【なぁ、本当にどうした?こやつの言葉を聞いてからずっと黙ったままだぞ?】
こいつは、あいつが話しかけなかったらこうなってたかもしれない俺だ。
【あいつ?あいつとは誰のことだ?】
俺はその子供の隣に座って頭を抱き寄せた。
「…お姉ちゃん?」
(きゃートラリンってな大胆!)
【貴様は黙っとれ!】
俺はあいつじゃないし、あいつにようにはなれないけど。それでも俺なりにやってみようと思う。
「え〜と、あれだ。俺じゃ頼りないかもしれんけど、こうやって慰めることは出来る。だから、その、泣くなよ」
やっぱこういうのは苦手だな。けど流石に放置できないし、どうしたもんか。
悩んでいると、少しだけ体重が掛かってきた。
「…暖かいね」
「…なら、良かった」
無線からはまだ音がしないから、まだ向こうでゴタゴタしているのだろう。そうじゃなかったらイェソドに怒られるところだった。
「ほんと」
良かった。
俺は服越しに伝わる確かな温もりに感謝した。
ーーーーー
「だからって、なぜ連れてきたのですか!」
「あ〜懐かれた?」
流石にちょっと感情的になり過ぎたと思い、作業終わりをいい事にさっさと収容室を出ようとすると、スーツを掴んで離さなかったら仕方なく連れてきた。
「いや〜なんでだろね?」
「それは私のセリフですよ!」
「ゼロさんナイスです!」
ん〜見事に真逆な感情を向けられてるよ、どうすればいい?
(笑えばいいと思う!)
【火に油を注いでどうする】
そもそもマル先輩はなんで情報チームへ?
「お姉ちゃん?」
「あ、気にすんな、ちょっと仕事のことでゴタゴタしてるだけだから」
流石に不安に思ったのか眉を曲げて俺を見る。
こうして改めて見ると、本当にただの子供にしか見えんよなぁ。
(でも何かしらの能力はあるはずでしょ?)
それが分かんないから困ってるんだよ。
「落ち着けイェソド、お前らしくないぞ?」
「アンジェラ様!しかし…これは」
アン先輩もおったんかい!まさかこの人もマル先輩と同じ理由でこっちに来たんじゃないだろうな?
「お前の言いたいことも十分理解できる。しかし逆に考えてみろ。いまこいつから引き離せば、このアブノーマリティは我が社に多大な損害を出すだろう」
「……そうですね。少し冷静ではありませんでした」
アン先輩の言葉のおかげでイェソドが落ち着いたようだった。
「…ですが、どうします?流石に情報のないアブノーマリティを自由にさせてるのは」
「そこは、考えてある」
俺以外に懐いてくれる人を作るとか?実際なんであれで懐かれたのか分からん。ちょっと肩を貸してただけだし。
「そういうわけだ。ゼロ、分かるな?」
「…はい?」
なんにも分からないんですが。いや、なにその分かるな?って、これで分からないって言ったら羽交い締めくらいよな?
「アンジェラ様、我々にも分かるように説明してください」
「む?それもそうか、ゼロにはこのアブノーマリティを家に連れ帰り世話をすることを命ずる」
そう来たか。
「アン先輩、そんなのイェソドさんが許すはずが」
「なるほど、確かに合理的だ」
あっるぇ〜?許可出しちゃうんすかイェソドさん?
「…なんです?その顔は」
「いえ、てっきりダメだというかと」
イェソドは少し目を細めてこう言った。
「私も昔だったらそう言ってたでしょうね」
どうやらイェソドの考え方を変える何かがあったのかもしれないな。
(それより、どうするのこの子)
【我らがいるのを忘れてはおらんだろうな?】
どうしような?
いや本当に困ったことになったぞ。俺だってレリックの身体を借りてるだけなんだよな。
「僕…お姉ちゃんと暮らすの?」
「あぁ〜そうなるな」
「そっか!嬉しいな!」
((【″ンン″!!】))
(やっばいなにこの天使、笑顔がちょー可愛いんだけど!)
今のは不覚にもグッときた。
【これが…萌えか!】
俺は生まれて初めて可愛いさで悶えた。
「どうやらゼロも依存はないようだな。頼んだぞ」
「分かりました。この子は責任を持ってお世話します」
俺は力強くアン先輩に返事をする。
こうなりゃ乗り掛かった船だ。最後まで面倒を見てやる!
ーーーこうして、また俺らの家族が増えることになった。
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