「本当になんの作業も出来なかったわ昨日」
「見事に収容室から弾かれておったな」
試しに入ろうとしても謎の壁に阻まれて中に入れなかったから案山子と黎明同盟たちで憂さ晴らししたわ。え?シアン?無理でしょ。
「トラリンってば大暴れした後やけ食いしてたよね、またお腹ぽっこりしてたし」
「いや久々の出勤二日目で実質休暇的なことになってみろよ。ああなるわ」
「アブノマとの触れ合いを一番楽しんでおるの貴様だと思うぞ」
そんなことはない!俺はいつも緊張感を持って作業をしてるとも!何せアブノマ危険なのが多いからな!うん?三鳥?なんのことやら。
「それよりも新しいアブノマの方に行くぞ〜」
「やはり楽しんでおるだろ」
アビスが何か言ってるけど無視、ただちょっとやる気に満ち溢れてるだけだとも。
「なぁ、お前、俺をここから出してくれたら良い物をあげようじゃないか」
「いや、いらん、俺にはお前がくれる良い物よりも良い物を持ってるからな」
「つれないなぁ」
収容室に入った瞬間になんかコミカルな顔で格好をつけようとしてるのか眉をキリッとさせ口の端をニヤッと笑っている二足歩行の狼が取引を持ちかけてきた。正直言ってコミカルなせいで笑えてくるし格好もついてない。
「じゃああれだ、肉をくれよ肉を。腹が減っててさ、なんかいい感じの肉ねえか?」
「肉ならあるな、豚肉だが」
「それ丸々とした子豚じゃねえよな?」
「丸々太った大豚だぜ」
料理大会の時も思ったけどなんで豚が会社にあるんだよ。色々と規格外だろ。
「じゃあ食うわ」
ジト目で一瞬俺のことを見る狼だが子豚じゃないと知ると普通に食べ始めた。意外と上品に食べるなこいつ。
「お〜〜!!!!この狼が新規の子ですか!!!!」
「メイソン!俺たちが作業終わるまで待機って言ったよな!?」
「今日は我慢が出来ませんでした!!!!」
ジョシュアの時も思ったけど何か共鳴みたいなことになってるのか?専用装備持ちは。
「あ〜、なんだ?このお嬢ちゃんは」
「俺の隣にいる彼女の部下で俺の先輩」
「ほう、そりゃ難儀なもんだな、どうだ?俺をここから出すならお守りをしてやるぜ?」
「お前に任せるのは怖いから良いわ」
「つれないねぇ」
そんな会話を挟んでいるがこの狼の耳は大丈夫なのか?かなりの大声でメイソンは話してるけど。
「それで貴方はどういう狼なんですか!!!!」
「……見てわかるだろう?大きくてわる〜い狼さ」
「貴方は悪いのですか!!!!」
「そうとも、ほ〜うら今もこうやって徐々に徐々に出口に向かって歩みを進めようとしてる。良いのかい?扉の前にいなくて」
ジリジリと外に移動する“フリ”をする狼を見てメイソンは大慌てで収容室の外で扉の前で待機をする。
「あれさ、お前あのままメイソンごと俺らを喰うことできたよな?どういうこと?」
「うん?さぁ?なんとなくさ」
「なんとも悪い狼らしからぬ行動」
俺がちょっとだけ怪しんで狼を見ると狼は戯けた様子でこう言ってのける。
「純粋な少女を騙して追い出したじゃあないか?なんせ俺は“嘘つき”な大きくてわる〜い狼だからな?嘘のも誘導もお手のものってな?」
−−−狼はそうケラケラと笑ってその場に立っていた
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