ようこそ後輩のいる教室へ   作:かりん糖さん

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間違えてこの話を消してしまったので投稿し直しました。


無人島試験に向けて①

無人島試験に向けて①

 

 

6月に入ってから数日が経った頃、同クラスの友達である小西徹子に呼ばれてパンケーキの有名なカフェにやって来ていた。

店内にはカップルと女性客で溢れていた。

 

 

今回は小西が予め予約をしてくれていたのですんなり入店できたが、ここはいつも1時間待ちのお店らしい。

 

 

予約をしてくれてありがとう、徹子ちゃん。

 

 

「徹子ちゃんのオススメはある?」

 

 

「ここはプレーンのふわとろパンケーキが一番美味しいよ。人気なのはカボチャのパンケーキと抹茶のスイーツセット。」

 

 

メニューを見ながらスイーツを選ぶ時間は至福だった。

暫く世間話に花を咲かせていると注文したスイーツがやって来た。

 

 

3段に重ねられたパンケーキは可愛らしくプルプルと揺れる。

メープルとクリームチーズ、バターをパンケーキに塗って食べるタイプのものだ。

 

 

小西は抹茶パンケーキを選んだようで、黒蜜と抹茶クリームと一緒に頂くようだ。

スイーツに舌鼓を打っていると、小西が鞄から携帯を取り出した。

 

 

「あのね、美空ちゃん。このメールを見て欲しいんだ。」

 

 

言われた通り、メールに目を通すそこには前回の特別試験で不正をすると約束した場合、プライベートポイントを支払うと書かれていた。

この内容は、ルールの穴をついたものではあるが、Cクラスの退学者が実際に行って不正とされ退学になっているはずだ。

 

 

小西はAクラスに選ばれた事もあり、冷静な判断をした。

このメールを間に受ける人が愚かだと言っている訳ではなく、卑劣な手段を講じた人間が許せない。

 

 

「徹子ちゃん、これってCクラスの波多野君の不正と同じだよね?」

 

 

「うん。流石に怪しいし、ポイントもまだ余裕あったからこの話は無視したよ。でも、ちょっと不気味で誰かに話したかったんだよね。」

 

 

もしこのメールを波多野が貰っていた場合、誰かが意図的に波多野と小西を退学させようとしていた事になる。

ルール的には問題ないが、倫理的には完全アウトだ。

 

 

「徹子ちゃんがこのメールを無視してて良かった。でもちょっと怖いね。」

 

 

「うん。こんなメール送るなら、他クラスだと思うの。自分のクラスメイトを退学させるメリットはないし。Cクラスの波多野が嵌められたのなら、BクラスかDクラスに犯人がいると思うんだよね。」

 

 

「確かにそうだね。徹子ちゃん、BクラスやDクラスの人にメアド教えた?」

 

 

「BクラスもDクラスも仲の良い女の子には教えてるよ。後八神君とか男の子も数人知ってるよ。」

 

 

なるほど、絞り込みは不可能だ。

クラスメイト経由で簡単に聞き出せてしまう為、メアドを知っている人間から犯人を特定するのは難しい。

 

 

このメールの意図を察するに、知力の高い人間が行なっている可能性が極めて高い。

Dクラスの宝泉は暴力的だと聞くが、こんな陰湿な事をするとは思えないな。

 

 

だがBクラスも温厚で真面目なクラスなのでこの手段を使うかと問われればイメージは難しい。

Cクラスだとしたら、リーダに名乗りをあげたい人物がいるという事になるか、それならさっさとクラスを纏め上げようとするはずなので可能性は低いだろう。

 

 

しかしDクラスをスケープゴートにするという作戦を行った場合はBクラスかAクラスに犯人がいる事になる。

実際CクラスはDクラスが嵌めたと考えているようだし、現状この説は濃厚かもしれない。

 

 

小西が自作自演で無い限り、確実に得をするのはBクラスだ。

Dクラスがもし犯人だとしたら、BクラスやAクラスの退学を狙う筈だから何かしらBクラスも被害が出ている筈だが、八神がそのような話をしていないため可能性は薄い。

 

