私と我と俺のお仕事。   作:CoCoチキ

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百三十話 黒い殺戮、終末の黄昏

 

 甲高い音を立てて俺とシアンの武器がぶつかり合う。

 

 「ふん、最初からそうすれば良いんだ」

 「…穿て、嘴」

 

 俺の爪が伸びて赤く変貌し膨れ上がる。爪はシアンの腕を捉えて咥え込む。

 

 「…なるほど、それがE.G.Oの本来の力か」

 

 そのまま腕を食い千切ろうとするとシアンが爪を折り抜け出す。

 

 「大人しく喰われろ!」

 「そうだ。戦場で甘えは捨てろ、情けを掛ければ殺されるのは自分だ」

 

 ワープを使って黄昏でシアンの足を斬りつける。まるで鉄のような感触が返ってきて浅い切り傷を付けるだけで終わった。

 

 「黙れ!」

 

 背中の羽が黒い腕に変わってシアンを叩き潰す。その時にクレーターがさらに広がり、俺とシアンのいる床が壊れて下層に落ちる。

 

 「え!?トラリン!?」

 

 落ちて来たところにレリックがいて即座にワープで別の部門に飛ばす。

 

 「なんだ?もう一人いても俺は構わないが」

 「本気で言ってる?ご冗談を、お前みたいな危険人物と一緒に居させるわけないだろ?」

 

 確かにレリックは強い、けど特色と戦って勝てるかと聞かれるとノーだ。他の特色がどうかは知らんけど、赤い霧、旅人事務所、ここの面子は確実に白夜以上の化け物だ。

 

 「告発する」

 

 俺の首に傾いた天秤が掛けられる。

 

 −−−チーン!

 

 天秤が鳴り響き、シアンに死の概念を叩き込む。

 

 それに対して不愉快気に手を振り払い、お互いに向き合う。

 

 「覚悟は出来てんだろうな?自分の言うのも難だがこうなったら俺でも止めらんないからな」

 

 目の前の敵を排除するまで止まることがない、あのバッジを着けた時の感覚がある。ただ前と違うのは身体は自由に動くし頭も冷静だってことだ。つまり、俺は俺の意思でこいつを排除しないといけないと思ってしまったと言うこと。

 

 「まだまだ荒削りだが、及第点だな」

 「余裕綽々だってか?腹が立つな」

 

 実力差があるのは分かってる。けどせめてその余裕な面を崩してやる!

 

 黄昏を投げつけて飛び込む。

 

 「…!」

 「潰れろ!」

 

 黄昏を弾いたその腕を抱え込んで黒い手で頭から地面に叩き込む。そのまま顎を蹴飛ばし、ラブで追撃をする。

 

 「お前は頭を攻撃するのが好きなようだな」

 「人間の弱点だからな、そりゃあ狙うでしょ」

 

 シアンはその猛獣の笑みを隠そうともしない、俺の攻撃もまるで効いた様子も見せないが、手応えは確実にある。

 

 「あ〜確か、あんたこうやってたっけ?」

 

 力押しで大剣を封じ、殴り飛ばす。

 

 「真似をするだけじゃ俺の首は獲れないぞ」

 「一々煽らないと気が済まないのか?」

 

 ワープと嘴を使って何度も移動を繰り返して浅い傷を作り出す。そして隙が出来たところで黄昏を振り下ろすと、その腕を掴まれた。

 

 「…断然に手応えは変わったが、態と作り出した隙に騙されるようじゃまだ甘い」

 「うぐ!」

 

 地面に叩きつけられて大剣を振り下ろされる寸前。

 

 「シアン!!迷惑を掛けないように言ったばかりでしょう!」

 「流石にそれ以上はダメだよ〜」

 「良い加減トラベラーから退け!この雑種が!」

 「トラリンから離れろ!!」

 

 フィーネが盾を、夢幻とアビスが杖を、レリックがボウガンでシアンを同時に殴りつける。

 

 「……いてぇ」

 

 −−−良いところで邪魔されたという不満気な顔のシアンが呟き、彼の八つ当たりと俺の怒りはなんとも言えない終わりを迎えた

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