真琴がいないのは残念だったが、6人でするBBQは最高に楽しくて、お腹いっぱい食べた。
社会人組は翔以外、お酒も入って、ワイワイと盛り上がった。
翔が温泉に行こうと言い出すまでは。
それは自然な流れだったが、みんなで温泉に行こうとなった時、純と陸樹だけが渋っていた。
陸樹にいたっては、よく意味がわからない理由を早口でまくしたて、テンションが上がり過ぎて後半は英語だったので、5人はちんぷんかんぷんだった。
酔ってるみたいだから置いて行こうという話になり、純も酔ってるからやめとくと言ったので、4人だけで温泉へ行く事になった。
純は、ホッと胸をなでおろしていた。
正直、どう断ったら不自然じゃないか困っていたので、酔ってるというのは、いい言い訳だった。
みんなで温泉に行くというのは魅力的でちょっと前なら喜んで行ってた所だが、玲音の前で照れないでいられる自信は無い。
しかも、自分が照れている事に気が付いたら、玲音の方があからさまに狼狽えて、みんなが不審に思うだろう。
それだけは避けたい。
後で陸樹に車を出してもらって行けばいいかと思い、声をかけたら「無理」と断られた。
あれ?本当に酔ってるのかな?それとも、疲れてる?
陸樹はふてくされてテントに戻ってしまった。
仕方ない、みんなが戻って来たら一人で温泉に行ってこよう。
早く戻って来ないかなぁなどと考えながら、のんびり焚き火に当たる純だった。
夜は最初のテント設営班と食材調達班の二手に分かれて寝る事になった。
翔は寝袋に入ると一瞬で寝てしまったようで、すぐに寝息が聞こえてきた。
純はすぐには寝付けそうになかった。
「Jまだ起きてる?ちょっと散歩しないか?」
玲音に誘われて夜の森を散歩する。ちょっと行くと開けた場所に出た。
「あー、やっぱり、星出てるな」
見上げると満点の星空が輝いていた。
「昼間いい天気だったし、今夜は新月だから、星が綺麗に見えると思って」
玲音が純を見て嬉しそうに笑う。
一緒に見たいと思ってくれた事が嬉しい。
満天の星空と玲音の横顔を交互に見る。
本当に目がキレイだな。いくらでも見ていられる…
そこへヒューっと風が吹いた。夜風は冷たい。
ブルっと震えると、玲音が申し訳無さそうな顔をした。
「上着かブランケットでも持ってくればよかったな。戻ろうか?」
純はまだこのままでいたくて…
玲音の首に腕を回して、後ろからギュッと抱き締めた。純の方が背が高い。
「こうすればあったかい」「う、うん」
「もう少し見ていたいから」
耳元で囁くと玲音がビクっとした。
耳が赤い。イタズラ心が騒いだが、逃げられたくなくて我慢する。
今度家に行った時、フーってしてみようww
その時、夜空にスッと星が流れた。
「あ!流れ星!」2人同時に声が出た。
ずっとこうして、隣にいられますように...
「何か祈った?」「ナイショ」
今はまだ、こんな友達みたいな感じだけど、いつか変わる事があるのかな?
どういう関係になっても、隣にいるのが自分であって欲しい…
切に願う純だった。
END