 

「徹子ちゃん、このメール写メらせて貰っても良いかな?」

 

 

「うん!大丈夫だよ。石上君に言うか迷ったんだけど、美空ちゃんは友達だし、生徒会役員だし、話しやすいから頼っちゃった。」

 

 

ごめんねと弱々しく微笑む彼女の手をぎゅっと握る。

彼女は一瞬驚いたような顔をしたが、私の手を強く握り返してくれた。

 

 

「私を頼ってくれてありがとう。一応クラスチャットでも差出人不明のメールについては注意喚起しておくね。」

 

 

クラスチャットで注意喚起をし、この日は恋バナをしてから解散となった。

 

 

 

6月に入って約2週間経った頃、いつもと違う朝のホームルームが始まった。

 

 

「全員揃っているな。今から2つの重要な連絡をする。よく聞くように。」

 

 

目の前のモニターに1枚の写真が映し出される。

その写真は豪華客船だ。

 

 

「まず夏休みに関してだ。君達には8月4日から8月11日までの7泊8日間、この豪華客船内で自由に夏休みを満喫する事が出来る。劇を見るのも、食事に舌鼓を打つのも良いだろう。そして、船上で特別試験を行うような事も一切ない。」

 

 

つまり純粋なバカンスを楽しむ事が出来るそうだ。

しかしこの学校がバカンスを用意して生徒に甘い蜜を吸わせるのには何か裏があるはずだ。

 

 

クラスメイトの様子を観察すると天沢はつまらなそうに毛先がいじりながら話を聞いており、他の生徒も喜んだり嬉しそうにした様子はない。

我らがリーダー石上は無表情で何か考え込んでいる様子だった。

 

 

Aクラスらしく物事の本質を捉えようとこの話の重要性を全員が理解している様だった。

 

 

「しかしこの船旅を存分に楽しむには、次の特別試験を無事に終えなければならない。」

 

 

やはり甘い話には裏がある。

どうやらその特別試験はバカンスを用意しないと釣り合わない程過酷なものになるらしい。

 

 

「この特別試験は夏休み中に行われる。君達には無人島サバイバルに参加し、競い合って貰う。」

 

 

夏休みに無人島か。

 

 

どこかの企業研修では無人島生活を取り入れているらしいし、この学校の特別試験に採用されていても何らおかしくは無い。

無人島では発想力や生存戦略を鍛える事が出来るだろう。

 

 

「まずは日程から説明していくが、後程君たちの端末でもダウンロード、確認が出来るようになる為、この場でメモを取る必要は一切無い。」

 

 

前回までの特別試験ではメモを取っていたが、今回の試験からはその必要がないのは助かるな。

毎回データをダウンロード出来るようにしてくれた方が効率が良いので、学校側にはも少し配慮をして貰いたい。

 

 

モニターに日程が表示された。

そこには7月19日から8月11日までの期間について書かれている。

 

 

以下日程である。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

7月19日 

グラウンドに集合→バスで出発→港より乗船

 

7月20日

特別試験の開始(特別試験の説明、物資の受け渡し)

 

8月3日

特別試験終了(順位の発表を船内にて行い、それに合わせて報酬を支給)

※8月のプライベートポイントは無人島試験の結果を適用後支給する。

 

8月4日

船上クルージングで終日自由行動

 

8月11日

港に到着(学校へと戻り解散)

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

1学期の終わりを告げる終業式は16日の金曜日。

その3日語に出発する日程だ。

 

 

「夏休みが短くなってしまうが、日数が補填される事は無い。その代わりとして今回豪華客船でのクルージングが行われる。この1週間は考え方によっては失われる2週間以上の価値を君達にもたらすだろう。」

 

 

価値、か。

 

 

わざわざ担任が言う程の何かが船上で行われるor 何かがあると言う事になる。

これは気になるが今考えても仕方のない事なので楽しみにしておこう。

 

 

