みにし、黒いリボンで結んでいます。額のやや左側から鼻先に向かう奇妙に屈曲した太い流星が特徴的ですね。その下から私を見上げているのは、
あと、あれは……木の枝? 左のこめかみの辺りに、赤い実のなった2本の木の枝が捻れて絡み合った形の装飾品を着けています。木の枝の髪飾りとは、なかなか良い美的感覚をお持ちのようで。
「どうしました?」
しゃがんで視線の高さを合わせ、笑顔で尋ねると、そのウマ娘の方は緊張した様子ながらも話し始めました。
「さ、さっきのレース、見てました! 無敗でトリプルティアラなんて、すごいです! 憧れます!」
「あら、これはどうもありがとう」
応援者の1人、ということでしょうか。
「それで、あの……わ、私もいつか、シルヴァーブレイズさんのような、強くて優雅なウマ娘になります!」
だいぶ緊張していたのだと思いますが、その方は私の目を見上げて、そう宣言してきました。
子供の誇大妄想、と一笑に伏す方もいるでしょう。しかし、私にはそうは思えませんでした。何故なら、その子の目は強い意志を宿してキラキラと輝き、この子ならもしかすると、何かしらの偉業を果たしてくるかもしれない、と思わせる何かがあったからです。
この子は将来、化けるかもしれない。無敗三冠バのような、Twinkle Series を騒がせるような大物になるかもしれません。
ならば、淑女たる者として相応の礼儀を示さねば。
「ではお嬢さん、お名前を教えていただけますか?」
「え?」
「貴方は今、私のようになる、と仰いました。ということは、将来きっと私と貴方は同じ場所に立ち、競走することになるでしょう。その前に、私の rival となるかもしれないお方のお名前を、聞いておきたいと思ったのですわ」
遠い将来にはなるでしょうが、きっと戦う機会が来るでしょう。ならば、その前から相手を知っておくに越したことはありません。
「あ、えと、ごめんなさい、今の名前はきっとレーシングネームじゃないんですけど…」
ああ、そういえば…ウマ娘の名前って、幼少期と成長後で異なる場合があるんでしたっけ。
「構いませんわ。貴女のその流星はなかなか特徴的な形ですから、きっと見間違えることはないでしょう。お名前を教えてくださいませ」
「えっと、アララギ! アララギって言います!」
ああ、それであの木の枝の飾りですか…なるほど。名は体を表す、とはまさにこのことですね。
「アララギさんですね。そのお名前、しっかりと覚えましたわ。
いつか戦える日を楽しみにしています。まずはトレセン学園に入学できますよう、鍛練と勉強のどちらもをしっかりとなさってくださいな。どちらか一方に偏っては駄目ですよ」
「はいっ!」
良い返事ですこと。ふふ……この娘の将来が楽しみですわね。
そして…こういう若手の芽を摘み取ってしまうことのないよう、可能性を深慮ししっかりと育て上げることが、私たち先達の務めです。
素材を活かすも殺すも料理人次第。もし後輩ができることがあれば、私の腕の見せ所ですね。
史上初の無敗トリプルティアラを果たしたシルヴァーブレイズに、《シリウス》の面々が喜んだのは言うまでもない。
「やったなブレイズ!」
「やりましたわ、トレーナーさん!」
西郷トレーナーとメジロマックイーンがハイタッチを交わし、
「見たかオラァ! これがウルトラエースの一撃だぜっ!」
ゴールドシップが胸を張り、
「すごい…あんな絶望的な出遅れから、こんな…」
「やっぱブレイズって、器? が違うよねー…」
カルンウェナンとアップツリーは言葉が続かなくなり、
「うーん…あたしももっと頑張らなきゃな…。リボン家の誇りに賭けて…」
後輩の偉業を見てリボンカプリチオは決意を新たにし、
「「ブレイズちゃんおめでとー!!」」
ライスシャワーとサニーウェザーが口を揃える。
「………」
シルバーアクセサリは……何も言えないようだ。顔を覆う両手の隙間から、微かに嗚咽が聞こえている。
「よし皆、ウィナーズ・サークルへ行くぞ! ブレイズを出迎えに行こう!
