私と我と俺のお仕事。   作:CoCoチキ

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二百四話 九回戦!断ち切る貪欲!のはずが

 

 『続いて九回戦!コントロールチーム!『リウ協会』代表のメイ選手!』

 「え、もしかして私さっきの凄い物量を相手にしないといけませんか?」

 

 察しが良いね。俺も超高火力の魔法少女を相手しないといけないんだよ。

 

 『教育チーム!『旅人事務所』代表『極彩色の旅人』夢幻選手!』

 「今度も勝ちに行くよ〜!」

 「だったら指示を出してくれる!?」

 「………アハ♪?」

 「笑って誤魔化すな!」

 

 こいつまた指示を出す気ないな?

 

 『レディー!ファイト!』

 

 「しょうがないな〜トラベラーくん!」

 「おう!」

 「適当にやっちゃって!」

 「いい加減にしろよお前!?この種目の趣旨分かってる!?」

 

 俺はアブノマ化して貪欲の王から距離を取って釘を心臓に突き刺した。

 

 「せめてE.G.Oの指定をしてくれるかな!?」

 「しょうがないな〜……全部黄昏で!」

 「お前はバカか!そんなこと初っ端からできるか!」

 「えぇ〜じゃあ『黄昏』と『黒い月』と『憧れ』と『憎シミ』と『断ち切る後悔』で!」

 

 それなら出来るけど全部ALEPHな上に俺に関係するやつと俺の相棒たちのやつなんだが。

 

 『はぁ…黄昏と憎シミは正面から押さえて!断ち切る後悔は横から一撃離脱を心掛けて!黒い月と憧れは俺の隣で狙撃!』

 

 夢幻に指示を求めるだけ無駄なのかもしれない。

 

 『突き刺さる罪が早速眷属を生み出していくー!しかもそのどれもがALEPHクラスです!夢幻選手の本気度が伺えますね!』

 『いや、どちらかと言われると面倒になって適当に指示したように私は思う』

 

 アン先輩、それ正解だよ。夢幻は指揮官じゃあなく遊撃隊とか特攻隊とかが向いてるタイプなんだわきっと。

 

 「あなたが相手でも負けるつもりはないわよ!」

 『俺もその姿にお前と戦うのは初めてだし、遠慮なくいかせてもらうぞ!』

 

 『突き刺さる罪の眷属の攻撃を貪欲の王が躱していくだけでなく的確に急所を打撃して怯ませる!突き刺さる罪手も足も出ない!』

 

 そりゃ出してないからな。そもそも物量が多すぎて出す必要がなかったってのが真実だし…あれ?もしかして俺って強い?…まさかね。

 

 『う〜ん、やっぱり俺の記憶を元にしてるからか?動きが単調と言うかなんと言うか』

 「確かに、鋭さみたいなのがないかも?でも黄昏と憎シミは良い感じじゃん!トラベラーくんが戦ってるみたいだよ!」

 『どっちも俺が使ってる武器だからな、動きは自分の元にしてる』

 

 だからって俺が動かしてるわけじゃないけどな。NPCみたいな感じだ。

 

 「せい!」

 『おっと』

 

 黄昏が吹き飛ばされて壁に釘が突き刺さった。その時にちょっとした衝撃が走ったが、多分これがダメージを受けたってことなんだろう。

 

 『意外と痛くないな。前は凄い喪失感みたいなのがあったんだけど』

 「ん?前ってなに?」

 『あ、いやなんでもないっす』

 

 夢幻もなんだかんだで懐に入れた相手には過保護なんだよな。いつもと同じ声色なのに目が座ってるんだよ。フフ、怖い。

 

 「後でその話を聞かせてね?トラベラーくん」

 『いや、もう解決して「聞かせてね?」……はい』

 

 今度は声色も変えてきて、怖い。

 

 『ま、まぁ!それはさておき続きでもするかな〜』

 

 とは言っても、そろそろ次の眷属が出てくる時間だし、物量で攻めるか。

 

 『ここで突き刺さる罪の眷属が続々と出現していくー!また物量で攻める気なのでしょうか!』

 「その時を待ってました!貪欲ちゃん!思いっきりやっちゃってください!」

 「えぇ!」

 

 あ、しまった。これを狙ってたのか!

 

 「迸りなさい!黄金狂!」

 『やべ、なんて言うと思ったか!俺だってそんな単調な戦法繰り返すバカじゃないぞ!だってそんなことしたらシアンにどやされる!』

 「確かにシアンなら『俺ならそうしない』って言いそう」

 

 黄昏ワープで俺の身体で攻撃を受け止める。大きく広がった羽で爆風を上に逃すことで範囲を制限した。

 

 「言われてますよ。シアン」

 「……ふん」

 

 どうよ、俺の無敵耐性をを生かした絶対防御!

 

 『なんと!琥珀のエネルギーが上へと逃がされ光の柱が空高く舞い上がりましたー!』

 『か〜ら〜の〜!一本背負投げ!』

 「甘いわね!巴投げ!」

 

 腕を掴んで投げ飛ばそうとしたら逆に投げ飛ばされてしまった。

 

 『やっぱ近接戦じゃ分が悪いか』

 「あら、遠距離でも負けるつもりはないわよ?これでも魔法少女だもの」

 

 眷属だけじゃ逃す思いし。アブノマ状態の俺だといつもの戦い方が出来ないしな。ってか貪欲の王絶対にWAWじゃないだろ。ALEPHはあるってこの強さ。

 

 『これはもうどのように勝敗が着くのか予想もできません!……え?しょ、少々お待ちを!』

 

 ん?急にどうしたんだ?

 

 「今からが良いところのに、どうしたのかしら?」

 『さぁ?』

 

 司会者がいないんじゃ戦えないしな。しばらく待機か。

 

 「それにしてもトラベラーくんが眷属って呼んでるこれ不思議だね〜まるで誰かの影みたいな見た目してるし。黒い月の子とかこれレリックくんじゃないの?」

 『…言われてみればそうだな』

 

 全部俺の知ってる姿だな。これも俺のイメージが具現化したモノだからか?

 

 『え〜すみません、アブノマテイマーを観戦していたお客様や参加者の方々、先ほどの陰と陽の合体により、クリフォト抑止装置に不具合が生じた様でして、アブノマテイマーは中止なります。誠に申し訳ございません!』

 

 え。

 

 『「「「えぇええええ!?』」」」

 

 『ですのでこの種目ではポイントはなしとなります!』

 

 そりゃないよ〜…でもクリフォト暴走を抑える装置が故障したんじゃ無理か。

 

 「せっかく盛り上がってたのに、残念」

 『おっかしいなぁ、貫通耐性付けてたはずなのに』

 「まともに勝ててないんですけど私ー!!」

 「あらあら」

 

 時間掛けて準備したんだけどな、この施設。

 

 『残念ですが次の種目に移りたいと思います!参加者とスタッフの方は第二会場へ向かってください!観客方々はこちらが指定する場所へ!』

 「はぁ、じゃあ夢幻、こっちは準備があるからまたな」

 「はいは〜い!」

 

 −−−ちょっと残念な気持ちで俺は次の場所へと移動した

 

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