ようこそ後輩のいる教室へ   作:かりん糖さん

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ついに試験結果発表!!
今回はそこまでストーリーは進みません。


嵐の前の静けさ

 

 

5月1日

 

 

ホームルームの時間に4月に行われた特別試験の結果が発表される事になった。

担任はどことなく嬉しそうな雰囲気を醸し出している事から、少なくとも合格点を下回った生徒はいない事がわかる。

 

 

 

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クラス順位

 

1位 1年Aクラス

2位 1年Bクラス

3位 1年Cクラス

4位 1年Dクラス

 

 

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クラスポイント

 

 

Aクラス:850 クラスポイント

Bクラス:830 クラスポイント

Cクラス:810 クラスポイント

Dクラス:800 クラスポイント

 

 

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「Aクラスが1位だ。今回は我々に有利な試験であったが、慢心する事なくよく頑張った。今後も向上心を持って励んで欲しい。」

 

 

私達Aクラスの平均も高く多くの生徒がボーナスポイントを獲得している様だった。

かく言う私も山村美紀と組んだ事により、上位3割に難なく入る事が出来1万プライベートポイントのボーナスを獲得している。

 

 

ちなみに社会科で満点を取ったのは私だけらしい。

今回のテストにおいて異例の事らしく、1年生という事もあって個別に1万プライベートポイントが振り込まれた。

 

 

「美空ちゃん凄いね!」

 

 

「美空ちゃん社会得意なんだ!」

 

 

「あはは、たまたまだよ。」

 

 

最近読んでいた啓蒙思想の本に関する内容がたまたま出た事、たまたま大学入試レベルの資料問題を解く事が最近の趣味だった事から満点を取れたに過ぎない。

私唯一の得意科目でもある為、努力した結果が報われたのだ。

 

 

残金 87万5643ポイント

 

 

坂柳の60万ポイントと今月のお小遣い、試験のボーナス1万ポイントと今回満点をとったことによる特別ボーナスを合計した額が残金である。

 

 

学年でも屈指のお金持ちになった訳だが、プライベートポイントは沢山保有していた方が良い事は先の特別試験で理解した。

2年Aクラスと2年Cクラスは優秀な1年という商品を賭けてマネーゲームをしていたのだ。

 

 

あの2クラスのやり取りはただのゲームではなく、高度な駆け引きが行われていたと石上が高橋と話していだな。

駆け引きについては良く分からないが、プライベートポイントを使った交渉という点においてプライベートポイントは重要な鍵を握る事になる。

 

 

退学の取り消しやクラス移動、テストの点数や授業の出席までありとあらゆる物を買う事が出来るという点においてもポイントは重要だ。

つまり娯楽や趣味に使うよりも貯めて貯蓄していた方が後々の試験や生活に交渉を行う上で有利になるという訳だ。

 

 

そろそろ生徒会に入っておきたいな。

私は人と関わる事が得意では無い為、OAAの機転思考力は下がりやすい。

 

 

そこを補うために生徒会に入ってクラス内での立ち位置を確立しておけばまあ何とかなるだろ。

中学時代もクラス委員をした事でぼっちを回避し、クラスの中心にいる事が出来たのだ。

 

 

今回だって絶対上手く立ち回ってみせる。

 

 

その前に今月更新されたOAAを確認しておこう。

情報チェックは大切だ。

 

 

 

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1ーA 九条美空(くじょう みそら)

 

1年次成績

 

学力    A(86)

身体能力  D(35)

機転思考力 B(68)

社会貢献性 B(72)

 

総合力   B(64)

 

 

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学力+5されてAに評価が変わっている。

身体能力はこの学校での評価に変わったのか6下がってDになり、社会貢献性と機転思考力も両方2ずつ下がっていた。

 

 

やはり機転思考力が落ちている。

身体能力に関しては大変なので仕方ないが、機転思考力に関しては友達を増やす等の努力次第で上がると思うんだよな。

 

 

