私と我と俺のお仕事。   作:CoCoチキ

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百二十五話 何度でも言って差し上げます

 

 【 オノリオ視点 】

 

 『アァ?……ア?』

 

 メイソンが管理人に飛びかかり抱きしめた途端に、管理人が生み出していた影の動きが目に見えて鈍くなった。

 

 「まだ管理人は完全に暴走してはいない?ならば言葉が届くはず」

 

 俺は今の管理人がアブノーマリティと同じになっていることがすぐに分かった。何故なら白夜様の使徒になった俺と性質がそっくりになっていたから分かったことだ。

 

 「管理人!聞こえますか!」

 『アァ…アァ!!ヤメテ!オレヲユルサナイデ!オネガイダカラ!』

 

 管理人の活動がまた激しくなり、影が活性化する。管理人の元に行こうとする私の前に、同じ失楽園の影は立ち塞がる。

 

 「邪魔をしないでください!」

 

 同じ失楽園だから白夜様が収容されている以上、耐性は私と同じ、長期戦になる。

 

 「ですが!私も昔のままではないのです!」

 

 足を引っ掛け影を倒す。そして倒れた影に失楽園を差し込み、力を流し込む。赤い花が咲き乱れ影が消滅する。

 

 「いくら耐性は高くとも、装備を着ていない内側は脆いでしょう」

 『オノリオガシンダ……アァ……ソンナ』

 

 管理人にはこの影たちが俺たち職員に見えているんだろう、その証拠に影が一人消える度に苦しみ、その場で暴れている。管理人はいまもあそこで夢を見てるはず。

 

 「管理人!俺はここです!覚えているでしょう!俺が貴女の前に出てきた時に言った言葉を!」

 『ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ』

 「俺は貴女を恨んでいません!感謝しているのです!」

 

 貴女がいなければ俺はあの会社に最後に立ち会うことは出来なかった。白夜様に連れられて世界を旅して、長い時を経てようやく貴女に出会うことが出来た。それなのに、また別れをしてしまうなんて考えられない。

 

 「もしも貴女が自分を許せないと言うのなら何度でも貴女が悪くないと言って差し上げます!」

 

 貴女に罪があると言うのならきっとその罪は俺にもある。俺には貴女に与えられた力があった。俺がちゃんと使いこなせていれば犠牲はなかった。

 

 「だから、貴女だけが罪を感じる必要はないんです!背負わせてください!貴女の苦しみを!」

 

 貴方は世界の向こう側で、頑張っていました。これ以上貴女に何かを頑張れと言うのは酷でしょう。

 

 「ですが、もう少し、もう少しだけ頑張ってください!必ず貴女を俺たちが引っ張り上げます!」

 『イマサラナニヲシテモユルサレハシナイ』

 

 虚な目でただ呟く管理人、メイソンが抱きついていても身じろぎの一つすらしないということはあの人は直接的な攻撃ができないはず。

 

 −−−それならやりようはいくらでもある。待っていてください

 

 

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