「今回の無人島サバイバルは君たちが初めて行った特別試験のように他学年も参加する。今回は強力ではなく全学年で競い合って貰う。」

 

 

全学年でクラスポイントの争奪戦をするとなると、敵の数は11クラス。

純粋に他学年と競い合うとなると1年生が経験の差で不利だ。

 

 

実力主義を掲げるのだから仕方のない事かもしれ無いが。

 

 

「無人島サバイバルのルールの概要を一部説明する。」

 

 

一部、と言う事は今回話さない説明は別日に行われると言う事になる。

試験当日か、全校生徒が集まる集会のタイミングのどちらかだが、今回の先生の表情を見るに試験当日と考えたほうが良さそうだ。

 

 

モニターの表示が切り替わり《グループ》という文字が大きく目立つ。

 

 

「無人島サバイバルでのルールを知っていくには、グループに関する事を理解して貰う必要があるだろう。この試験では最大6人までの大グループを組み、協力出来るグループを採用している。そして大グループは同学年であればクラス問わず組む事が可能だという点を最初に覚えておかなければならない。」

 

 

成る程、自クラス以外の全クラスが敵という認識は間違っていたようだ。

 

 

「君達は今日から7月16日金曜日までの約4週間の間、1年生には好きな相手を3人まで選び大グループの元である最大4人の小グループを作る権利が与えられている。」

 

 

2年生と3年生は最大3人までの小グループが作れるらしい。

これは学年別のハンデキャップの1つだろう。

 

 

「そして男女の割合だが、男女混合の場合は3分の2以上を女子が占める必要がある。」

 

 

男2人女1人、あるいは男女それぞれ1人ずつというグループは不可みたいだ。

可能なグループの組み合わせパターンがそれぞれ表示される。

 

 

以下可能な組み合わせパターンである。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

《男女の組み合わせパターン》

 

『男子1人』『男子2人』『男子3人』

 

『女子1人』『女子2人』『女子3人』

 

『男子1人女子2人』

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「グループは1人のままでも成立する。メリットは減るが特段問題は生じない。次の特別試験は人数に関係なく行う事が出来る。1人で挑みたい者は男女問わず許可される仕組みだ。」

 

 

メリットが少ないという事は報酬が減る可能性も高そうだな。

相当の実力者でないと今回の試験1人で挑んでも意味は無いだろう。

 

 

「グループの人数は多いに越した事は無い。単純に人数の多い方が有利であるのに加え特典も用意されている。1人で戦うという選択肢は最後まで選ばない事をお勧めしておこう。」

 

 

やはりか。

 

 

グループを組まなかった生徒は不利な状況で試験を行う事になるらしい。

となるとグループを組む事が最低条件といって良いだろう。

 

 

後特別試験に慣れていない1年生は単純に単独行動をする事自体が不利だ。

1人で行動するというルールは上級生よりのルールだろうな。

 

 

人間離れした高円寺六助や鬼龍院風花なんかは1人で参加しても上位を狙えそうだ。

南雲や堀北から軽く話を聞いているが、どちらも常人離れした実力者らしい。

 

 

「一度グループが確定したら変更は出来ないので気を付けて欲しい。特別試験が始まると今度は小グループ同士が集まる事が解禁される。3人グループが

2つでも、2人グループが3つでも、或いは単独グループが6つ集まっても構わない。」

 

 

他クラスと協力して最強のメンバーを集めたグループを作るのも良さそうだな。

 

「しかしグループを組む条件はそこでも存在する。4人以上の大グループでは女子の割合が5割以上を占めている必要がある。」

 

 

ルールが多くてややこしいな。

3分の2以上から、2分の1以上は女子である必要がある、というルールに変更されるようだ。

 

 

「ちなみに特別試験が始まってからグループを作れば良いと考える者もいるかもしれないので先に言っておこう。自由に組むことが出来るグループ作りだが、試験本番中に希望の大グループを組む難易度は非常に高い。最大6人のグループを望んでも作る事すら出来ない、そんなケースも出てくるだろう。」

 

 

