翔のミュージックバー   作:太陽に恋したライオン

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純のいたずら

みんなでキャンプへ行った数日後、

純は差し入れを持って玲音の部屋に遊びにきていた。

 

でも、玲音が原稿を書いてる間は構ってもらえないので、一人でゲームをして待っている。

 

原稿を書く真剣な玲音の横顔を見ていたら、つい、ムラムラっとイタズラ心がわいてきてしまった。

 

「れーおん」と呼びかけながら肩越しに顔を近づけて、

耳にフっと息を吹きかけると

「わっ!」と玲音が飛び上がった。

 

「急に何だよ!!」

 

ビックリしただけというフリをしてるのが、わかりやすい。

 

可愛い、やっぱり耳弱いんだな、と内心クスクスしながら、

「何書いてるのかなと思って」と、とぼける。

 

「邪魔するなよ」

玲音がちょっと怒った顔をした。

 

また原稿に向かう。

 

しばらく時間をおいて、またそっと顔を寄せて、耳にフっと息を吹きかけた。

 

「J!!!」ビクっとして怒った顔の玲音がにらんでくる。

 

「耳が弱いんだな」とニヤニヤしてると

 

ムッとした顔の玲音が「お返し」

 

と言って突然、純の肩を掴むと強引に引き寄せて右耳をカプっと噛んだ!

 

「ヒャッ」

 

純の口から変な声が出た。

 

引き離そうとしたが、頭を大きな手で押さえられて逃げられない。

 

息を吹きかけるどころじゃないだろ!!

 

バンバン叩いたが玲音の方が力が強い。

 

「バカ!離せって!!!」

 

玲音は構わず場所を変えて何度も甘噛みしてくる。

 

ゾクゾクとくすぐったくて身がもたない。

 

ジタバタして盛大に暴れたら2人して床にひっくり返ってしまった。

 

「イッテー!…もう!何すんだよ!!!」純が珍しく声を荒らげて抗議すると

 

玲音がブスッとして「先に始めたJが悪い」と拗ねた。

 

しばらく睨み合っていたが、急に玲音の目が仔犬に戻る。

 

「ごめん、やっぱやり過ぎた…痛い?」

玲音が少し赤くなった純の耳を大きな手でそっと撫でる。

 

ちょっっ? 急にそういう顔するのズルいだろ?!

 

さっきまで怒って頭に血が上っていたのに、今度は違う意味で顔が熱くなる。

 

キュルキュルの目で覗き込むように見つめられて、心臓がパンクしそうだ。

 

ち、近いっ!!!

 

声にならない声で思わず叫んだ時、ピンポーン!と玄関のチャイムが鳴った。

 

助かった…

 

はぁーっと息を吐きだした。

 

あんな風に反撃されるとは思ってなかった。

 

玄関では玲音が大家さんに平謝りしていた。

暴れ過ぎて大目玉を喰らったのだ。

 

そりゃそうだ…

 

玲音も純も一般成人男性より体が大きいのだ。

あんなドタバタやったら下の階にさぞかし響いただろう。

 

子トラのじゃれ合いみたいだったな…

 

あの時、チャイムが鳴らなかったら、どうなっていただろう?

 

ホッとしたような、ガッカリしたような…

 

次にイタズラする時はもっと気をつけよう‥

玲音がアパートを追い出されたら困るしww

 

それでも懲りない呑気な純だった。

 

END

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