ーピンポーン!
「は〜い?」
こんな朝早くから誰が来たんだ?新聞売りか?それとも押し売りか?
「よお!トラベラー!遊びに来たぜ!」
「……あれ?俺ってクリークに家を教えてたっけ?」
「ん?ゼロに教えてもらったぜ?」
何勝手に家の場所教えてんだあのアホ。
「遊ぶに来たって言っても、う〜ん、ゲーム機はレリックが持っていったしな」
なんでも今日はアン先輩たちと鎮圧アブノマファイターズ(L社開発格ゲー)で遊ぶらしいからな〜
「お姉ちゃん、誰か来たの?」
「ん?テンテン、ほらこの間の料理大会いた人だよ、遊びに来たみたいだ」
テンテンは料理大会は眺めてるだけだったしな〜暇してたかな?とちょっと心配してたけど三鳥が遊び相手になってたから安心した。
「よう!坊主!お前の姉ちゃんちょっと借りるな!」
「うん、僕はあっちでテレビ見てるね!」
借りるなって、どっか行くつもりなのか?
「じゃ!ちょっと外行こうぜ!お前とはゆっくり話してみたかったんだよ!師匠が気に入ってるし、俺も仲良くしたいと思ってたしな!」
「あぁ、そういう、じゃあどこに行くんだ?俺は飲食店ぐらいしか知らないからさ、オススメ教えてくれるか?」
「良いぜ!俺のお気に入りの娯楽施設があるんだ!」
あ、けどテンテン一人だけだと心配だな。一緒に連れてくか。
「テンテンも連れて行きたいんだけどいいか?心配でさ」
「ん?良いぞ?ってか俺が誘ってる方なんだし遠慮すんなって!」
距離感ちっっかぁ
余りの距離感の近さに驚きつつも俺はテンテンを呼んでクリークが案内するがままに移動する。しばらくしてからついた場所はアスリートのシエルエットが壁を飛び越える仕草をしている看板を掲げた場所だった。
「…ここは?」
「俺オススメのパルクールジム!」
パルクール……俺そこまで運動神経が良いわけじゃないからな〜変なとこで転けたりしないか?
中に入るとかなり本格的なジムでどういう構造をしてるのかビルほど高いコースもあれば障害物たっぷりのコースもあった。あとは子供向けの小さめのコースも。
「じゃあ早速やるか!」
「へ?ちょ!?」
腕を引っ張られてビルコースにズンズン突き進んでいく。ある程度進んだところでクリークが屈伸運動をする。
「う〜し!見てろよ?」
クリークがそういうと足場を蹴って軽やかに上に登って行く。更にはゲームばりの壁キックを繰り返して上に登り、最後には大ジャンプをして次のビルへと飛び乗る。俺はそれを口をぽか〜んと空けて見ていた。
「お前も来いよ〜!」
「出来るかぁ!!」
とは言ったもの、折角来たんだしやらない方が失礼になる。渋々登り始めると、何やら一瞬だけ、クリークの視線がキツくなった気がしたけど、気のせいだろうか?
時々落ちそうになりながらも必死にしがみ付いてどうにかクリークと同じところに登り詰めた。
「ハァ、ハァ、きっつ」
「中々やるじゃねえの!これを機にここで身体を鍛えてみる気はねえか?」
「流石に……無理…」
息も絶え絶えのやっとの状態でそう何度も出来るわけがない、むしろなんであの高さ登って息のひとつも切れてないんだよ。
「そうか〜……あ、ちょっと用を思い出したからちょっと外すわ、そしたら次はあっちのコースやろうぜ!」
「ごゆっくり〜」
俺は疲れた身体を休めるために少しでもゆっくり帰ってくることを願って送り出した。
【 第三者視点 】
トラベラーと別れたあとクリークはジムの外にある路地に向かっていた。先程まで浮かべていた笑みはなく目つきは鋭くなっていた。目的の場所に着くと彼はゴミ箱の裏に身を隠す。
「ハァハァ、今日も可愛かったな〜トラベラーちゃん」
視線の先にいるのは一人の男だ、その男はトラベラーの名前を呼び明らかに盗撮をした写真を見て恍惚とした表情をする。
「フヘヘ、あの子供を使えばトラベラーちゃんを僕のモノに出来る!」
「おいおい、誘拐未遂に盗撮、更には脅迫のしようって?犯罪だぜ?それは」
「だ、誰だ!」
クリークはいつもの笑みを浮かべて男の前に姿を現すがその視線は鋭いままだ。
「あいつは俺の友達なんでね、そういうことはしないでくれるか?」
「だだ、だったらなんだ!お前みたいなぽっと出の男に僕のトラベラーちゃんを渡すわけないだろう!」
「お〜い?会話出来るか?」
男にそう問いかけるも男は支離滅裂な言葉を繰り返し、果てには刃物を取り出した。
「あ、あの子は僕にものだ!僕が結ばれるべきなんだ!」
「はぁ、俺は忠告したからな?」
クリークはため息を付きそう釘を刺す、男がクリークに襲いかかり、刃物が刺さると思われたその瞬間
−パァン!
銃声と共に男の刃物は弾かれる。
「な、なぁ!?そそ、その赤い銃!」
「はいはい〜じゃあ一緒にツヴァイ協会までご同行願おうか?」
−−−クリークはいつものような気安い感覚で男を連れて路地から出ていった
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