私と我と俺のお仕事。   作:CoCoチキ

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九十三話 新月の器

 

 「バーン!バーン!バババババン!」

 「お前のそれどうなってんの!?」

 

 明らかに人外のような動きでボウガンを連射しまくるレリックを見て思わずツッコミを入れる。

 

 「そういうトラリンだって今も素手で芋虫と殴り合ってるじゃない!」

 「しょうがないだろ身体が言うことを聞かないんだから!」

 「先輩もトラベラーも戦闘に集中しろぉ!」

 

 あらら、怒られちゃった。これでも真面目に戦ってるつもりではある。なにせ芋虫に思ったよりも深く黄昏が刺さってるせいで抜けない。だから装備の硬さでゴリ押しして取り返すしかない。

 

 『ええい!人数が増えたからなんだ!囲め囲めー!』

 「愛と憎しみの下で我が敵を薙ぎ払え!アルカナスレイヴ!」

 

 アビスが極太ビームを撃ち通路全域に渡る大ダメージを叩き出した。黎明の殆どが動かなくなり、白昼もかなりの深手を負った。俺が相手にしてる芋虫も力尽きた。

 

 「お前いつ使えるようになったん?」

 「……何も言うな」

 

 心底嫌な顔をしてアビスが額を抑える。相当嫌なんだろうなあの格好。

 

 俺はと言うと力尽きた芋虫から黄昏を引っこ抜くのに苦戦中だ。一応抜けてきて入るけどやっぱり深く刺さってる分、中々抜けない。

 

 『なんということだ!我々の勝利が!』

 「そんなものヨウマがいる時点でできるわけなかろう」

 「「確かに」」

 

 え?ピエロはどうしたかって?もうジョシュアに殴り倒されたよ。

 

 「さぁ!さっさとトラリンから離れなさい!今すぐに!」

 『フハハハ!断る!こいつを人質に捕ってしまえば貴様らは動くことはできんだろう!』

 「せいや!」

 

 レリックは黎明の頭部をボウガンで殴り壊した。……うん?ボウガンで“殴り”壊した?

 

 「お前なんでボウガンで殴ってんだよ!?近接武器じゃないぞ!?」

 「大丈夫!弾切れになった銃で殴ったこともあるからやり方は知ってる!」

 「何が!?」

 

 俺が驚いている間にも次から次へと殴って撃ってを繰り返して既に俺以上の機械を壊していた。

 

 「あ、抜けた」

 

 ようやく抜けた黄昏を持ち上げると既に通路はレリックによって蹂躙されていた。たった一撃で黎明を破壊してるあたりかなり攻撃力が上がってる。しかもこれ攻撃速度も上がってるな。

 

 『馬鹿な!我らが緻密に練ってきた完璧な襲撃作戦が破れるだと!?』

 「いや最後の人質に関しては行き当たりばったりだったよね?」

 

 そんなやり取りをしている間に俺は黄昏を工場に突き刺して完全に破壊した。今回はジョシュアとレリックに救われたな。

 

 −−−今度二人にちょっと高級なモノを奢ろうと心に決めた

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