百八十六話 心が欲しけりゃくれてやる!
「…あの、今なんて?」
「だから、支部をこっちに持ってくることにした」
「…アン先輩、今の今まで前振りとか全然無いなって思ってたけど今日は本当に前振りが無さすぎて意味が分からないよ」
うちの支部ってアブノマだっけ?
「実は元本部にいた者たちと本部職員で会議をしてな。そこで現状の情報と様々な問題点を考慮した結果、支部をこっちに移して戦力を集中させた方が良いと言う結論に至った」
なるほど?つまりアブノマも職員も分散させるのは危険だから集まって非常事態に備えるってことね?
「それと一番の問題はやはり『触れてはならない』だなそれの解決策としては上に支部を、そして地下にある本部の奥底にこいつを隔離する事が決定した」
「っひ!」
アン先輩は厳重にケースに入れられたボタンを取り出すと、俺はあの時の恐怖が蘇り後ずさった。
「そそ、それは分かったか、わ、分かったから、それ仕舞って」
「す、済まない!お前の精神状態のことを配慮していなかった!」
アン先輩が慌ててボタンを隠すと、俺は椅子にへたり込む。
「…あの時はなんとかなると思ってたけど、やっぱ現物前にすると怖い」
「うむ、あの時は大量殺戮が起きる寸前を目視したのだったな、お前は、本当に済まない」
出来ればボタンは永遠に封印されてほしい、俺の心の為にも。
「とりあえず理由は分かった。じゃあ新しい部門とかもこっちで造るのか?」
「あぁ、今はアブノーマリティの収容室が足りず何体かは相部屋状態だからな」
「そうなの!?」
それ部屋のアブノマ次第では戦争待ったなしだけど!?
「と、とりあえず今日の業務に行ってくる……ところでこれ伝えられてるのって俺だけなの?」
「うむ、そうだな、現場の職員で知っているのはお前だけだ」
最近思うんだけどアン先輩って俺のこと贔屓し過ぎでは?
そんなことを思いながら収容室に向かうとなんだかとっても騒がしいことになっていた。
「いやぁああああ!今の今までに生き残ってきたのにこんな凡ミスで死ぬなんていやぁあああ!いや白夜様の使徒だから死なないけどいやぁあああ!」
「リン!絶対に足から力を抜いちゃダメだよ!踏ん張って!」
「ぬぅぉおおお!俺の目の前で犠牲者を出してたまるかぁああ!」
「もっと気合い込めろ!エヴァンジェリン!」
『暖かい心の木こり』に身体を掴まれて引っ張られてるリンとその手を掴んで引っ張るアンソニー、エヴァンジェリン、ジェイコブが収容室で綱引き状態になっていた。
「何をやってんだお前らは!?」
「管理人!リンがうっかり木こりの作業に入っちゃっていま絶賛大ピンチなんだ!助けてくれるかい!?」
「ちょ!ちょっと待ってろ!」
俺は黄昏ワープを使って熱望する心臓のところまで飛んで、それを装備して戻る。
「いやぁあああ!助けてえええ!まだ魔法少女の杖使ってないのに死にたくなぁあい!」
「魔法を使えたら死んでも良いと言うような言い方はやめてくれないかい!?」
意外と余裕ありそうだな。
「と、とにかく!心臓欲しけりゃこれでも着けてろ!」
「え!?管理人その心臓何秒着けていつ攻撃した!?」
「……あ」
忘れてた。
そう思った時には時既に遅し、俺は心臓を木こりにぶん投げたあと物凄い無気力感に襲われた。
「…おぉ!おぉおおおおおおおおおおおおお!これが心臓!これが心!!僕は…いや、俺は遂に!念願の“心“を手に入れたんだ!うぉおおおおおおおお!」
心臓を得た木こりは突然発光し始め、全身が光に覆われるとその身体の苔や錆が取れ青銅色の鎧が露わになる。血の付いた斧も血が消え、刃こぼれがなくなり新品のような光沢が出た。
「俺は!生まれ変わったぞ!魔法使いでもなんでもない!熱き心を持った人の手によって!うぉおおおおおおお!」
「……死にたい」
「あぁ!管理人が蹲ってパニック状態に!」
「生きてるぅ!私生きてるよね!?」
「俺に任せろぉ!」
「収集が着かねぇ!誰かこいつらなんとかしろぉ!」
俺なんで生きてるんだろう。みんなに心配させて高価な薬を無駄に使わせて、しかも俺ばかり休んでる気がするし。
「……俺って役に立ってるのかなぁ?役立たずだよね。俺って」
「ダメだ!管理人の装備が硬過ぎて正気に戻すのに時間が掛かる!」
なんか叩かれてるけどどうでも良いや。このまま床の埃になりたい。
「少女よ!生きていれば良い事がある!俺が心を手に入れたようにね!未来に向かってレッツトライ!」
「お前は逆にうぜぇよ!なんだそのキャラの変わり様は!」
−−−俺が正気を取り戻して頃には俺はアイに身体を包まれて頭を撫でられていた。
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