仮面ライダー電王LYRICAL A’s   作:(MINA)

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第五話 「誕生!仮面ライダー電王」

デンライナーはビルの屋上にいる高町なのはとユーノ・スクライアの前に停車した。

ドアが開き、モモタロス、ウラタロス、キンタロス、リュウタロス、コハナが降車した。

一人と四体が横一列に並ぶ。

「俺達!!」

モモタロスが右親指を立てて、自身を指す。

「「「「「参上!!」」」」」

そして一人と四体がモモタロスがいつもする歌舞伎のようなポーズを取る。

前に出されている左手がそれぞれの特徴を現していたりする。

ここに野上良太郎がいれば「みんな、何やってんの!?」というツッコミは確実に出るだろう。

そんないきなりの仕種をしてきた別世界の仲間達に対して、なのはとユーノは自然と笑みを浮かべていた。

「ぷっ……にゃははは!」

「は……ははははははは!」

今まで沈んでいたような表情は消し飛び、二人は声を出して笑い出した。

「バカヤロォ!ここは笑うところじゃねぇ!」

モモタロスは体制を元に戻して笑っている二人に文句を言う。

「おかしいなぁ。ツカミは完璧のはずなのに……」

ウラタロスは何故、ここで笑われるのかわからないらしく真剣に考える。

「モモの字、カメの字。俺等、笑いのツカミを完璧にしたんとちゃうか?」

キンタロスはモモタロスとウラタロスにもうひとつのツカミのことを告げてみる。

「なのはちゃん、フェレット君!久しぶりー!」

リュウタロスはなのはとユーノに歩み寄って二人の手を握って上下に振る。

「わっわっわっ!リュ、リュウタ君!?」

「リュ、リュウタロス!振りすぎ!振りすぎだって!」

なのはとユーノは両脚が地上から離れて、リュウタロスに振り回されているかたちになっていた。

「リュウタ!そろそろやめて。二人から今、どんな状態になってるかわからないじゃないの!」

コハナがリュウタロスに上下に振ることを止めるように言う。

「はぁーい」

リュウタロスは二人の手を握って振ることを止める。

なのはとユーノは口元を押さえている。

少々気分が悪くなったようだ。

「あ、その……久しぶり。なのはちゃん、ユーノ」

コハナが笑みを浮かべてチームデンライナーを代表して挨拶する。

「ハナさん。髪伸ばしたんですか?凄く似合ってます!」

なのはは同姓なのか以前とは違うコハナの変化に気づき、褒めた。

「ありがとう。なのはちゃん。ユーノは今回はフェレットじゃないの?」

「……はは。今のところは……ないです」

ユーノは苦笑しながら答えた。

「おい、今どうなってんだよ?」

モモタロスが二人に訊ねる。

「ええとですね……」

「なのはを襲った謎の女の子を今、フェイトとアルフが交戦中といったところです」

なのはの代わりにユーノが大まかに説明した。

「なのは、お前恨まれるようなことでもしたんか?」

キンタロスがなのはに恨みを買った憶えはないかと訊ねる。

「してないです」

なのはは首を横に振る。

「ねぇ、ユーノ。なのはちゃんって魔導師としての知名度ってどれくらいなんだい?」

ウラタロスがなのはより魔導師社会に詳しいと思われるユーノに訊ねる。

「半年前の事件の解決に貢献しただけですからね。魔導師の社会ではさほど名は通ってないと思いますよ」

『P・T事件』がいかに重犯罪といえども、一人の魔導師の名を魔導師社会で浸透させるには少々弱いだろう。

リュウタロスは会話には入らずに、夜空を舞台に繰り広げられている戦闘を見ていた。

「じゃあよ、何でなのはは襲われたんだよ?」

「うーん。その辺りがなのはちゃんを襲った動機かもしれないね」

モモタロスとウラタロスは夜空を睨みながら言う。

「あの、モモタロスさん」

「ん?何だよ」

「良太郎さんはどうしたんですか?もしかして前みたいに後から来るとか……ですか?」

なのははここにはいないチームデンライナーの中心人物である良太郎のことを訊ねる。

「アイツならフェイトを助けに行ってるぜ」

 

(仕留めそこなったか……。まあいい)

