私と我と俺のお仕事。   作:CoCoチキ

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 安全24


二百二十一話 未熟な翼

 

 『安全チーム『街灯事務所』のルル選手、マス選手『シャーデンフロイデ』と相打ちにより脱落!そして『死んだ蝶の葬儀』も鎮圧されました!』

 

 「マジか!?E.G.Oなしであいつと相打ちしたのかよ。いや、オーケストラが鎮圧されてるから今更か」

 

 「いま戻った!どんな感じ?」

 「どうも何もなんかヤバそうなのがきました」

 「……ヤバそう?」

 

 オノリオが指を指した方向を見ると片方だけ翼の生えた青年と薙刀を持った龍のような女性がゼンマイ仕掛けの魔法使いと鬼太郎、桃太郎と圧倒していた。

 

 「っえ……あれ人間?」

 「人間ですね。しかもただの人間じゃなく、あのフィクサーたちの中で唯一E.G.Oを開眼させてます」

 「……っは!?俺たちみたいに抽出したやつじゃなくて!?」

 「はい、完全にあれは彼らのE.G.Oですね」

 

 こっちの方か!アビスが言ってたけどE.G.Oを開眼させた相手はとてつもない力を自在に操ることが出来る人間のまま“人外の領域“に至った化け物だって。

 

 「…魔法使いが女性に苦戦してるってことは彼女の属性はREDってところか、じゃあ鬼太郎と桃太郎が苦戦してるのはBLACKかPALEのどっちか」

 

 あの青年、あの二人相手に圧倒とはやるな。

 

 「…なら、鬼太郎!桃太郎!お前ら魔法使いの援護に向かってくれ!そいつは俺が相手する!」

 「「承知!」」

 

 二人と入れ替わるように縦に向かって回転し青年に向かって急接近するが、俺の攻撃を全部受け流して後退した。

 

 「貴女が彼らのリーダー?」

 「ん?意外だったりする?」

 「…少し、アブノーマリティと言う人間を超えた生物のリーダーなら、もっとこう、悍ましい姿をしていると思ってました」

 「正直だね青年よ」

 

 確かに今は俺がリーダーだけど、そもそもアブノーマリティはそれぞれが独立した存在だからな、これと言った明確なリーダーは居ないんだよ。

 

 「ただ、俺も結構驚いたよ。滅多に会えないE.G.O持ちに会えるなんて。どう言う経緯で覚醒したんだ?あんた」

 「………僕は、未熟者です」

 「…うん?」

 

 自分語りから入るのか?……もしかしてE.G.Oを開眼させる方法って。

 

 「ですが…そんな僕のことを師匠や…先輩は受け入れてくれました。僕の情けない姿、後悔、嫉妬、それらをひっくるめて“僕“なんだと、言ってくれた。僕はそんな二人に恥じない男でありたい、だから前を向くことに決めたんです」

 

 彼の剣が赤く燃え盛る。彼の中の情熱を表す様に。

 

 「ただがむしゃらに前を向いて…彼らの自慢だと胸を張って生きて行けるようになりたい。そう思っていたら、この力を手に入れてました」

 「へ〜…冷静そうな割に、すっごい熱い男じゃん、あんた」

 

 覚悟を決めたやつほど敵に回すと面倒なんだよなぁ。

 

 「オーケー、じゃあ仕切り直しといこうか」

 

 俺は黄昏を持ち直して向き直る。俺自身がダメージを受けることはないだろうが、それでも油断は出来ない。

 

 「っは!」

 「よいしょ!」

 

 黄昏で青年の剣を受け止めると熱気が剣を伝ってこっちに移る。元のままだったら多分スリップダメージを受けてただろうな。しかもこれ、金属かと思ったら大理石みたいなので出来てやがる。

 

 「告発する!」

 「ハァ!」

 「うっそ!?」

 

 天秤を出すと音が鳴る前に天秤を首から弾き飛ばされ攻撃が出来なかった。

 

 「穿て!」

 「まだだ!」

 「これもかよ!」

 

 嘴で攻撃しようとすると腕を弾かれあらぬ方向に爪が伸びる。

 

 「叩き潰せ!」

 「っぐ!」

 

 黒い腕で殴り飛ばそうとしても踏ん張りが強くて吹き飛ばない。こいつ相当粘り強い!

 

 「だったらこいつでどうだ!新技!『黄昏の眼』!」

 

 大きく羽を広げて終末鳥がやっていた黒い弾幕を撃ち出す。これには耐えられなかった様で地面を抉りながら吹っ飛んでいった。

 

 『コントロールチーム『鉄の兄弟』『終止符事務所』のモー選手、アーノルド選手、コンスター選手、タマキ選手脱落!』

 

 今ので四人は巻き込んだみたいだな。よし!ただ、それと同時に天国と偽善がやられた。どこでやられたかは分からないけど。これで一つの部門の眷属は全滅か。

 

 「厄介ですね。攻撃が通らないと言うのは」

 「じゃあ逃げるか?逃さないけど」

 

 こいつ逃したら絶対に面倒くさいことになる。

 

 「逃げませんよ。僕はもう逃げないと誓ったんです」

 

 くっそ〜鬼桃コンビ相手して消耗してる筈なのに、まだこんなに力強いなんて。どんだけヤバいのか良く分かるぞ。あの眼の攻撃本家じゃほぼ即死なんだけど。

 

 「…ですが、これ以上は僕も身体が持たないのも事実、ですのでせめて一撃喰らわせます!」

 

 っは!?消えた!?……いや、違う!あいつ俺の眷属に向かって飛んでいきやがった!

 

 急いでゲートに入って追いかけると笑顔の眷属相手に剣を振り下ろしていた。

 

 「こんの!!」

 

 『コントロールチーム『夜明事務所』のフィリップ選手脱落!』

 

 黄昏と憎シミを同時に投げ飛ばすことで倒すことは出来たけど笑顔をやられてしまった。

 

 「いっづぅ」

 

 ALEPHレベルの眷属となればダメージもかなり入るのかして心臓にズクリとした痛みが走る。

 

 「とんでもない置き土産していきやがった」

 

 −−−遠くで膝を着いてるフィリップに目を向けるとその顔は少し誇らしげだった

 





 コントロール:『ねずみトリオ』『鉄の兄弟』『終止符事務所』『リウ協会』『シ協会』『夜明事務所』『親指』
 情報:『ブレーメンの音楽隊』『鉤事務所』『紫の涙』『人差し指』『ユン事務所』『8時のサーカス』
 教育:『残響楽団』『旅人事務所』『視線事務所』『奥歯事務所』『R社』『ツヴァイ協会』『黒雲会』
 安全:『ピエールのミートパイ』『謝肉祭』『杖事務所』『街灯事務所』『笑う顔たち』『捨て犬』

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