あれからどのくらいの時間が経ったのか分からないが、気がついたら俺は医務室のベッドの端っこで蹲っていた。
その中で一番最初に目に入ったのは心配そうな表情で俺のことを見るレリックだった。
「トラリン?私が分かる?」
「……あぁ、分かる。というか顔が近い」
「よかっったぁ〜〜トラリンは今にも死にそうな顔で震えてるから本当に心配したよ〜」
レリックがそう抱きついてくる。いつもなら引き剥がしたりするけど。今はこの体温を感じていたかった。
「…悪い、パニクってた」
「トラベラーよ。貴様があれほど取り乱すことは今の今までなかった。話してくれ。“アレ”はなんだ?」
「あれは「あれは『触れてはならない』という大量虐殺兵器だ」
俺のいるベットのカーテンを捲ってアン先輩が声を遮る。その後ろでは上層のリーダーたちが立っていた。その顔はみんな険しい。
「あれはXX社のオールアラウンドヘルパー同様、何者かが意図して作ったモノ、あれは人が触りたくなるように仕向け、押した者とその周囲にいる者に甚大な被害を出す代物だ。トラベラーがなぜそれを知ってたのかは知らんが。そのお陰で迅速な対処が出来た。感謝する」
アン先輩が俺にそう言うが。俺は怖くてその場から動けなかった。あのまま隊長が意図に気付いてくれなかったりとか、二人が押してたらと思うと。
「酷い顔色です。安心してください!あれは完全に隔離したのでうっかりボタンを押すということはないので!」
「あ〜精神的なもんに関しては俺は専門外だし、ホドに任せる」
「私もメンタルケアは出来ませんね」
そんな酷い顔をしてるのか?いや、してるんだろうな。隔離したと言われても。あの想像が頭から離れない。
「大丈夫、落ち着いて、ゆっくりと息を吸って、そして吐いて」
言われた通りに深呼吸をすると、抱きついているレリックの心音が聴こえてくる。それを聴いてると、段々と震えが治っていく。
「ふぅ」
「落ち着いた?」
「少しだけ」
どうにか落ち着くことが出来たけど、まだ不安を消すことは出来なかった。俺ってこんなに弱かったかな?既存のやつなら全部対処することが出来る自信はあったけど。いざ本物を前にするとこうなるなんて。
「それでだ。本来ならあれは本部の方で管理されているアブノーマリティのはずだったんだ」
「…それはどういう?」
「そのままの意味だ。ここよりも警備が厳重で職員共も優秀な奴らが揃っている。にも関わらずこの支部にやってきた。一体何を考えている!」
アン先輩は怒りが隠せないのか、いつも閉じている目を開いている。
「奴等め、まさかここ最近の業績の伸びが良いからと嫌がらせ目的で送ったわけではあるまいな?」
「さ、流石にあの方たちが許すはずないと思いますが」
「どこの世にも独断で物事を進める馬鹿がいる。その一部の馬鹿が輸送するアブノーマリティをすり替えたのだろうさ。現に今日来る筈だったやつの番号と全く違うからな」
忘れてたけど、ここって支部だったっけか。すっかり忘れてた。
「今回の件は私から本部に抗議させてもらう。後は任せて今日はもう休め」
そう言ってアン先輩たちが出ていった。ホドだけは俺のことを心配してここに残っている。
俺はと言うと、あのボタンのせいで精神的に疲労が酷く。ベッドに横になった瞬間に眠気が襲ってきた。
−−−今日見る夢が、悪夢でないことを祈る
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