頭がこんがらがってきた。

こんな一気に説明されても覚えられる訳が無い。

 

 

周りを見てみると流石のAクラスの生徒であっても困惑した表情を浮かべている者もいる。

石上や天沢は理解しているのか、微かに口角が上がっているような気がする。

 

 

やっぱり天才様の考えは理解できない。

 

 

「特別試験の内容は教える事が出来ないが、必要な能力について軽く話しておこう。学力、身体能力、精神力、コミュニケーション能力。大まかなものはこの4つだ。だがしかし、これら以外にも君達が挙げた能力以外にも自分達が得意とする能力を生かせる場合もある。」

 

 

一点突出した人間より得意な事が多い生徒の方が有利という意味だろうな。

 

 

「グループの総合力はそのまま特別試験での成績に繋がる可能性も高い。適材適所を考えて組む事を勧めておく。」

 

 

総合力の高い生徒同士で組めば勝率は高くなる。

しかし能力の低い生徒が余ってしまうと彼らは不利になる。

 

 

自分以外の生徒の能力も考慮しながらグループを作らなくてはいけない。

今回もOAAが活躍する事になりそうだ。

 

 

「特別試験の最中、何らかのアクシデントによって

リタイア者が出た場合、1人で参加していた生徒はその時点で失格となりペナルティを受ける。複数人のグループを結成していた場合、残った人数で問題なく試験を行うことが出来るので安心して欲しい。」

 

 

人数が多い程残機も多くなるという事か。

何だかゲームみたいだな。

 

 

「では次は今回の試験の報酬について説明する。」

 

 

モニターが切り替わり、報酬が表示される。

 

 

以下無人島サバイバルの報酬である。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

《報酬について》

 

 

[1位のグループ]

 

●300クラスポイント

●100万プライベートポイント

●1プロテクトポイント

 

 

[2位のグループ]

 

●200クラスポイント

●50万プライベートポイント

 

 

[3位のグループ]

 

●100クラスポイント

●25万プライベートポイント

 

 

[上位50%(1位〜3位含む)に入賞したグループ]

 

●5万プライベートポイント

 

 

[上位70%(1位〜3位含む)に入賞したグループ]

 

●1万プライベートポイント

 

 

※上位3グループまでが得るクラスポイントは下位3グループの学年から支給される。

クラスポイントに関しては人数に関係なくクラス数で均等に分配される。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

プロテクトポイントって何だろう?

 

 

 

「まず最初に1年生にプロテクトポイントについて説明する。万が一退学処置を受けたとしても無効にするポイントの権利のことだ。例えばテストで赤点を取ったとしても、このプロテクトポイントを持っていればポイントの分だけ無効にすることができる。 ただし、このポイントは他の人には譲渡することができない。」

 

 

つまりプロテクトポイントがあれば退学を無効に出来るという事らしい。

このポイントも今後の特別試験を進める上で重要そうだな。

 

 

モニターに表示された報酬は、クラスポイントもプライベートポイントもかなり高額だ。

もしも3位までを独占すれば物凄い変動が起こるが、奇怪な注意書きがある。

 

 

「注意が必要となるのは、今回は同学年以外でグループが組をないため、必然的に学年同士での争いにはなる。しかし報酬やペナルティの影響は『グループ別』に行われるという点だ。つまりAクラスだけで結成されたグループが1位を取れば1位の報酬は全てAクラスのもの。逆に4クラス合同のグループが1位を取れば、4クラスで均等に報酬を分けることになる。各クラスから最強の生徒をかき集めたグループを作れれば勝率が上がるかもしれないが、クラスポイントは何一つ変動しない事になる。」

 

 

人数差による重複がないため均等に300クラスポイントを4クラスで分け合うだけ。

学年別で争うにしても、結局重要なのは、Aクラスで卒業する事なので、4クラスから最強集めたグループで1位を狙ってもクラスポイントが変動しないので意味が無い。

 

 

今回のグループ決めはかなり苦戦する事になりそうだ。

 

 

