私と我と俺のお仕事。   作:CoCoチキ

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二十九話 桜の下には何がある?

 

 昨日はひどかった。あの後は対策会議だのなんだのでこの会社初の残業をしていた。お陰でちょっと寝不足気味だ。あ、ちなみに作業をしていたのは俺でレリックは休ませたぞ。戦闘を任せてたしな。

 

 「ふぁ、ん、今日のアブノマはなんだ?」

 「おいおい大丈夫か?先輩、無理せず休んだらどうだ?」

 「へぇきへぇき、動いてたらそのうち目が覚めるって」

 

 ジョシュアがそう声をかけてくるが少し眠いだけなので断った。

 

 (トラリン、今日は作業変わろうか?)

 【そうしろ、アブノマの情報を知っているのは確かにお前だけだが、作業によって死ぬことはない、少し眠れ】

 

 あ〜〜じゃあ、お言葉に甘えて?

 

 

 【レリック視点】

 

 

 トラリンが寝るのを確認した私は早速新しい子の作業に行くことにした。いや〜トラリンも人間っぽくなってきたねぇ〜!

 【いや、あやつは元々人間だろう?】

 そうだけど、そういうことじゃないんだよ〜まぁ、これは小さい頃からトラリンと一緒にいた私しか分からないことだけどね!

 

 おっと、そろそろ収容所だし、集中するかな!

 

 「……桜?」

 

 収容所に入るとまだ蕾のままの桜の木が生えていた。これはびっくり、鉄の床に植物が生えてるとは。

 

 「それそれ水ですよ〜これで元気もりもり!綺麗に花を咲かせてね〜」

 

 ザワザワと木が揺れてまるで返事をしてくれてるようだった。いや、案外そうなのかも?

 

 ここではなんでもありって感じがするし、トラリンなんて大鳥と妖精ちゃんにすごい好かれてるし。私もトラリンみたいに好かれるアブノマいないかな〜

 

 そんなことを考えながら何回か作業をしていると、桜が少しだけ花を付けたのが見えた。

 

 「はや!確かに綺麗に咲かせてって言ったけどここまで早いのは予想外!」

 

 これがこの子がアブノマ言われる所以かー

 【ん?いやこの気は】

 よ〜し!ドンドンお世話をして満開に咲かせて見せましょう!

 

 あれ?そういえばアビスンが何か言いかけてた気がするけど。なんて言おうとしたんだろ?……まぁいっか!

 

 収容室に入って掃除や水やりを繰り返してしばらくたったころ。

 

 「満開だーー!」

 

 今まで見てきた桜の中でも1番綺麗な花を付けてるよこの子!心なしか嬉しそうに揺れているようにの見えるし。

 

 「いや〜綺麗だね〜季節外れだけどいつでもこの桜が見れるのは嬉しいな〜」

 【……なんともないな、意外と】

 

 さっきから何を言ってるの?この子は安全なのがわかったじゃない。

 【あ〜うん、そうであるな、うん、気にしないでおこう】

 変なアビスン。

 

 複雑そうな顔をしてるアビスンを横目に桜を見ていると、枝の一部が私の方に伸ばされた。花びらに視界が覆われると髪に何かを刺された感覚がした。

 

 「これって、簪?可愛い!!貰って良いの?」

 

 初めて貰ったギフトに興奮を隠せなかった、今まで私はたくさんの子に適切なお世話をしてきたけど。ギフト自体は貰ったことがないの。だからすっごい嬉しい!

 

 

 −−−優しく揺れる桜の下で、私は貰った簪を大事に抱え込んだ。

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