レースが終わり、空が黒色に染まり始めた頃。ジョーカーは喋る猫であるモルガナと一緒にベンチに座っていた。
「いやー、すごいレースだったぜ。まさか、あのタイミングでシービーが抜き返すとはなぁ」
どうやら、モルガナは先程のレースの内容に興奮さめやらぬといった様子であり、ジョーカーの膝の上で熱心に解説していた。すでに観客のウマ娘達は寮に帰っているため、学校に猫を持ち込むという校則違反も甚だしい行為を気づかれることはないだろう。
「そういえばジョーカー。選抜レースはどの種目にでるのか決めたのか」
モルガナの問いに、ジョーカーは首を横に降った。
「おいおい、もう明明後日だぜ?大丈夫かよ」
モルガナがため息をつき、ジョーカーの膝に寝転ぶ。体温が丁度良いらしく、ゴロゴロと喉を鳴らした。しばらくモルガナの頭を撫でた後、ジョーカーは自身の寮に向かうのだった。
「ここだな」
栗東寮5Fの507号室。私に与えられた部屋である。扉の前に立ち、コンコンコン、と三回ノックを行った。
「は~い、今行くよぉ」
中から穏やかな声が聞こえた。どうやら、優しい人のようだ。扉が開かれ、中から灰色の髪が綺麗なウマ娘が現れた。
「あら、よろしくねぇ。ワンダーアキュートだよぉ。アキュートって呼んでくれると嬉しいなぁ」
アキュートに頭を下げ、名前とこれからお世話になる旨を伝える。
「こちらこそよろしくねぇ。さぁ、上がって、上がってぇ」
室内に入ると、自分が持ってきていたはずの段ボールがないことに気づいた。まだ届いていないのかと思ったが、机の上には私がよく使っているコーヒーサイフォンが置かれていた。
「そういえば、荷物は全部出しておいたよぉ。ごめんねぇ、勝手に開けて。疲れてると思っちゃってねぇ」
申し訳なさそうに言うアキュートに、感謝を伝えると、花のような笑顔を浮かべた。
「これぐらいお安い御用だよぉ。さぁ、今お茶でも入れるからねぇ」
ベッドに座っていると、香ばしい香りが部屋中に広がる。
「はぁい、ほうじ茶が入ったよぉ」
アキュートからコップを手渡される。それを一口飲むと、体中に暖かさが広がり、とても癒される気分になった。4月とはいえ、夜の寒さは体に堪えたらしい。
「気に入ってくれたみたいだねぇ。良かった良かった。ジョーカーちゃんはどこから来たの?」
アキュートからの問いに静岡県だと答えた。
「えぇっ、静岡県から東京まで一人で来たの?すごいねぇ、ジョーカーちゃんは」
そんな風にアキュートと談笑していた時だった。
「おいっ!だせぇ!苦しいんだよぉ!」
鞄の中からモルガナの叫び声が聞こえた。
「あら?ジョーカーちゃんの鞄から、猫の鳴き声が聞こえたような・・・」
まずい、そう思ったが時既に遅し。アキュートが鞄に手を伸ばし、ジッパーを開けた。
「あらぁ、かわいい猫ちゃんじゃないの」
アキュートはモルガナを抱き締めた。怒らないのかと聞くと、こう答えられた。
「うーん、本当はダメなんだろうけど、見ず知らずのところに一人は、寂しいもんねぇ。でも、絶対他の人に気づかれちゃいけないよぉ。」
アキュートの問いに首を縦に振ると、優しく頭を撫でられた。その手には優しさが込められており、少し眠たくなるほどだった。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
我は汝・・・汝は我・・・
汝、ここに新たなる契りを得たり
契りはすなわち、
囚われを破らんとする反逆の翼なり
我、「法王」のペルソナの生誕に祝福の風を得たり
自由へと至る、さらなる力とならん・・・
ペルソナの力を育てるウマ娘関係「法王」コープが解禁した!
「法王」コープランク1アビリティ [飲茶休憩]
自分の調子が一段階上がるお茶をアキュートに作って貰えるようになる。
《対象ウマ娘》ワンダーアキュート
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