「そして、3グループに与えられる合計で600にも膨れ上がるクラスポイントは下位3グループから均等に徴収する事になっている。もし1位が2年生のグループで、最下位が1年生のグループであれば、1年生の各クラスからクラスポイントが回収される仕組みだ。2位の場合は下位から2番目、3位の場合は下位から3番目のグループと学年が比較される。」

 

 

他学年による奪い合いに発展する可能性も大いにあるという事か。

 

 

「次に比較対象となる上位グループが、同学年同士だった場合の説明をしておく。この場合は少々特殊な形になるが、最下位グループに含まれたクラスは100、下位から2番目は66、下位から3番目は33のクラスポイントを上位に支払って貰う。1クラスで単独1位を取れば300ポイントを得られる事に変わりはないが、同時に単独最下位に沈めば100ポイントが差し引かれ、200ポイントしか得られない。」

 

 

4クラス混合のグループが勝つと1クラスあたり75クラスポイントが貰える。

いくら1位を取っても自分達のクラスの生徒が含まれるクラスが最下位などに沈んでしまったら損をするケースも出てくるようだ。

 

 

「なお徴収するクラスポイントが報酬に満たない場合、残りは学校が補填する決まりでもある。これは他学年から徴収する場合も同様だ。」

 

 

支払われるクラスポイントが不足していても報酬は保証されるらしい。

 

 

「また、もし4クラス混合のグループが最下位を取った場合、支払うクラスポイントが軽減される。最下位が75ポイント、下位から2番目が50ポイント、下位から3番目は25ポイントに減る。」

 

 

1クラスのみのグループが最下位になるという状況を避けるためにも、多少のリスクは承知で他クラス混合のグループを作った方が良さそうだな。

無難な方針としては上位70%に入る事を意識したグループ作りなんてどうだろうか。

 

 

これならバランスよくグループを組めば狙える可能性は十分にある。

 

 

「そして下位に沈んだグループにはペナルティが課せられる。奪われるクラスポイントは下位グループの結果から参照されるだけだが、下位5グループに属する結果になってしまった生徒達には退学してもらう。」

 

 

流石に退学と聞けばクラスの雰囲気も落ち込んでしまう。

困惑顔から絶望を含んだ不安そうな顔へと変わっていく。

 

 

「だが安心して欲しい。万が一ペナルティを受けた場合、600万プライベートポイントを支払う事で救済出来る。この金額はグループの人数で割られるため、6人グループであれば1人あたり100万プライベートポイントで済む。」

 

 

6人の大グループを結成する利点の1つがこれだな。

私の手持ちは今100万プライベートポイントを超えているため、6人グループを作っておけば退学になる事は無さそうだ。

 

 

しかし希望した小グループと組むことが非常に難しいという担任の発言を考慮した場合、最低でも200万プライベートポイントは集めておきたいところだな。

3人グループを結成すれば1人の負担額は200万なので、今からでもプライベートポイントを集めておいた方が良さそうだ。

 

 

「試験が始まってからはプライベートポイントの貸し借りが出来ないため、乗船の段階で自身の携帯に必要な救済ポイントを所持しておく必要がある。」

 

 

ふむ、だからこそプライベートポイントを貯める時間として小グループを決める期間を設けているのだな。

最低でも200万プライベートポイントを貯めれるように。

 

 

「ペナルティを受けるグループでも出せる生徒、出せない生徒が出る事も考えられる。この場合均等にされたプライベートポイント分を所持している生徒は支払う事で救済される。」

 

 

足を引っ張られる事が無いのなら一安心だ。

 

 

「最後に今回の試験において鍵となるカードについて説明する。」

 

 

モニターが切り替わり8項目が表示される。

 

 

以下カードの説明である。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

《基本カード一覧》

 

 

先行……試験開始時に使えるポイントが1.5される。

 

追加……所有者の得るプライベートポイントが報酬が2倍される。

 

半減……ペナルティ時に支払うプライベートポイントを半減させる。このカードは所持する生徒のみ反映される。

 

便乗……試験開始時に指定したグループのプライベート報酬の半分を追加で得る。指定したグループと自身が合流した場合効果は消滅する。

 