生徒会に入ってクラス内の地位向上、話しかけてくれる人も増える筈だし、生徒会という人脈も出来る。

メリットが大きい為絶対入るべきだ。

 

 

放課後、私は生徒会室に向かった。

 

 

ノックをしてから中に入ると南雲会長と桐山副会長、堀北先輩、綾小路先輩が中にいた。

生徒会長の南雲雅はAクラスのリーダーだ。

彼はこの学校の生徒会の会長を勤めており、実力主義を掲げている。

 

 

「こんにちは、九条さん。何か用かしら?」

 

 

「こんにちは、実は南雲会長にお話がありまして・・お話中の様ですね。アポイントメントも取らずに押しかけてしまい申し訳ありません。」

 

 

私は深く頭を下げその場にいる先輩方に謝罪をする。

南雲会長は構わないといった様子で私の近くにやって来た。

 

 

「構わない。たった今鈴音との面談が終わり、彼女を生徒会の一員に迎えたところだからな。要件があるなら話すと良い。」

 

 

生徒会の一員に、か。

まあ今は私の話を聞いてもらわなくてはいけない。

 

 

「南雲会長、私を生徒会の一員に加えていただけませんか。」

 

 

南雲は一瞬驚いた顔をしたが、すぐに微笑みに戻った。

 

 

私は続けて話し出す。

私はクラスでの立場を向上していきたい事、生徒会に入ればよりクラス内での発言権を得られると思った事、そしてOAAの事様々な志願理由を述べていく。

 

 

変に取り繕うよりも少し生意気なくらいの方が可愛げもあるというものだ。

後は南雲の器を測る為でもある。

 

 

「つまりお前は、OAAの機転思考力と社会貢献性のために生徒会に入りたいって事だな?」

 

 

「はい、その通りです。」

 

 

「あははは、面白いな。正義感だとか学校の為だとか、真面目な回答をするかと思えば自分の評価の為?いいぜ。素直な奴は嫌いじゃない。」

 

 

素直に欲望を吐き出しただけでここまで認められるだなんて、誰が想像するだろうか。

 

 

堀北先輩は呆れている様だ。

その反応が正常だろう。

 

 

桐山先輩も眉をひそめており、私や南雲の会話に呆れているようだった。

綾小路先輩は無表情で何を考えているのかさっぱり分からない。

 

 

「お前、名前は?」

 

 

「九条美空と申します。」

 

 

名乗った瞬間彼はさらに楽しそうに笑った。

 

 

「まさか、あの九条美空だったとはな。良いぜ、生徒会入りを認めてやろう。」

 

 

南雲会長に笑われたがなんとか了承された。

これで生徒会入りだ。

 

 

南雲会長は笑いながら私に手を差し伸べてきた。

 

 

「これからよろしく頼むよ、新入メンバー。」

 

 

差し出された手を握り返し握手を交わす。

 

 

「はい、こちらこそ宜しくお願いします。」

 

 

こうして私も生徒会の1人として認められたのだった。

この日は簡単な説明を受け、堀北先輩同様書類にサインをして生徒会入りの契約が行われた。

 

 

何故か綾小路先輩もその場にいたが、気にしたら負けだろうな。

南雲会長が目をかけているこう後輩で、堀北先輩が信頼しているクラスメイトだ。

 

 

私がどうこう言える立場に居ない事は明白である。

 

 

生徒会室を後にして昇降口に向かうと外は雨が降っていた。

私は慌てた鞄の中を確認するが折り畳み傘は寮に忘れて来た様だ。

 

 

「はあ、走って帰るしかないかな。」

 

 

身体能力が低い事からも分かる通り、私は運動が苦手だ。

寮まで20分という距離から着いた頃にはびしょ濡れになっているだろう。

 

 

今日は曇りの予報だったのだが、どうやら天気予報は外れてしまったらしい。

私は意を決して雨の中へ足を進めようとした。

 

 

「おい」

 

耳に残る低い声が後ろから聞こえた。

 

