「ふぁ、流石に昨日は疲れたな。まだ眠い」
【あの装置は精神に負荷を掛けるからな無理もあるまい】
影響を受けたと言っても俺にはそんな自覚がなかったため、ただいつもより疲労したぐらいにしか思えなかった。
「あ〜でもそれもアブノーマリティの特徴か」
自覚がなくとも影響を受けるのが幾つかあったよな。行動矯正もその類だったってことか。
「ゼロ、丁度良かったです」
「イェソドさん?どうしたんです?」
今日は週一の受け入れ無しの日だから既存のアブノーマリティを世話するだけで良い気がするけど。ちなみに今もつみぜんと妖精は俺の担当です。
「いえ、アンジェラ様から話を聞いていたのですが、どちらの部門に移異動する予定なのかと思いまして」
「え?」
イェソドが一体なんの話をしとているのかいまいち理解出来なかったが、少し考えてみて思い当たることが一つあった。
「また部門異動なんですかね?俺…」
「はい、なので明確にしておく為にもどちらの部門にと聞いているのです」
安全チームか教育チームかってところか、俺としては別にどっちでも良いだけど…ふ〜む。
「俺としては付き合いが良さそうな職員だったら誰だって歓迎するぜ」
「……ネツァク、持ち場はどうしたのですか」
「どうせ俺のとこは明日になるまですることないんだ。ちょっとくらい良いだろ」
イェソドはネツァクと呼ばれた男性のことを鋭い目で見ていた。
彼がこういう目をする時は大概は規律違反かだらじない格好ををしている人に対してだけだ。
「また貴方はそうやって、もう少し部門を預かる者としての自覚を…」
彼はネツァクからビール缶を取り上げると説教をし始め、それをネツァクは「うへ〜」という雰囲気の顔で聞いている。
「す、少し落ち着いて?イェソド。ネツァクはアンジェラさんに言われて私と顔合わせしに来たの」
「ホド…そうだとしても聞いても勤務中に飲酒するのはいけないことだと注意しなければなりません」
今度はホドと呼ばれる女性がネツァクを庇うが普通に正論で黙らせた。
これで上層の人には全員会ったな。
(ホドちゃん可愛い!ネツァクは美人って感じがする!)
何でマル先輩は先輩でホドはちゃんなんだよ。
(小動物みたいな雰囲気があるのよ。そういうキミだって呼び捨てじゃない)
呼び方に関してはお前の先輩呼びがうつっただけでゲームしてた時からこうだっての、一部を除いてだけど。
「あ、急にごめんね?ネツァクも普段はこうじゃないんだけど。どんな子が来るのかソワソワしてたみたいなの」
ホドが俺に気付いてそう声を掛けてくるが、本家を知ってるぶんそうは思えないというのが正直な感想である。
「いえ、俺は特に気にしてないですよ。俺だってここ入社する時そうでしたし」
「そうなの?アンジェラさんからはとっても変な子だって聞いたけど」
しはいにーん、もしかして会社中にそう言いふらしてます〜?
「二人は、いま説明出来なさそうだし、私が説明するね!」
「あ、お願いします」
本当は俺のことをどう聞いていたのかもっと掘り下げたいところだけど聞いたらのなんか後悔する気がしたのでやめた。
「えっと、私が担当してるところは新人育成が主な仕事になってる場所なの」
「あれ?俺はヨウマ隊長に訓練場で特訓してもらってますけど」
それだったら俺がここに入った時にでも顔合わせはしそうなんだけどな。
「じ、実はここの支部は本当に最近建てられたばかりで人で不足で、ヨウマにも新人育成をお願いしたのよ」
そうだったのかと納得しているとホドは続けて説明をする。
「それで、ネツァクが担当してる部門は職員たちの安全のための会議室になってるの、そこで作戦を考えたり、簡易的な医療室になってたりとか」
あそこ、あんな如何にもな見た目してて会議室なの?
「えっと、いまのところ言えるのはそれくらいかな?何か困ったことがあったら私にいつでも言ってね!」
(はいはい!私はホドちゃんのところに行きたい!)
【我はネツァクとやらのとこが良いと思うぞ】
う〜わ見事にバラッバラだな。
レリックの理由はわかる。だけどアビスが安全チームを選ぶのはなんでだ?ああいうところにこそ何かしらのアブノーマリティ対策をしてるものがあると思うんだけど。
【あそこにはアブノーマリティから抽出されたエネルギー…″エンケファリン″が置いてある】
おっと?流石にそれは許可できないぞ、あれは危険なモノだってのはよ〜く教えたはずだよな?
俺はアビスが言おうとしてることを察して、思わず視線が厳しくなる。それだけエンケファリンは危険性の高いモノだからだ。
【しかし、アレを使えば早々に我らは器を手に入れることが出来るのだぞ?】
(確かに危なそうだけど、二人が出れるなら良いんじゃじゃないの?)
「んなもんダメに決まってんだろうが!」
思わず大きな声が出てしまいイェソドたちの視線が俺に集まった。
「どうかしたのですか?」
「あ、いや、何でもない、急に声を出して悪かった」
俺は自分でも敬語が抜けているのに気付かないくらいには動転していた。
二人との会話に夢中になりすぎて他に人がいることをすっかり忘れていた。
(そ、そんなに怒らなくてもいいじゃん)
【貴様の何がアレをそこまで拒絶させるのだ?】
俺の後ろで狼狽えている二人のことを睨みつけた俺はこう言った。
その話は他に人がいない時にする。今はもう黙ってろ。
【う、うむ】
(わ、分かった)
「そこに誰かいるのですか?」
「…いえ、気の所為だったようです」
本当ならもっと詰め寄られてたと思うけどそこまで気にしてなくて本当に良かったわ。これもアン先輩のお陰か?
「……やっぱこいつは俺のとこで預かるわ」
「あ、でもネツァク、カウンセリングだったら私の方でも」
「わりぃなホド、一応の医務室があるこっちの方が緊急時の対応もしやすいんだ」
またなんか俺の知らないところで話が進んでるだけど。え、なに?ネツァクはスルーしてくれない感じかこれ。
「ま、そんなわけで明日からよろしくな」
「…よろしくお願いします」
少しだけ真面目っぽいなこのネツァクは。
ーーー俺はこれからどうやって誤魔化していこうかと頭を悩ませた。
どんなif世界線を出して欲しいですか?
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