翔のミュージックバー   作:太陽に恋したライオン

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すれ違いを越えて 純編

あー疲れた…

 

純は、年末が近づき、締切りのきつい仕事が立て続いていて、あまり眠れていなかった。

玲音もバイトしている介護施設の人手不足で臨時に出勤してるらしく、休日出勤や夜勤も重なって全然休みが取れない。

しばらく、会えない状態が続いていた。

 

ダメだ

 

もう、疲れがピークな上、玲音に会えない事で全く元気が回復できない。

家におしかけようかと思ったが、体力的には玲音の方が大変に違いない。

かなり無理なシフトで仕事してるっぽい玲音に迷惑はかけられない。

 

会いたい気持ちをぐっと堪えて仕事をする日が続いていたが、もう限界だ。

 

明日はようやく休みが取れると言っていた。

玲音の家へ絶対おしかけようと思っていた時だ。

 

ピンポーンとチャイムが鳴った。

もう夜中だけど?

インターホンを見ると、玲音が立っていたので、慌てて玄関に行く。

 

入ってくるやいなや、ボフッと倒れかかるような勢いで抱きつかれた。

 

え、れ、玲音?

 

ギュッと抱き締められながら、玲音の大きな体に包まれてホッとする。

 

「やっと会えたー!

 

ずっと連勤で、もう無理だって思って、明日まで待てなくて、Jの顔見に来た。

急に押しかけてごめん‥

 

でも、やっぱ効果絶大だな。元気出てきた!

Jは俺のエナジードリンクだよww」

 

玲音の笑顔をやっと見られて、

 

やっぱり太陽だな

 

と思ってた純は、表現は違うけど、ほとんど同じ事を考えていた事がわかって、おかしくなった。

 

「俺も同じ事思ってた」

 

2人で顔を見合わせて笑う。

 

「玲音って大型犬っぽいと思ってたけど、今日の玲音は実家にある大きなクマのぬいぐるみに似てる」

「何でいつも動物?www」

 

「何かJの顔見たら安心して眠くなってきた…

ここんとこ、ホント寝てなくて、ちょっとだけ寝かせ、て…」

 

玲音が立ったまま寝ようとするので、

 

「待て待て待て!!ベッドまでは歩けよ!

お前を連れて行けるわけないだろ!

ほら、こっち!

頼むから、もうちょっと頑張れって!」

 

純に引きずられて、なんとかベッドまでたどりついた玲音だが、純を抱えたまま倒れ込んで、そのまま寝てしまった。

 

よっぽど疲れてたんだな

うーん、抜け出せないかも、まいっか

 

純も玲音の腕の中で気が抜けて眠くなってくる。

 

あったかい…

 

玲音が自分を頼ってくれたことが嬉しかった。

 

支えられてるし、支えていると感じられる

 

起きたら一緒に朝食を作ろう

ちゃんと栄養を取らせないとな

 

それにしても、玲音は無理をし過ぎだ。

困ってると言われると仕事を断われない。

空いた時間に小説も書いてるし、これじゃ、一緒に遊びに行くとか無理だよな。

 

別に、遊びに行かなくたって、傍にいられれば、それだけでいいんだけど…

 

うーん…そうだ!

一緒に暮らしたらどうだろう?

 

そうすれば、少しでも一緒にいられる

仕事ができるスペースを別々に確保できればいける気がする…

明日相談してみよう

 

玲音はどんな顔をするだろうな

 

我ながら、ちょっと大胆な思い付きにドキドキしながら眠りについた。

 

翌朝、気配を感じて目を明けたら、ビックリした顔の玲音が純を見下ろしていた。

 

「あ、おはよう。寝顔覗き込むの反則だぞ。恥ずかしいだろ!」

「え、だって可愛いから、って、そうじゃなくて!

昨日は急に押しかけてごめん!

すぐ帰るつもりだったのに、寝ちゃったみたいで…」

「いいんだよ。俺も会いたいって思ってたし。朝ご飯作ろうか」

 

2人でキッチンに立って、軽い朝ご飯を作る。

普段、純は、朝が弱いので食べない事も多いが、今日は一緒に食べたいと思った。

案の定、玲音は忙しくて、ちゃんとご飯を食べていなかったらしい。

ここ数日、翔の店でも見かけなかった。

 

コーヒーを飲みながら一息ついたタイミングで、思い切って切り出す。

 

「玲音、一緒に暮らさないか?」

 

ブッと玲音がコーヒーを吹き出しそうになって、盛大にむせた。

あんまりゲホゲホするので、水を飲ませて、背中をさすったりして、やっと落ち着かせた。

 

「はー、死ぬかと思った。J、今なんて?!」

「え?一緒に暮らさないか?って…」

 

は!? もしかして、俺、言い方間違ったかな?

 

 

玲音編へ続く

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