百三十五話 静寂なる音楽会
ようやく中央本部と設計チームが直ったので会社に行く、そしてこりゃまたタイミングが良く本部のごたつきが落ち着いて新規のアブノマを受け入れられるようになった。さて!今度はどんなアブノマだ?
「おい」
「ん?」
「キミたちがアベルの言ってた子たちだな?」
ん?あぁ、日にち的には今は48日か。
「私はアブラム、設計チームのもう一人の統括で、主にセキュリティシステムなどの設計を任されている。よろしく」
「俺はトラベラー、新規受け入れチームのリーダーだ。こちらこそよろしく」
アブラムと握手をした後にアブラムは最後の一人は悪いやつではないけど独特だから大目に見てくれと言われた。まぁ、あれは独特だよな。
収容室に向かっていると何やらパチパチパチパチと拍手の音が聞こえてくる。
「トラリン、拍手だよねこれ」
「拍手だな」
なんで?とは思ったけど、収容室から複数の受け入れ班のクロエがメンバーと思わしき人たちと出てきた。
「あ!新人ちゃん!」
「えっと、クロエ?なんか拍手が聞こえてきたけど」
「うっふふ〜新人ちゃんもようやく名前で呼んでくれたね〜」
まぁ、慣れだな、え?じゃあなんでジョシュアは先輩なのかって?その方が面白いから。
「それとね、拍手の理由なんだけど今回輸送した子が労ってくれて音楽を演奏してくれたんだよ!」
「へ〜音楽」
演奏ってことはピアノだったりする?それなら安心なんだけど。
「はい!今度は友達も連れてきてって言われてチケット貰ったよ!」
うん?『静かなオーケストラ』…………うっそでしょ、あれ聴いて平気なの?メンタル鋼かな?じゃなくて、遂に来たか。
「あ〜〜良いですネ。音楽」
「どしたの?」
「イエ…ナンデモナイデス」
((これ、やばいアブノマが来たね/な))
この時、レリックとアビスはトラベラーの心情を察した。
「じゃあね〜!新人ちゃんも音楽聴いて癒されて来てね〜!」
無理がある。
そう思いながら収容室に入ると案の定、あいつがいた。
「名前そのまんまなんだよな〜」
「白い燕尾服を着た、奏者のマネキン?」
「ふむ」
これ多分、受け入れする時に良判定出たよな?なんかボックスが少し溜まってるんだわ。
「……貴女」
「…え?俺?」
オーケストラが声を出したかと思うと、どこからともなくマネキンの手を出して俺を指差す。
「そうです…そこの貴女!!!」
「うひゃい!!」
「鳥の囀りのような美しい声!どうですか!コーラスをやってみるというのは!」
急になんだ!?
「そうと決まりましたらこうしてはいられません!すぐに公演の準備を進めなくては!!」
「え?えーーー!?」
「と、トラリーン!カムバーーック!」
俺は腕を引っ張られてメインルームに立たされた。
「それでは私が指揮棒をこう振った後にこの音を出してください。ル〜♪ではリハーサル、さん、はい!」
「る、ル〜♪」
「素晴らしい!!本番のこのようにお願いしますね!」
いや、いやいやいや!?避難指示とかしてないのにやったらダメでしょ!?
「あ、見て!新人ちゃんが新しい子と何かやってる!」
「…何をやってるんだ?」
「あ、看板があるっす、なになに?『静かなるオーケストラ特別公演会』」
何を呑気にしてんだ!?
「良いですよ〜観客は集まってきました!」
良くない良くない!
視界の端でレリックとアビスがサムズアップをしていた。いや良しじゃねえんだよだから。
「それでは、第一公演!」
幕が上がって自然と視線がオーケストラの青く光る指揮棒を追っていく。それが振り下ろされた瞬間、俺は自然に声を出していた。
「ル〜〜♪」
マズイとは思ったものの止められずにいたけど、頭が痛くなるようなぼんやりするような感覚がなく、ダメージが出てないことが分かった。
え?どういうこと?
「第二楽章」
「ラ〜〜♪」
勝手に出す声が変わった?まさかエキストラに組み込まれたら公演中はオーケストラの指揮に従うのか?
「第三楽章」
「ミ〜〜♪」
白い服のエキストラに俺が混ざるとすっごい目立つ。マル先輩、カメラを構えないでくれ。
「第四楽章」
「ア〜〜♪」
エキストラの演奏と俺の歌声が何故か上手い具合に噛み合って、演奏以外の音が聴こえない。
「最終楽章」
「〜〜〜♪♪!」
フィナーレが響き渡り、拍手喝采が俺たちに向けられる。
−−−公演を近くで聴いていた人たちの頭は弾け飛んでいなかった
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