こちらは完結まで書ききりますので、よろしくです!!
高校生活を振り返って。二年F組 作間 九十九
『高校生活を振り返れなどと急に言われると、多くの高校生はは嫌な顔をする。すぐさま書き出せる高校生など、全国の何%だろうか? 勿論、授業の中だから、というのも気持ち的に多いだろう。しかし、多くの高校生はまず、思い出を思い出すのに悩むことだろう。この場合、多くの高校生は思い出せるほどの主観的に綺麗な思い出があるため、主観的に充実している高校生活を送っているので一般的な呼称方法として、リア充、と呼ぼう。リア充、つまり彼らには思い出がない訳ではない。むしろ彼ら的には美しい思い出というものがたくさんあるのだろう。しかし、考えてみてくれ。彼らはそんなに美しいであろう記憶を持っているのに、何故すぐさま思い出せないのか、そんなに楽しかった記憶があるのに書き出せと言われて嫌な顔をするのか。答えは簡単だ。彼らの思い出が大して美しくも楽しくもなかったか、彼らに思い出を記憶し、書き出すという行為ができないかの二つだ。後者は程度の低い知能で輝かしい思い出、青春を遅れているはずがないし、前者はうわべだけで中身のない青春(空)という免罪符のようなものを頼りに毎日を過ごしている。しかし、彼らは自分たちは青春を送っていると勘違いし、彼らの輪の中に入らないものを卑下しようとする傾向にある。何のことはない、彼らはよくあるライトノベルの主人公に自分自身をを投影しているだけなのだ。世界は自分にとって都合のいいほうへ廻り、都合の悪いものは排除してもよいなどといういわゆる中二的思考をもつ。しかし、歴史を顧みると今まで述べたような行動をとっている人物たちはもれなく歴史の中から排除されている。逆に自分たちのような一般人は虐げられることはあれど排除されることなどほとんどなかった。どちらのほうが正しいかなど火を見るよりも明らかだろう、つまり彼らは悪だ。
論点が少しずれてしまっているが言いたいことは変わらない。結論を言おう、
リア充爆発しろ!』
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国語教師の平塚先生は額に血管が浮き出しながら、俺の作文を大声で読み上げた。
「平塚先生? 職員室はそのように大声を上げるような場所じゃないですよ? もう少し空気と場所を読んでから行動してください。せめて、進路指導室などの他の人の迷惑の掛からない場所にするとか」
「作間……、お前は自分の立場を理解していないようだな」
「はい、そもそも何故俺はここに呼び出されているんですか? 授業態度、生活態度ともに校則、一般常識などに外れる行為などしてないんですが?」
勿論、先生の言わんとしていることなど承知の上だ。大方俺の作文が一般的ではないから書き直せとでも言うつもりだったのだろう。
しかし甘い、俺がそれに対しての反論を思いついていないわけがないだろう。
「……君
「「……高校生活を振り返ってというテーマの作文でしたが?」」
そう、現在平塚先生の説教を受けているのは俺一人ではない。俺の隣には一人の男が立っている。
クラスメイトの比企谷 八幡である。中肉中背の何の特徴もない男だった。いや、何の特徴もないというと語弊がある。正確には身体的特徴はない、だ。彼の特徴を挙げるならやはり目だろう。例えるなら腐った魚の目、そんな濁りきった眼をしていた。そして、先程平塚先生の読み上げた彼の作文を聞くと言葉の端端に彼の考え方がにじみ出ているようで、中々面白い考え方をしているなと思った。
以上、説明終わり。
「そうだな。それでなぜ君たちは犯行声明を書き上げているんだ? テロリストなのか? それともバカなのか?」
平塚先生はため息をつくと、悩ましげに書き上げた。