お母様、行きましょう。娘さんがお待ちですよ」
「……はい」
掌の間から声を震わせた後、顔を上げたシルバーアクセサリ。両目が赤くなっていたが、それでも嬉しそうな様子がありありと見てとれた。
チーム《シリウス》の関係者たちがシルヴァーブレイズを交えて喜ぶ一方で、
「くうぅぅぅ…今回こそ…今回こそ勝ったと思ったんだが…!」
スイープトウショウを担当しているチーム《ミモザ》の
「シルヴァーブレイズさん、すごい末脚でしたね…。アネモネステークスの時でも、こんなのじゃありませんでした…。完敗です……」
その隣でシュガーニンフェを担当しているチーム《アルナイル》の
「あんな末脚、見たことねえよ…。なあ、ブレイズの上がり3ハロンのタイムって測ったか?」
「シュガーのでしたら測ってました。34秒6です」
「俺もスイーピーの奴なら測った、33秒9になってるな」
「ということは…」
2人のトレーナーは顔を見合わせた。
「あのリードを一瞬で詰めたとなると、どう計算してもブレイズは…」
「上がり3ハロン33秒前半でしょうね…。いえ、もしかすると33秒切ってるかも…」
「つまりブレイズのバケモノっぷりがまた浮き彫りになったって訳だ」
そして2人揃ってため息を吐くのだった。
一方、スタンドの観客席にて。
「………」
「………」
「………」
ステイゴールドもナカヤマフェスタもドリームジャーニーも、一言も口を利かない。いや、利けないのだ。レースが終わって少し経ち、シルヴァーブレイズがウィナーズサークルに入ってきた頃になってようやく、
「マジかアイツ…」
ステイゴールドがやっとそれだけ言った。直後、
「正直シビレたぜ……。また1人、新たな真の強者の誕生を見られるなんてな…。
ま、私の賭けは大当たりだった訳だ。ワンペアをドローしてストレートどころか、ロイヤルストレートフラッシュ当てたんだからな」
ナカヤマフェスタがポーカーに準えた。
「ふむ、興味深いデータが取れました。それに新しい世代の子たちの実力も見れましたね。これはこれで良い収穫でした」
眼鏡を僅かに動かしながら、ドリームジャーニーが感想をまとめる。そこでステイゴールドははたと気付いた。
「ジャーニー。アレに勝てそうなのか? オメーの大事な妹さんはよ」
「さて、それは何とも言い切れませんね」
はぐらかすつもりかと思いきや、ドリームジャーニーは意味深なことを言った。
「ただ、今はっきりしていることは……オルのライバル候補が1人増えたということです」
そして、ドリームジャーニーと同じ感想を抱いた者がもう1人いた。ただし、オルフェーヴルのライバル候補ではなく、自分自身のライバル候補と看做したのである。
「くす…つくづく面白い方ね。ああいう方がいればこそ、私の強さもより引き立つでしょう」
口元に不敵な笑みを浮かべ、ジェンティルドンナはそう評した。
「え、良いんですかジェンティルドンナ先輩? あれだけの実力者がレースで相手になるんですよ?」
ラインクラフトが首を傾げる。
「あら、硬いもので研磨されるからこそ原石は輝いて宝石になるものよ。そうではなくて?」
ジェンティルドンナは涼しい顔だ。
「っ……それは確かにそうですね。ならば私も、あのような先輩と戦うことがあり得る以上、もっと頑張らなければなりません」
シーザリオが静かに闘志を燃やし始める。
「その心意気や良し。強者はいつでも歓迎ですの……あなた方と走れる日が来ればと願っていますわ」
その背中にジェンティルドンナが挑戦状を叩きつけた。もちろんこれは彼女なりの発破である。
この他に、ドリームジャーニーと同じくデータ収集を目的に観戦に来ていた者たちもいた。
「……すごかったわね、ブレイズ」
その筆頭とも言える、チーム《エレクトラ》の
「ええ、おかげで大変貴重なデータが取れました」
彼女の担当ウマ娘アウダーチが、タブレット端末を操作しながら応じる。
「マイルチャンピオンシップは11月後半です。芝が生えにくくなる一方でレースは変わらず行われている……特に内ラチ沿いの芝が荒れている可能性はあるでしょう。そこを迂回して走れるスタミナを得るか、それとも荒れたバ場を突っ切るパワーを得るか、考えねばなりません」
「うん。あと、ブレイズみたいに出遅れてしまった場合の対処法もね。400メートルも短いんだから、出遅れは致命傷にもなりかねないよ」