 

振り返ると何かが飛んできた。

慌ててそれを掴むと投げられたのは折り畳み傘だった。

 

 

「い、いいの?」

 

 

私は驚きながらも彼の顔をじっと見つめる。

 

 

「濡れて風邪ひいて休まれたら、クラスポイントが下がるかもしれないだろ。」

 

 

彼は淡々とそう言って去っていった。

善意ではあるのだろうが、リーダーとしてクラスの為に貸してくれたに過ぎない。

 

 

やっぱり彼の考えている事はよく分からない。

石上京はやっぱり苦手だ。

 

 

今日が初めて彼と話した日だった。

その後寮に戻ると個チャでお礼のメッセージを送った。

 

 

既読にはなったが、メッセージは返ってこない。

 

翌朝、空は青く澄んでいた。

コンビニでちょっと高めなカフェオレを買い、を添えて彼の席に傘と一緒に置いておく。

 

 

なんとなく面と向かってお礼を言うのが恥ずかしかった。

やっぱり天才と話すのは苦手というか精神的に無理だ。

 

 

休み時間に彼がカフェオレを飲んでいるのを見たが、「甘い…」となんとも言えない顔で呟いていた事は忘れ無い。

 

 

 

「石上良いもの飲んでんじゃん!」

 

 

「いや、これ甘すぎる。」

 

 

「じゃあなんで買ったんだよ?!…俺が代わりに飲もうか?」

 

 

「いや、自分で飲める…やっぱり甘すぎる。」

 

 

「まあ、頑張れよ石上。そのカフェオレちょっと良いやつなんだからさ。味は悪く無いし俺は好きだぜ?」

 

 

高橋と石上のやり取りはふつうの高校が行う様なものだった。

高橋はあのカフェオレがちょっと高い事を知っているらしい。

 

 

まあ石上の好みなんで知ってる訳が無いので今回のは事故だ。

 

 

ごめん、そのカフェオレ私にとっては苦すぎるんだよ。

苦いカフェオレを選んだつもりが、彼らには甘いらしい。

 

 

よくコーヒーを飲んでいるからお礼には丁度良いと思ったのだが、コーヒーの好みは人それぞれなので失策だった。

 

 

この日から2週間後、新たな試験が発表された。

その試験には退学者が出る可能性があった為、ウチのクラスはリーダーの指示によって動き見事1位で勝利を収めた。

 

 

この間生徒会メンバーと顔合わせを行い、私は一之瀬先輩の元で生徒会業務を学んでいった。

5月末には広報の役を与えられ、生徒会新聞の発行や学校ホームページの生徒会連絡の更新、校内放送やペットボトルキャップの回収等支援活動の呼びかけを行なっていた。

 

 

この学校のシステムに関する情報を除いた公式SNSの更新も行い、来年度の受験者や入学希望者のためのアピールも行なった。

他にも放課後の見回りや書類業務等一般的な仕事もきっちりと行なっている。

 

 

以下試験のクラスポイントだ。

 

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クラスポイント

 

 

Aクラス:1250 クラスポイント

Bクラス:1000 クラスポイント

Cクラス:960クラスポイント

Dクラス:950クラスポイント

 

 

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Aクラスが1位、Bクラスとの差が150ポイント程開いた。

Cクラスは退学者が出た事からクラスポイントが引かれている様だ。

 

 

そしてDクラスはクラスポイントを増やした。

上位クラスにくらいつきBクラスと同じ額の150クラスポイントを増やして見せたのだ。

 

 

宝泉は暴力的ではあるが、決して学力が高い訳では無い。

それに七瀬翼が側に控えている事から今後は強敵として認識しなくてはならない。

 

 

 

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1ーD 宝泉和臣(ほうせん かずおみ)

 

1年次の成績

 

学力    B+(76)

身体能力  B+(80)

機転思考力 D(32)

社会貢献性 E(12)

 

総合力   C(55)

