私と我と俺のお仕事。   作:CoCoチキ

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百三十七話 黒い森の偽りの怪物

 

 「あぁ…あぁ!」

 

 アラームが響き渡る。

 

 『T-05-j01が脱走した!こいつは今までのアブノーマリティとは何かが違うぞ!オフィサーと新人職員は会社の外へ避難!残っている者どもは全力で鎮圧をしろ!』

 

 私たちは唖然とそれを聞いていた。

 

 あの子が死んでしまったことが。未だに信じられない。あの時、あの子は森から居なくなってしまったから、きっとどこかで平和に過ごしていると信じていた。

 

 「あの子が、一体何をしたっていうの?なんの罪もない子供が、幸せを知らないまま死んでしまうなんて不幸な目に遭わないといけいけないの?」

 「…トラベラー、気持ちは分かる。だが、我々がいまやることは、あのアブノーマリティを止めることだ。違うか?」

 

 アビスが冷静に私たちに言う。

 

 「そうだね。ごめん、取り乱してた、今はあの子を迎えに行かないと」

 『終末鳥が脱走したが、もう一体のT-05-j01を鎮圧しに向かった!火力の低い者は終末鳥の援護、それ以外はもう一体の鎮圧に向かえ!』

 

 そうだよね。私たちがただジッとしてる筈ないよね。そっちは任せるよ。

 

 「アセラはジョイとジェミニ、そしてアンソニーとリンを連れて終末鳥の援護に向かって、出来る?」

 「ッハ、俺を誰だと思ってる?どんな状況でも戦える実戦は積んできた、任せろ」

 

 アセラたちと別れた後、すぐに真っ直ぐと歩いているあの子を見つけた。

 

 「なんだ、?あれは……笑顔の子供?」

 「どうやらやつは同室にいる者に対して白の属性のダメージを与えるらしいな」

 「アビスンのそれって大分と便利よね」

 

 オフィサーがユラユラとあの子方に向かっていく。もしかして、魅了されてる?

 

 「メイソン!あのオフィサーを遠ざけて!」

 「分かりました!!!!」

 

 あの子の特殊能力は今のところ二つほど分かった。一つは同室の人に対してWHITEダメージを与える、もう一つは多分、魅了、どうして魅了するのか分からないけど、即死か、眷属にするか。どっちなんだろう。

 

 「とにかく、みんなであの子の体力を削り切ろう!」

 

 あの子自身は攻撃をしてこないから、ただただ一方的に攻撃する状況だけど、時々避難させたはずのオフィサーや、ジョシュアたちが魅了されるから正気に戻している間に進んでいく。

 

 それでも確実に体力を削り、トドメを刺すと絵の具が水に流されるように消えた。

 

 「ふむ、特に注意すべきところはないように見えたが。支配人は何を恐れているのだ?」

 「う〜ん?もう片方が気になるんだけどね。能力がこれだけなら問題ないって私も思う」

 

 何かおかしい、違和感がある。戦ってみた時の体感でALEPHクラスの強さはあった筈、それなのにこんなあっさりと終わるものなの?

 

 「…なんでしょうね、この光景を見ると陰と陽を思い出します」

 

 オノリオが苦々しい表情である一点を見ている。その方向を見てみるとそこにはまた身体が再構築されたあの子がいた。

 

 −−−変わらぬ笑みを携えて、また歩き出す

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