五条さんの協力のおかげで俺と恵が禪院家に売られることもなくなり、金銭面のことも解決した。金銭面に関してだが俺が将来、呪術師として働くことが条件となったが安いものだ。
そして、俺が中学1年生になった時に京都に赴き、
次期当主候補の一人である
中学生になってからは任務を受けるようになった。呪霊は4級、3級、2級、1級、特級の五つに等級に分類され、数字の桁が低いほど危険度が高くなっていくそうだ。俺が主に受ける任務は基本的に4級から2級、時折、準1級の任務をこなしている。準1級とは1級に適性がある者に与えられる等級とのこと。
「恵も呪術とは無縁な生活を送らせる...かなり難しいと思うよ。黎斗が一応、本家との縛りの上で御前試合を行い、勝った。だけどその程度で諦めるほど禪院家は甘くないよ。恐らく本家から命を受けた分家からアプローチが来るはずだ」
「だとしたら、最悪俺が禪院家に行けばいい。禪院家の相伝の術式を
「本気で言ってる?禪院家に行ったら君はもう禪院家の傀儡として生活を強いられることになるよ」
「そんなことは承知の上だ。それに...前にも言ったはずだ。俺の座右の銘は【自身を二の次、家族第一】だ。俺一人の犠牲で家族が危険に晒されること無く生活出来るのならば俺は喜んでこの身を捧げるさ」
「君の考えは分かったよ。だけど恵が呪術師になると言ったら尊重してあげなよ」
「...それは...確証しかねるな」
これに関しては素直に「もちろん」と言える自信は無かった。兄として弟のやりたいことを応援してはやりたいが、呪術師には常に危険が付き纏う。俺は恵が死地へと足を運んでほしく無かった。
恵も津美紀も呪いの存在を知り、呪術師と言う仕事を知った時、俺が呪術師になるのを反対していた。「行かないでほしい」、「死んでほしくない」と津美紀は泣いて呪術師になる俺を止めようとした。だが、それでも俺は呪術師になることを決めた。「家族の安寧」俺が最初に望んだ俺の野望。己の野望を叶えるには力がいる。弱者には権利が無い。知識も武力もどんな形にしろ、力は己の野望を叶えるための土台となり、ビジョンを描く。力があるだけ選択肢を増やすことが出来る。多数の選択を持つことが出来るのは強者に許された特権だ。
「黎斗ももうすぐで高専生だね!これ高専の資料だよ〜!目を通しておいてね〜!」
五条さんは怪しさが増した。自前の銀髪を逆立て、目元を包帯で覆い隠している。完全な不審者だ、恵と津美紀の教育上良くないから早く出て行って欲しい。
「後で拝見しておきますので早く出て行ってください」
「君も段々、辛辣になって来たね」
「恵と津美紀の教育上良くないので早く出て行って欲しいんですよ」
「本当に遠慮が無くなってきたね」
「他に何か?」
「...特には無いよ」
「そうですか。買い物があるので失礼しますよ」
五条は思案する恵が呪術師になると言うことを伝えるべきかどうか。黎斗は常に家族の幸せを願い、妹弟が安全に暮らせるように努めてきた。"家族が幸せに暮らす"この中に黎斗自身は含まれていない。
「危ういねぇ」
(黎斗の実力は並の術師の実力をすでに超えている。"家族を守る"これを守るために生まれながらのセンスと努力で呪術師として開花した。)
「あの子たちと関われば少しは変わるかな」