「そうか、それもありますね」
「さて…今日はこの後どうする?」
相原トレーナーのこの質問は、疑問ではなく確認を意図したものである。もちろんだが、アウダーチの出す答えなど1つしかない。
「学園に戻ります。できたら車の中でブレイズさんのデータを解析してしまいたいですね、戻ってすぐメニューに取り入れられるように」
タブレット端末を鞄にしまい、アウダーチは赤銅色の瞳をギラリと光らせて立ち上がった。
朝日杯フューチュリティステークスで惜敗して以来、アウダーチはシルヴァーブレイズをいつか倒すべき相手と認定しており、
「よっし、じゃあ帰ろう!」
「はい!」
立ち去る間際、アウダーチはふとコースを振り返り、喝采を浴びているシルヴァーブレイズに向かってぽつりと呟いた。
「ブレイズさん、努力しているのは貴女だけではありませんよ。あんな末脚を見せられてしまったら……乗り越えるしか、ないではありませんか」
またこの時、スタンドに詰めかけた大観衆の中に、母親に連れられた1人の幼いウマ娘の姿があった。アララギである。
瞬きすら忘れたようにキラキラした瞳でターフを見詰めるその視線の先には、無敗トリプルティアラを獲得したシルヴァーブレイズの姿があった。転倒の影響で赤いジャケットは芝と土に汚れ、なれどそれすらも勲章として、3本の指を立てた右手を突き上げ、ファンの大声援に応えている。
「すごいなぁ……私もいつか、あそこに立ちたい。ううん、きっと、あの人のように、立ってみせる……!」
それは、決意の証だった。その決意を胸に、アララギはウィナーズ・インタビュー直後のシルヴァーブレイズに凸したという訳である。
そして、スタンド上方の特別席に陣取っていたチーム《リギル》の面々であるが、
「……完敗ね」
「ブレイズとスイープのみならず、シュガーニンフェにも抜かれるなんて…。それに最後の方、末脚が少し鈍ったように見えたわ。何かあったかしら」
「うーん、何かあったんじゃないかな。最後の直線、キングダムズが何かに怯えたように見えたよ」
さすがフジキセキ、ウマ娘のことをよく見ている。
「スリーキングダムズの心が折れないように気をつけなければな。今回の敗北を糧として、臥薪嘗胆、捲土重来を図ってくれることを期待しよう」
これは生徒会長シンボリルドルフの感想。
「そうですね、会長。あの娘を少し鍛え直さなければ」
エアグルーヴが意気込んだ。
「それはそうと、ブレイズのあの気配…ありゃ、いわゆる"
ヒシアマゾンも"領域"を知っているようだ。
「あの感じはおそらくそうね。全く、西郷くんもいい仕事をしてくれるわ」
そう言う東条トレーナーの顔には、どこか苦いものが混じっている。後輩が
「まさか、クラシックレース中に"領域"にたどり着くとはね。このボクにもできなかったことをやってのけるなんて…うん、ブレイズ君と戦う刻が楽しみじゃないか!」
もうじきトゥインクル・シリーズから引退することになるテイエムオペラオーだが、どうやら引退する前にシルヴァーブレイズと戦うチャンスが巡ってきそうである。
「ジャパンカップか有マ記念か…どちらにせよ、ブレイズ君に送る白手袋を用意しておくとしよう!」
闘志を燃やす秋シニア三冠の覇王を横目に、シンボリルドルフはいま1人の引退予定者に水を向けた。
「引退予定といえば君もじゃないのか、ブライアン。阿寒湖特別の戦績を見る限り、シルヴァーブレイズ君は間違いなくステイヤーだ。有マ記念に出てくれば、意気軒昂にして新進気鋭の彼女は古今無双の大敵になると思うが?」
かつてクラウン三冠を成した黒鹿毛の怪物に、恐れる様子は全くなかった。
「関係無い。走って、ブッちぎって勝つ。それだけだ」
少し時を巻き戻して、トレセン学園付近の商店街 『パブ 流星の止まり木』。
『第1コーナーから第2コーナー、先頭は変わらず7番スリーキングダムズ! 1バ身離れて外4番エレガンジェネラル内2番フローズンスカイ、さらに12番バイトアルヒクマがいて、半バ身後ろ6番デイズオブグロリアと18番イッツコーリング、そして8番シュガーニンフェ、その後ろに3人並んで、最内1番ニジノアヤメ、真ん中13番フルーツパルフェ、外14番パワフルトルク、大外からは5番ブリーズエアシップが行く! 1,000メートルのタイムは1分4秒24と遅いです!