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

1ーD 七瀬翼(ななせ つばさ)

 

1年次の成績

 

学力    B(74)

身体能力  B+(78)

機転思考力 B(71)

社会貢献性 C+(59)

 

総合力   B(72)

 

 

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宝泉のキャラで学力B+っておかしいと思うんだけどな。

 

 

七瀬翼より高いって、あのキャラで実は真面目に勉強してますって無理があると思うんだけど、こういうのがギャップ萌えって言うのかもしれない。

その手の人には意外と美味しいのかも。

 

 

しかしCクラスでは波多野という生徒が退学してしまった。

噂では誰かに嵌められたらしいが、それがあり得るのがこの学校だ。

 

 

いまのところ坂柳に渡した情報には大したものは無いので特に指示は受けていない。

坂柳が契約の際に話した内容が真実だとするなら、次の特別試験で動きがある筈だ。

 

 

6月1日には12万5000ポイントが振り込まれ、もうすぐ100万ポイントに到達する。

 

 

残金 104万8260ポイント

 

 

クラスポイントの変動もなく何も変わらない。

ポイントが100万を超えたので、今夜はなにか美味しいものを食べようかな。

 

 

節約と称して無料商品や食堂の山菜定食飲みを食べてきたが、たまには贅沢しても良い筈だ。

 

 

なんて事を考えていると携帯の通知が鳴る。

どうやら来週に行う挨拶運動の打合せ会が別日に変わったそうだ。

 

 

それも今日。

せっかく美味しいものを食べに行こうとしていたのに無念である。

 

 

そういえば、今月の自分のOAAを確認し忘れていた。

OAAを立ち上げ自分の名前をタップする。

 

 

このアプリの操作にもだいぶ慣れ、今では日常生活にも欠かせない大事なものだ。

このアプリのおかげで、見回り中の生徒の取り締まりがスムーズに出来るため、顔と名前をすぐに確認し教師方や生徒会の方に即連絡出来るようになった。

 

 

以前までは身元確認に時間がかなり掛かっていたらしく、見回りも一苦労だったと聞く。

本当にこのアプリは優秀だ。

 

 

 

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1ーA 九条美空(くじょう みそら)

 

1年次成績

 

学力    A(86)

身体能力  D(35)

機転思考力 B(70)

社会貢献性 A–(82)わ

 

総合力   B(66)

 

 

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機転思考力が2上がり、社会貢献性が10上がっている。

学力と身体能力は変わらず、生徒会役員になった事で社会貢献とクラス内の地位上昇に繋がっている様だ。

 

 

まあ、生徒会役員という肩書きは進路や今後の学校生活において何かと役に立つ。

今後も頑張っていこう。

 

 

それにしても10上がるって絶対おかしいだろ。

広報だからってのもありそうだが、それにしても上がりすぎだろ。

 

 

次の期末テストで数学の点数が落ちる事は容易に予想出来る。

学力の数値も比例して少し落ちるかもしれないな。

 

 

どうにかしたいが、私には基礎問を解くので精一杯だ。

今だって、毎日数学の復習を行っているのにすらすらと解けるようにならないのだ。

 

 

「一夏ちゃん数学教えて貰えないかな?」

 

 

「ええー!どうしよっかなあ」

 

 

天沢はニヤニヤと笑いながら毛先をくるりと回して遊ぶ。

私が勉強用に使っていたノートのページをペラペラと捲っていく。

 

 

「はあ、やっぱダメ。せめて教科書の基礎問くらい何も見ずに解ける様になってから出直して。」

 

 

「ぐぬぬ、手厳しいなあ。」

 

 

「あは、まあ頑張ってねん美空ちゃん!」

 

 

訳すと「今のレベルじゃ発展問題は解けない」となる。

仕方なく基礎問題を繰り返し解き直す。

 

 

もはや問題と答えをセットで覚えてしまいそうだなあ。

でもそれって問題分と解法を理解している訳では無いので、なんの役にも立たないのだ。

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