「平塚先生、少し考えれば俺たちがテロリストなんてことはありえないんですが、それとバカというのは俺と比企谷には当てはまりませんが? 俺は全テスト満点の文句なしの学年主席、此処にいる比企谷も理数は人並ですが、文系に関して言えば、かなり高い水準にあったと思いますが?」
「え? なんでお前、俺の成績知ってんの? もしかしてストーカー?」
「同じ学校にいるんだ、成績ぐらい大体わかる」
「……まじ?」
「おう」
「で? 私をおいて会話をしている君たち、特に作間。お前の揚げ足取りは実に愉快だが、その程度のこと私が分らないとでも思ったか? 君たちのこの舐めた作文のこともだ、比企谷?」
ギロッとでも効果音が付きそうなほどの目力が込められていた。
おお、こえぇ。
「ひ、ひや、俺はちゃんと高校生活を振り返ってますよ? 近頃の高校生はらいたいこんな感じじゃないでしゅか! だいたいあってますよ!」
「高校生活を送ってきてそれまでの経験に基づいた作文を指示通りに書いただけですが?」
これは至極真面目な回答。
「ふつう、こういう時は自分の生活を省みるものだろう」
「「だったらそう前置きしておいてください。そしたらその通りに書きますよ。これは先生の出題ミスであってですね」」
「小僧ども、屁理屈を言うな。そして、ハモるな」
「先生の年齢からすれば、学生はみんな小僧ですね」
風が吹いた。
握り拳が見えた。次の瞬間にノーモーションで叩き込まれる拳。それは、俺の頬を掠めることなく丁度平塚先生と俺との中間地点で止まった。すでに出されていた俺の手のひらによって。
「……はぁ、だから君は御しづらいんだ。まだ、比企谷のほうが可愛げがあるぞ。目をのぞいてな」
「冗談きついですよ平塚先生。俺はこの世でもかなりまっすぐな人間ですよ。本質さえ分かれば」
「比企谷よりもめんどくさいな君は」
「先生にそういわれるとは恐縮です」
社交辞令のように平塚先生と話す。そういうと、平塚先生は胸ポケットから出した煙草に火をつけ、一拍すると真面目な顔でこう言った。隣でうなづいていた比企谷はまだ、固まっている。
「君たちは部活をやっていなかったよな?」
「「はい」」
「……友達とかはいるか?」
「びょ、平等を重んじるのが俺のモットーなので、特に親しい人間は作らないことにしているんですよ、俺は!」
「今まで、必要なかったので」
比企谷は緊張して面白いほどうわずった声で、俺は端的に、そう言った。
「つまりいないんだな?」
「端的に言えば……」
「オフコース」
「そうか! やはりいないか! 私の見立て通りだな。比企谷は目で分かったぞ。すぐにな!」
平塚先生はやる気に満ち溢れた顔になった。
そして、先生のわずかな表情の変化から次の質問を予想し、回答する。
「ちなみに彼女もいませんよ。俺も、おそらく俺と同様に友達がいない比企谷もね」
「決めつけんなよ! ……まぁ、いないけどな」
「そうか……」
平塚先生は何かを数秒思案したのち、たばこの煙を吐き出した。
「よし、こうしよう。レポートは書き直せ」
「はい」
「いいえ」
「……作間、単位」
「…………書き直します」
畜生、議論を展開する前に切り札を切られた。
「では、直ぐに書き直してきます」
「まあまて、君たちの心無い言葉や態度が私を傷つけたのは事実だ。女性に年齢の話をするなと教わらなかったか? よって君たちには奉仕活動を命じる。罪には罰だ」
傷などついてないだろう、その嬉々とした口調から察するに。
「奉仕活動って何すればいいんですか?」
「俺にそれを行う義務がないです」
上が比企谷、下が俺のセリフだ。
「……作間、内申点」
「やります」
成績には勝てなかったよ。
「よし! では、ついてきたまえ」
そう言って、俺と比企谷は平塚先生に連行もとい、罰を与えられた」
「君は半分進んでだろう」
声に出てた。