私と我と俺のお仕事。   作:CoCoチキ

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十一話 あなたのお好みの味を

 おはようございます!わたくしゼロこと改めましてレリック!心機一転で頑張りますわよ〜!オーッホッホッホッホ!

(こいつテンションどうした)

【妙にシリアスなことをしていた反動ではないか?】

(あー恥ずかしかったんだな)

 そこのお二人お黙りなさい!さぁ、仕事をしますわよ!

 

「ご機嫌よう!お嬢様!これは昨晩のお礼の品ですわ!」

「あぁ、おはよ……ご機嫌よう!?お嬢様!?」

「それではこれで失礼致しますわ!」

「お、おいちょっと待て!今日はどうした!?まさか今になって影響が」

 

 あのお店のお菓子を置いて挨拶も簡単に済ませてササっと移動する。ちゃんと名前を書いて渡しているので大丈夫であろうと確信して新しいアブノマがいる収容室に向かう。

 

「あ〜緊張した」

(緊張したらお嬢様に普通はならんだろ。てかお前は昨日倒れたんだから変われ)

「分かった!」

 

 さてと、昨日のことに関しては体力というより精神的なことが原因で倒れたんだし、精神体でいればまだマシだろ。

 

「…それはそれとしてなんだこの『O–09–j78』を使用するって」

 

 アルファベットが付いてる以外には既存のナンバーと同じなんだが、見たことがないな。これ、俺の知らないアブノーマリティとか出る?

(っえ、もしかしてトラリンの知識が当てにならない子が出てくるってこと!?)

 まぁ、実際は文字化けしてるだけで既存の…トラリン?

(可愛いでしょ?)

 

 俺の名前がトラリンになりそうな気がしてならないが。これに関してはもうどうにもならないと思うことにした。初対面の相手にちゃん付けするような奴だからな。

 

 収容室ないには俺が想像していたアブノーマリティとは別のツール型が置いてあった。なんだかサイズが妙にデカい、ソフトクリームマシンか?

 その機械には一つのスイッチとソフトクリームのカップが置いてあった。

 

「ん?えー『あなたがお望みの自分の味のフレーバーを』…自分の好みのフレーバーをとかじゃなくて、″自分″のフレーバー?嫌な予感がする」

 

 けど、指示が出てるしな。やるしかないか。

 

「スイッチを押して、お!出てきた出てきた。なんだ普通のソフトクリームマシンじゃねーか。心配して損した」

 

(ソフトクリームマシンか〜懐かしいね!子供の時はどこまで巻けるかなんて挑戦して怒られたっけか)

 そうだな、いま思えば俺とお前の付き合いはお前が子供の頃からだったな。

(最初は不審者が!って思ったけど、母さんや父さんには見えてなかったし、お母さんの言ってた悪い子を連れ去る悪魔か!って余計に怖かったよ)

 俺も突然お前の目の前に出てきては漠然と、あ、こいつは俺だ。てな感じでさ、驚いたのなんの、だって死んだ覚えとかないから余計にな。

【そんなことより、ソフトクリームが溶けるぞ】

 

「あ、さっさと食べるか……ん?冷たいけど。味がしない?」

 

 無味無臭、そんな言葉が頭に浮かんで味のしないソフトクリームを食べ終わった。腹が少し冷えただけで、特に異常もない。本当に謎なマシンだ。

 

「複数回の使用が特殊能力の発動条件か?時間経過で発生する能力?」

「悩んでるな、新人」

「おう?ヨウマ隊長か、どうして収容室へ?」

「この支部は職員が少ないからな、時々こうやって作業をしに来るんだ」

 

 そうか、ここには俺と未だ見ぬティファニーしか居ないんだったけか。兼任してる職員が多いってレリックから聞いたし、特に驚くことでもないな。

 

「隊長も気をつけてくださいよ。このソフトクリーム、味がしませんので」

「そうなのか?」

「はい、冷たいだけでした」

 

 自分の味のフレーバー(自分自身)とかになったりしないと良いんだけど。

(ちょっと歪みすぎじゃない?)

 アブノーマリティは外見で判断すると痛い目を見るのは散々経験した。

 

「ふむ?こうすれば良いのか、しかし、懐かしいな」

「隊長もこのマシンを知ってるんですか?」

「あぁ、私も昔はこのマシンでソフトクリームを食べていたな」

 

 もしかしたら、このマシンの特殊能力は懐かしさを覚えるとか?いや、だとしたら収容されるわけがない。

 

「む?味があるじゃないか」

「っえ、どんな味ですか!?」

「紅茶と、これは……レモン?」

 

 こ、紅茶とレモンのソフトクリーム?

(つまりレモンティーのフレーバーってこと?)

【そうであろうな】

 おかしいだろ!あれか?最初の使用者は味が分からないってヤツなのか?

 

 それからは、隊長と交互にソフトクリームマシンを使用するも、俺は味が分からなかった。どうやら本当にこれが特殊能力だったみたいだ。

 ヨウマ隊長は美味しいと言って食べてはいるがお腹を壊さないだろうか?

 

「なんだか、警戒して損した気分だ」

『ゼロ、コントロールルームに戻ってこい、このアブノーマリティなら情報を開示してもいい』

 

 マジか、そんなにこいつの重要視は低いってことか。でも、これからが本番だな。いまのところは運が良いだけで危険ヤツはもっといるからな。あ、でも一般人ならどうとでもなるな。

 

 コントロールルームに着いたら、なんとも言えない表情で俺のことを見てるアン先輩とマル先輩が立っていた。

 

「どうしました…か」

 

 無言で渡された紙にはアブノーマリティの情報と使用方法が書かれていた。

 アブノーマリティの能力は

 

「さ、最初の使用者の、ふ、ふふ、フレーバーにする?つ、つまり、俺の、味?」

 

 ここで最初に見たあの文字を思い出す。

『あなたがお望みの自分の味のフレーバーを』

 

 ……つまり、あのこ、言葉は

 

「文字通りってこと?」

「その、なんだ。警備チームの奴には黙っておいてやる」

「…うわ〜ゼロさん、可哀想なくらい顔が真っ赤です」

 

 こ、こんなことなら、レリックに任せておけば良かった。

 

 ーーーこれだからアブノーマリティは油断ならないんだ!

 

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