翔のミュージックバー   作:太陽に恋したライオン

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陸樹の献身と駿の葛藤

Jもつくづく天然だと思う。

 

こっちの匂わせには全く気付いてくれない。

俺も大概お人好しだよな…

 

Jとは、会ってすぐに仲良くなった。

 

Jは物静かなようでいて、口を開くと面白い事を言い、頭の回転も早く、俯瞰的に物事を見れる。すごく波長が合うのだ。一緒にいて気を使う事が無い。ドライブに行ったり、一緒に過ごす内に、前世は恋人同士だったんじゃないかと思う程に好きになっていた。

 

Jも同じ気持ちだと思っていたのだが、思いの他天然で、仲のいい親友からランクアップできずにいた。

 

その上、思いがけないダークホースが現れたのだ。

 

玲音はいつも人の輪の中心にいるような人間だ。明るくて嘘がない。いつ見ても元気で、太陽のように温かい。実はそれでいて、意外と繊細なのだと話してみると気が付く。

 

いいやつだと思ったが、Jは苦手だと感じてるようだった。

 

それなのに、気が付いた時には玲音を目で追っているJがいた。最初は観察しているだけのようだったが、いつの間にか、Jの隣の席に玲音が座るようになっていた。

 

聞いてない!

 

何があったのか、全く聞いてない。もちろん、自分とも仲が良いままだが、玲音と一緒にいる事が日に日に増えている。

 

しかも、陸樹に対しては見せた事がないような表情で玲音を見ている時がある。

 

自分の気持ちに気が付かないくせに、ずるいと思う。

 

でも、落ち込んだ顔を見ると、つい助け船を出してしまうのだ。

 

陸樹に背中を押してもらったおかげ

 

と言って、ペアのブレスレットを見せられた日には、マジで玲音を一発ぶん殴りたいと思ったが、屈託のない笑顔を見ると毒気を抜かれてしまう。

 

2人とも天然なんだよ!

 

ここで、俺がペアリングとかプレゼントしたら、Jはどう思うだろうか?

 

さすがに、困らせるだけだとわかってる…

 

ただ、考えようによっては、俺にもチャンスがあるって事だ。

今まで、ちっとも進展が無かったが、今のJなら俺の気持ちに気が付いてくれるかもしれない!

 

俺ってポジティブだな

 

陸樹は今日も献身的に純と自分の幸せを願って頑張るのだった。

 

 

駿は悩んでいた。

 

真琴に何て言おう…

 

駿と真琴は同じレッスンスタジオ出身で切磋琢磨してきた。ミュージシャンを目指す仲間だ。

 

真琴は海外でソロアーティストとして活動することを目指して頑張っている。

一方駿は、ダンスと歌を両方活かせるグループ活動志望だった。

 

目指す方向性は違っていても、お互いの成功を祈って、それぞれに頑張っている。

 

真琴は最近、アメリカの友人に誘われて渡米することを計画しているらしかったが、デビューが決まっているとかではない。かなり悩んでいるらしかった。

 

しかし、駿は音楽プロダクションから声がかかり、グループでデビューできそうなのだ。

 

真琴が不安になっている時に自分だけいい話が来ているなんて、言いづらい。

 

ずっと弟のように可愛いがってくれて、励ましてくれていた。

 

自分が真琴の力になりたいと思ってきたのに、何もできないのが悔しい。

 

翔に相談してみたら、笑って答えてくれた。

 

「真琴がお前の成功を喜ばないわけないだろ。

むしろ、自分も頑張ろうと思うさ。

お前が真琴を応援している気持ちをただ真っすぐに伝えればいいんだよ。

何かに躓いた時に帰ってこれる場所があると、頑張れるものだろ。

お前が真琴の帰る居場所になればいいんじゃねえの。」

 

スッキリした。

 

悩む必要なんて無かったんだ。

 

真琴に自分も頑張るから真琴も頑張れって、素直に伝えよう。

俺はずっと、真琴の成功を祈ってるよって。

 

 

END

 

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