さらに15番ゴルトシュレーゼルと17番トウホウライデンに、内10番リボンマーチ、外11番スイープトウショウ。後方2番手に16番アンタゴニスト、シルヴァーブレイズは最後方のまま先頭は淀の坂へ差し掛かります!』
後方集団に少しずつ近付いているシルヴァーブレイズであるが、それでも状況はだいぶ厳しい。客たちはもはやブレイズの優勝を絶望視していたが、マスターはふと気付いた。
(ブレイズの嬢ちゃん、よく見たら仕掛けているな。あのロングスパートをやり始めている。それに、レース全体がスローペースだ。ということは、前残りになるから嬢ちゃんにとってはキツいが、嬢ちゃんの末脚を以てすればもしかすると先頭に届くかもしれない。
この絶望的状況でも、嬢ちゃんは諦めてない。なら、まだ俺も諦めるべきじゃないか)
そして第4コーナーから最終直線へと突入した、その時。
『さあ先頭はスリーキングダムズ、しかし外からシュガーニンフェが襲いかかる、スイープトウショウも来ている! あっその内からシルヴァーブレイズ!! シルヴァーブレイズが上がってきているぞっ!!』
「「「!!?」」」
誰もが目を見開いた。テレビに映る状況が信じられなかった。
ついさっきまで一番後ろにいたはずのシルヴァーブレイズが、もう先頭集団に迫ってきている!? いったい何が起こったというのだ!?
(あ、まさか!?)
何が起きたのか、マスターはすぐに気付いた。
(あの3〜4コーナー…内側空いてなかったか? だとしたら…嬢ちゃんはゴルシワープで突破したのか! なんてこった…!)
マスターが戦慄すると同時に、
「え…ブレイズが!?」
「いつの間に!?」
「おいおい…こりゃあ…!」
客たちの顔に希望が戻ってきた。
「まさか、行けるか…!?」
「行け、ブレイズ!!」
「嬢ちゃん頑張れ!」
「やっちまえ! 無敗トリプルティアラ取ってやれ!」
「いけー!!」
そして必死でシルヴァーブレイズを応援し始める。
「嬢ちゃん、行け…!」
知らず知らずのうちに、マスターも両手を握りしめていた。
その時、画面の中でシルヴァーブレイズが猛然と加速していく。残り1ハロンというギリギリの攻防の中、スリーキングダムズを、シュガーニンフェを捉えきって、残るはスイープトウショウただ1人。
「「「「いけえぇぇぇぇ!!!」」」」
マスターと客の唱和の中、シルヴァーブレイズとスイープトウショウが並び…残り50メートル。
『交わすか抜けるか! ブレイズ先頭か?!』
そして。
『これが伝説だ! ブレイズ三冠だあぁぁ!!!』
「「「「「やったあぁぁぁぁぁ!!!!」」」」」」
僅かに交わしきってシルヴァーブレイズが先頭でゴールした瞬間、マスターも客も一斉に歓声を上げた。
「や、やっちまいやがった!」
「ウッソだろ、あの大出遅れから…!?」
「マジでか…! そんな奇跡あるかよ!?」
「あなた、すごいわねあの娘!」
「ああ! 本当に夢の願い星だぜ、嬢ちゃんは!」
大騒ぎする客たちを横目に、マスターはそっと目尻に手をやった。溢れそうになった涙を、どうにか誤魔化そうとしたのだ。
(いやもう……言葉も出ない…。まさか本当に、無敗でトリプルティアラを達成してしまうとは…!
嬢ちゃんは見事にやってのけた…。ならば俺も、やることやらなきゃな…!)
その時、客の1人が大声を上げた。
「ちょっとマスター! シケた顔してボケっと立ってんじゃないよ、もっと喜びな! ブレイズちゃん勝ったんだよ!!」
「そうですね。私としても喜ばしいです」
あくまで落ち着いた声を演出しながら、マスターは客たちに告げた。
「この喜ばしい歴史的瞬間を記念して、シルヴァーブレイズ無敗トリプルティアラ達成記念タイムセールを行います。今回の対象はパイとドリンク、特別メニューはなんと一律60%以上オフの出血大サービスとなっております!
