【 ヨウマ視点 】
「こちら警戒チーム、現地へ到着、対象を目視した。任務を開始する」
『了解、良いか?私たちの目的はあくまで救助であって鎮圧ではないからな』
「理解している。ロキ、ガブリエラ、対象を取り巻くねずみに対して集中砲火をするぞ。E.G.O持ちに対して単騎で挑むな」
「「了解」」
「私は私の方で好きにさせてもらう!」
ゲブラーが『ミミック』ねずみを切断していく。耐性すらも無視するその力は未だに『赤い霧』が健在だという証明になっていた。
「うひゃ〜これ俺たち要らないじゃないっすか?瞬く間に敵が消えていくっすよ」
「ロキ、僕たちはいま様々なランクの敵対存在に囲まれていることを思い出してから言ってくれるか?」
「あながちロキに言うことにも一理ある、本当なら俺たち警戒チームが動かない状況が理想なんだ」
トラブルは起きない越したことはないからな。それが仲間に関するトラブルなら尚更だ。最悪な状況も想定しなくてはならないが。
「けどトラベラーさんが暴走ってのは想像つきませんでしたっすね〜ゼロさんやアビスさんのお三方が入ってきてから全くと言って良いほど死亡者が出なかったんで」
「……そうだな、本部にいた頃はどれほどの職員を“退職”させてきたことか」
毎日のように死んでいく職員たち、そしてそれを気にもしない上層部、いや、敢えて気にしないようにしているんだろう、そうでなければ常人はあそこで生き残れはしない。
「…もしも、あいつらがいれば本部でもこんな日常があったのかもしれないな」
「過去を気にしたところで仕方がありません…今をより良い未来へと変えるために僕たちはいる、師匠がそう教えてくれたんですよ」
「そうだな…たらればの話は……ここ最近あの鏡が存在するから無駄とは言えなくなったが。今は関係のない話だ」
今更最悪の事態に備える必要はない。そんなことは不要だと、新人に散々見せつけられてきたのだからな。
ロキがシールドで怯ませ後ろから攻撃をしようとするねずみにはガブリエラが牽制、俺は隙を与えぬように攻め込む。
「しかし、妙ですね?僕たちの支部では持っていないE.G.Oも装備されていませんか?」
「だがその使い方は素人同然だ、油断をしなければ問題ない」
確かに妙な話ではあるが、気にするほどのことでもない、今のトラベラーはアブノーマリティと同じ状態になってるらしいからな、俺たちの予想しないような能力を保有していてもおかしくはない。
「どわっち!?ハンマーと俺は相性悪いっすよ!」
「相性だのなんだので手こずってる間はまだまだ半人前だなロキ」
「そんなぁ〜」
トラベラーお前にはまだ教えきれてないことがある。よって
−−−お前の任務は、生きて無事に帰ってくることだ
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