私と我と俺のお仕事。   作:CoCoチキ

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二十話 ワレワレハウチュウジン

「ふむ、つまり貴様は態々、″知識″とやらを教えるためにここに来たと?」

『ソノ…トオリ』

「しかしこの我ですら貴様の言語を片言でしか聞き取れん。今の人類が理解できるとは思えんぞ」

 

 ーーー今回はアビスに作業を任せている。何故なら今日来たのはアビスが待ち望んでいたアブノーマリティだからである。こいつの宇宙の知識とやらが気になるらしい。

 

『…ウタ』

「ほう?面白い考えだな。歌を使い知識を身につけさせる。しかしそれでは人間の脳では莫大な知識を受け止めきれず死ぬぞ」

『…ソウ…チョクセツ』

「ならば直接知識を植え付けるか。しかし加減を誤ればこれもまた死ぬだろう。だがそれなら人類が記憶を受け止めることが出来るほどまで進化するのを待てばよかろう」

 

 ーーー俺にはこいつがなんて言ってるのかさっぱり分からん。なんでアビスのやつは普通に会話してるんだ。レリックのやつは寝てるし。

 

「ほう!そのようなことが…それならば我が見てきたことの中にこのようなことがあってな」

【…キョウミ…オモシロイ】

「であろう?」

 

 ーーーこれが次元の違いというやつか。

 

「ではこのようにすれば」

『……ナラ』

「そうなれば、この方法も」

 

 ーーーあ〜しっかしよく飽きないなこいつら、アビスが菓子以外でこんなに生き生きとしてるのは初めて見るかもな。

 

「おいトラベラーちょっとこっちに来るが良い」

(ん?なんだよ、俺じゃあ次元が違いすぎて話しについていけないぞ)

「これを食え」

(オゴ!?)

 

 ーーー精神体のはずの俺にアビスは何か黒い塊を口の中に入れてきた。

 

(ゲホゲホ!なんだよ今のは!)

「なに、ちょっとした手助けだ。貴様には我らほどの力はない故にな」

 

 ーーーなんか今の発言だと俺に力の一部を食わせたみたいに聞こえるんだけど?

 

「そう怪訝そうな顔をするな、今は分からずとも後々役に立つ。だから貰っておけ」

(レリックに影響はないんだろうな?)

「ないぞ、貴様の魂に直接吸収させたからな」

 

 ーーーそれはそれでなんか不安なんだけど。これさ、幽霊じゃない何かに俺はなったってことだよな?

 

「さて『宇宙の欠片』よ今日は有意義な時間だった。また話をしようではないか」

『イブンカ……コウリュウ』

 

 ーーーなんか同じ身体で同じ顔なのにほんと印象変わるなとつくづく思う。

 

「クハ♪やはり見物するよりもずっと良いものだな」

(そうか?見て楽しむことだって出来るだろ)

 

 ーーーてかレリックのやつはいつまで寝てるつもりだよ!

 

「お姉ちゃん、お仕事終わった?」

「む?とりあえずはだな。休憩の時間の間は思う存分にこやつに甘えると良かろう」

 

 ーーーそういうとアビスは俺の身体を引っ張って主導権を強制的に明け渡す。

 

「っと、それじゃ、食堂でなんか食べに行くか!」

「うん!僕ね!おっとり煮が食べたい!」

「あ〜あれか」

 

 なんか時々だけど本物がいるみたいに錯覚するから食べずらいんだよな。

 

「じゃ、俺は祭典のスープにするか」

 

 あれを前にするとどうも我慢が出来ないんだよな。美味すぎて。

 

 ーーー俺はテンテンと一緒に楽しい食事をした。

 

 

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