赤字だろうと気にしません! 今だけは全力で嬢ちゃんの快挙を祝いましょう!!
皆様、奮ってご注文くださいませ!」
途端に客たちがわっと湧き立った。
「おうおうマスター、粋な真似しやがるじゃねえか!」
「メニュー表寄越してくれ! 遠慮は無しだ食って飲むぞ!」
「おっ、酒あるじゃねえか! 流石だぜマスター!」
今回のタイムセールは、パイ類とドリンクが対象だ。ヨークシャー・プディングやステーキアンドキドニーパイ、シェパーズ・パイ、スターゲイジーパイ、ビーフ・ウェリントン等々。そしてシルヴァーブレイズ謹製アップルパイに関しては、なんと大赤字覚悟の90%オフだ。
ドリンクも、定番の紅茶やソフトドリンクだけでなく、シャンディガフやスコッチウイスキーといった酒までセール対象。紅茶は定番のアールグレイやセイロンから、なんと秘蔵のダージリン銘柄「シルバー・ニードルズ」まで解放されている。
いったいどれだけ祝福しようというのだろうか。しかも、よく見ると…
「おいおいおい! タイムセールって言っときながら事実上店じまいまでやってるじゃねえか!!」
「よっ太っ腹!」
今日はこの後セールしっぱなしらしい。
「当然ですよ、史上初の無敗トリプルティアラです。これでやっと祝福に足るでしょう」
「ははっ、違ぇねえや!」
「マスター、ホールでアップルパイ1つとアールグレイ! ここは俺が奢るぜ!」
「おっしゃ、ならパイは全員ホールで買って分け合うか!」
「名案だ! んじゃスターゲイジーパイ貰うぜ!」
「マジか、おい勇者がいるぞ! ゲテモンのアレを注文しやがった!」
「ならアタシはヨークシャー・プディングで! あるだけ貰って良いかい?」
「酒ってことはスコッチウイスキーあるのか? っておい、瓶どころか樽出してきやがったぞ!」
「樽だって!? やるじゃねえかマスター!」
「マジで樽から入れんのか!? 映画でも見たことねぇよ…」
「こりゃ飲まなきゃマスターと嬢ちゃんに失礼だ! 飲め飲め!!」
「パイを肴に無礼講か、良いねぇ!!」
「全員行き渡ったか!? そんじゃマスター、音頭頼むわ!」
「承知しました。それでは…シルヴァーブレイズ嬢の無敗トリプルティアラを祝して、乾杯!」
「「「「「かんぱーい!!」」」」」
日曜の昼間から、「流星の止まり木」は酒宴の間と化したのだった。
午後10時。
あれだけ騒がしかった「パブ 流星の止まり木」もすっかり静かになり、戸口は施錠されて「closed」の札が掛かっている。店内ではマスターが1人で宴会の片付けをしていた。
「あいつらマジで遠慮なく食い荒らしたな……ま、良いか。あんだけ喜んでもらったなら、奮発してウイスキーを樽ごと買ったり、パイ料理の練習をしまくった甲斐もあったかね」
その時、電話のベルが鳴り響いた。
「はい、パブ 流星の止まり木です。すみませんが本日の営業は既に終了……おう嬢ちゃんか!!」
電話を取ったマスターの顔が綻ぶ。
「秋華賞、テレビで見てたぞ。あんだけ出遅れたところから逆転優勝なんて、すごいじゃないか。無敗トリプルティアラ、おめでとう。
……ただの幸運? まあ確かに、運も実力のうちと言うが、その前に実力無くして勝利は掴めんよ。だから、幸運だけではないと思う。
……明日? 明日なら朝から開いてるが。……4時くらいだな、分かった。皆嬢ちゃんの話を聴きたいだろうし、俺としても嬢ちゃんが来るのは大歓迎だ。とっておきの紅茶を用意して待ってる。……ああ、じゃあ明日な。今日はお疲れさん、そして本当におめでとう!」
電話を切り、店内を振り返ったマスターは何故か眉をハの字にしている。
「チッ、急いで棚を整理しないとなんなくなった……嬢ちゃんのコレクションがまた増えちまうじゃねえか…!」
困ったように笑うマスターの視線の先には、ボトル棚の一部を占領するシルヴァーブレイズの関連グッズがあった。
制服から勝負服まで、大小さまざまのシルヴァーブレイズのぱかプチ。