保険……試験中に体調不良で失格した際、所有者は1日だけ回復の猶予を得る。不正による失格などは無効とする。

 

 

《特殊カード一覧》

 

増員……このカードを所有する生徒は7人目としてグループに存在出来る。本試験開始後から効力が発揮され、男女の割合も考慮されない。

 

無効……ペナルティ時に支払うプライベートポイントを0にする。このカードを所持する生徒のみ反映される。

 

試練……特別試験のクラスポイント報酬を1.5倍にする権利を得る。ただし上位30%のグループには入れなかった場合グループはペナルティを受ける。また増加分の報酬は学校側が補填するものとする。

 

 

 

《カード概要とルール》

 

 

●基本カード、特殊カード共に同一学年でトレード可能。

 

●クラス内でのトレードは不可であり、同学年他クラスの生徒に限り譲渡やトレードが可能。

 

●一度所有者を変更させると再トレードは不可能。

 

●誰が何を所持しているかはOAAで確認出来る。

 

●同じカードを複数使っても効果は倍増はしない。

 

●特別カード3種は学年毎に1枚ずつしか存在せずランダム配布の為、1クラスが偶然特殊カードを3枚持つといった事も確率として起こり得る。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

無人島の試験説明、報酬ペナルティの説明、カードの説明を聞き終えた。

長かった、やっと終わる。

 

 

「今回の説明では全てを理解出来なかった者もいるだろう。昼休みまでには自動的にタブレットに特別試験のマニュアルが配布される為、そこで確認が可能だ。」

 

 

まあ確認は昼休みにでもしておこう。

担任は話し終えるとチャイムが鳴る前に去っていった。

 

 

我らがリーダーも特に指示を出す事なく、周りは雑談を始めた。

 

 

「一夏ちゃんはグループどう決めるのが良いと思う?同じ学年同士ってなるとやっぱりクラスの代表同士の話し合いくらいしか思いつかないや。」

 

 

天沢に尋ねると彼女はニヤァと笑って口を開く。

 

 

「実は組みたい人がいるんだよね。まあカードが明日配られる訳だし、相性も考えて決めた方が良いんじゃ無い?」

 

 

「確かにカードもそうだよね。一夏ちゃんが組みたい人がいるって意外だなあ。」

 

 

「まあ、私基本1人だからねぇ。」

 

 

「だからこそびっくりだよ。」

 

 

報酬が倍になるカードとペナルティ無効カードを持つ人が同じグループになる利点は無い。

誰が何のカードを持つかも重要だな。

 

 

どうやらグループを組む相手は既に決まっているらしく、私が誘っても意味はなさそうだ。

 

 

彼女は社交性はあるが、特定の友達がいるようには見えなかった。

だからこそ彼女の発言には驚いた。

 

 

しかし、今の言葉を聞いて坂柳との契約を思い出す。

グループは契約を満たす上で慎重に決めなければいけない。

 

 

その日の放課後、クラスのグループチャットで高橋が指示を出した。

高橋がリーダーになったとしても誰も文句を言わない程に、彼はリーダーらしいリーダー代理だった。

 

 

チャットですら高橋任せってどうなんだ。

チャットも天才様にとっては面倒らしい。

 

 

『近々、俺がAクラスの代表代理としてBクラス、Cクラス、Dクラスと話し合いをしてくる。この話し合いの結果が纏まるまでグループを組むのは辞めて欲しい。』

 

 

この日から話し合いを始めようとしても、Dクラスの宝泉がカードのトレードやグループ決めを拒否している為、グループ決めは難航していた。

組んで欲しければポイントを寄越せと言っているらしい。

 

 

ひとまず7月まで宝泉の動きを待つ事にしたのだが、彼は何もしてこなかった。

駆け引きをしているつもりなのだろうが、今回の最大の敵は上級生、特に3年生だぞ。

 

 

宝泉、頼むから協力しろ。

 

 

そして7月に入ってもDクラスの態度は変わらなかった。

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