父さんが帰らなくなってどれくらい時間が経った?仕事の為に数ヶ月や半年間家を空けることはあっても帰らないことはなかった。だがもう1年は経つだろう。ここまで時間を空けることは今まで無かった。やはり母さんが亡くなってしまったのが大きのだろう。母さんが亡くなってから父さんは変わってしまった。酒を浴びるように飲みお金を持ってどこかに行く。こんなことを何回も繰り返していた。
ショックが大きいのは分かる。俺だって悲しかった。今までにないほど涙を流したよ。だけどもう前を向いてほしかった。
「またいる」
この醜悪な見た目をした化け物を殺すのが俺の日常だ。父さん曰くこれは
「来い
俺の影から水色の眼を持った黒蛇が出現し俺の腕に巻き付いてサバイバルナイフを口から吐き出す。サバイバルナイフを握り
呪力は人間の負の感情から生まれる負のエネルギーらしく、呪霊を殺すには呪力を用いなければならない。呪力を込めた攻撃、呪力を用いて発動する術式による攻撃、あらかじめ呪いが込められた呪具、呪力を掛け合わせる高等技術、
「アッソビッマショオオオオオオ!」
「うるさい」
呪霊から伸びる手を切り落とし本体まで近づく。途中、足元から気配を感じて足を止め、後ろに跳ぶと地面から約10本もの手が出現する。
「オイデー!オイデー!」
呪霊の手は俺を捕まえようといくつも伸ばしてくる。サバイバルナイフにさらに呪力を込めて"一線"。呪力を拡散して飛ばし呪霊の手を一気に切り落とす。切り落とすと呪霊が怯み動きを止める。呪霊との距離を一気に詰め、胴体を1回、2回、3回と刻み、脳天にサバイバルナイフを突き刺した。手応えを感じる。すると呪霊は塵となって消失した。
「ありがとう瑞樹」
「シャー」
サバイバルナイフを瑞樹に戻すと俺の体から降りて影に入る。瑞樹と名付けたこの蛇型の呪霊は物を格納する術式を持っている。この呪霊は父さんが仕事に向かう時に渡された呪霊だ。呪霊の中には父さんの言っていた呪具がいくつかあった。俺の身には余るほど大きい鎌にドーナツ型をした手裏剣のようなもの、深い漆黒の刀身をした刀。種類は色々とあった。
父さんは俺が呪霊が見えると分かったら呪霊の注意事項を教え、呪霊と相対しても死なないように俺を鍛えてくれた。
「守りきってみせるよ、父さん」
呪霊を殺した俺は自宅へと足を進めた。