ティアラ路線のレースを特集した「月刊トゥインクル」とその特別号のバックナンバー。
額縁に収められた、シルヴァーブレイズの勝利を伝える「日刊ウマ娘」の桜花賞とオークスの記事。
門外不出の「銀星アップルパイ」…シルヴァーブレイズ直伝アップルパイのレシピ。
店名を「流星の止まり木」に改名した頃のマスターとシルヴァーブレイズのツーショット写真。
ガラスケースに入った、GⅠ勝利記念の3個の蹄鉄。
まだ増えることは確実である。そのうちウイスキーのボトルを残らず追い出してしまうかもしれない。
「店内のスペースも限られてんのに……いったいどこに飾ろうかね」
切実かつ贅沢な悩みであった。
○○年10月8日 15時25分発走
京都11R 第●▽回 秋華賞(GI)
芝2,000M(右・内) 天気:晴 バ場発表:稍重
1着 18番 シルヴァーブレイズ 1,59.1
2着 11番 スイープトウショウ クビ
3着 8番 シュガーニンフェ 1/2
4着 7番 スリーキングダムズ 1
5着 1番 ニジノアヤメ 1/2
はい、というわけで秋華賞は終了。シルヴァーブレイズは見事、無敗トリプルティアラを達成できました。おまけに"領域"にまで到達という…。
クラシック級で"領域"にたどり着ける者は、そういないのではないかと思われます。「シンデレラグレイ」を見ても、明確にクラシック級で"領域"に到達できたのは、「函館記念」で到達したディクタストライカと、「有馬記念」で到達したオグリキャップだけでしたし。
それを達成し、しかもまだクラシック級であるにも関わらずエアグルーヴ言うところの「歴戦のシニア級ウマ娘にも劣らないオーラ」とは……シルヴァーブレイズの実力の程は如何に。
そしてブレイズさんや、どこでその名言を知ったんだ?
・決して諦めるな…… Never, never, never, never give up! by Winston Churchill
なんでブレイズがこの名言を引っ張り出せたのかは謎。
・万に一つでも可能性を発見したら……これは徳川彦左衛門の台詞。これが出てきたってことは、ブレイズ、どっかでヤマト無印を見たことあるの?
あと、今回初登場となったオリジナルウマ娘「アララギ」ですが……明確なモデルが存在します。どの馬だかお分かりになるでしょうか。
ただ、今話に出てきたヒントだけで「あ、マヤわかっちゃった!」できる人は、かなりの剛の者だと思います…。
彼女は将来的にまた、どこかで姿を現します。遅くともトレセン学園に入学した後に、その真名が明かされることでしょう。……その前に実馬モデルのウマ娘がアプリに実装されなければ良いのですが(キンイロリョテイ改めステイゴールドのように話がややこしくなるので)。
というか、このモデル馬モチーフのウマ娘らしい存在が、既にとあるウマ娘によってちらっと言及されてるので、今後実装される可能性は高いんですよね! 実装されるとしたら8月頭か10月頭でしょうから、そうなる前にできるだけ描いておきたい…。
評価10をくださいました東海様、ありがとうございます!!
また、新たにお気に入り登録してくださいました皆様、ありがとうございます!
さて次回予告です。今回の担当は…
「私ですね」
おや、ドリームジャーニー? 今回もまた不思議な人選だな…。
「確かに、この秋華賞回が初登場ですしね。
さてうp主さん、ひとまず主人公の優勝おめでとうございます」
祝辞はありがたいけどさ、しれっとメタ発言すんの止めて?
「何のことでしょう。人生の主人公は個人個人じゃありませんか」
うぐぅ、正論…!
「凱旋門賞に出かけているオルに代わって、私がブレイズさんの情報を集めていた訳ですが…ふむ、実に興味深い一戦でした。オルにどうやって伝えようか…。
それはそうと、史上初の無敗トリプルティアラを果たしたことで、どうやらあちこち騒ぎになっているみたいですね。その辺を少し描写することになります。
次回『周囲の反応と大流星』 投稿は少々お待ちくださいませ」