自分の想像とは違ったが、相手と距離をあけることが目的なのだから成功といえば成功だ。

シグナムは後ろにいるヴィータに向き直る。

「どうした?油断でもしたのか?」

シグナムはバインドで拘束されているヴィータに訊ねる。

「うるせぇよ!これから逆転するところだったんだ!」

ヴィータはシグナムを睨みながら言い返す。

それが強がりである事をシグナムはわかっている。

「そうか。それはすまなかった」

そう言ってから左手をかざして意識を集中する。

紫色の魔力球が出現する。

ヴィータの四肢を拘束していたバインドに亀裂が走り、やがて砕け散った。

「だがあんまり無茶はするな。お前が怪我でもしたら我等が主が心配する」

「わーってるよ!」

ヴィータはそっぽを向いて答える。

「それから、落し物だ」

シグナムはヴィータにあるものをかぶせた。

それはヴィータがかぶっていた帽子だった。

「破損は直しておいたぞ」

ポンポンと帽子を軽く叩くシグナム。

「……ありがと。シグナム」

ヴィータは両手で帽子に触れてから礼を言った。

「状況から言って、人数だけなら我々の方が不利だな」

こちらは三人。向こうは自分達の倍以上と推測できる。

「ああ。乱入してきた奴等は間違いなく、侑斗の言っていた奴等だ。どうすんだよ?」

「魔導師たちも厄介だが、もっと厄介なのは……」

シグナムが何を言おうとしているのかをヴィータには理解できた。

「「電王……」」

呟いた途端に二人の表情は引き締まった。

「だが一対一なら我等ベルカの騎士に……」

「負けはねぇ!!」

二人が同時に動き出す。

「電王は私がやる。後は任せたぞ」

「わーってるよ!」

シグナムとヴィータはそれぞれの標的に向かって夜空を駆けた。

「あれ?闇の書がない……」

ヴィータは後ろにしまっていた闇の書がいつの間にか消えていたことに驚いた。

 

良太郎はフェイト・テスタロッサを抱きかかえている状態のまま、スライド変形したデンバードⅡで夜空を駆けていた。

しばし無言だったが、良太郎から口を開いた。

「背、伸びた?」

「うん。少し……」

良太郎の問いにフェイトは頬を赤く染めながらも答える。

抱きかかえられている状態---お姫様だっこが恥ずかしいから生じたものだ。

「あの人は一体何なの?」

「なのはを襲った子の仲間だってことぐらいしか……」

フェイトも全てを知っているわけではないという事だ。

「何で、なのはちゃんが襲われるかっていう心当たりは?」

良太郎の問いにフェイトは首を横に振る。

心当たりもないということだ。

「そうなんだ……」

良太郎はフェイトを襲った人物の姿が見えなくなったことを確認すると、デンバードⅡをゆっくりとだが降下させていく。

ビルの屋上に到着すると、良太郎はフェイトを抱きかかえたままデンバードⅡから降りる。

地に足が着くと、同時のタイミングでデンバードⅡはモード2(スライド変形状態)からモード1(バイク状態)へと自動で変形していく。

「す、すごい……」

フェイトは変形していくデンバードⅡを目の当たりにして素直に驚く。

「デバイスの変形の方がよっぽど凄いと思うけど……」

良太郎にしてみればデンバードⅡの変形よりもデバイスの形態変化の方がよっぽどデタラメで凄いと思っていたりする。

「あ、あの良太郎。もういいよ。ありがとう」

「ん?ああ、ごめんごめん」

良太郎は抱きかかえたフェイトをゆっくりと下ろしていく。

「それでフェイトちゃん。これからどうする?」

フェイトは今後のことを考えるために周囲を見回す。

「この結界外に全員が転送できれば一番いいんだけど……」

「それって、すぐにできる?」

「ううん。結構時間がかかるよ。ユーノとアルフの力は絶対に必要だから……」

良太郎はその作業に要する時間を訊ねるが、フェイトの答えはある程度予測できるものだった。

「それを見過ごしてくれるわけはない……よね」

『敵』がいないのならば出来る事だが今現在、『敵』が存在している以上この方法は難しいことは魔法の素人である良太郎にもわかることだ。

ヘルメットを脱いで、デンバードⅡのグリップに引っ掛ける。

良太郎の表情が先程よりも険しくなっていた。

そこには先程フェイトを襲った女性---シグナムが立っていたからだ。

フェイトは自己修復したバルディッシュを構える。

良太郎はフェイトを遮るようにして右手を出す。

「良太郎?まさか戦うつもり!?だ、駄目だよ!」

「あの人は物凄く強いから止めた方がいいって言いたいんでしょ?」

「う……うん」

良太郎はフェイトが言わんとしていることをものの見事に当てて見せた。

「この結界を破るにしたって魔導師の力は必要でしょ?フェイトちゃんはいざって時にそれをやらなきゃいけないかもしれないから、魔力は温存するに越した事はないよ」

「良太郎……」

「それに、あの人。僕を狙ってここに来たみたいだしね」

良太郎の指摘にフェイトはシグナムが向けている視線を追う。

それは確かに自分ではなく、良太郎に向けられたものだった。

恐らく、この中で厄介な存在を潰すためにここに来たのだろう。

良太郎はズボンのポケットからライダーパス(以後:パス)を取り出す。

「証言と一致するな。お前が電王だな?」

「侑斗から聞いたんですね?」

シグナムの問いに良太郎は更なる問いで返した。

「………」

「………」

シグナムはレヴァンティンを構え、良太郎は身体エネルギーのひとつであるチャクラを利用してデンオウベルトを具現化させた。

「さっきより冷えてる……」

その原因は今から戦おうとする二人なのだとフェイトにはすぐにわかった。

 

「僕も行かないと……」

ユーノが戦場へと赴くような台詞を告げた。

「ユーノ君……」

なのはは何も言えない。

戦いに関するアドバイスが出来るほど、彼女は冷静に戦っていたわけではないのだ。

「フェレット君。大丈夫なの?」

リュウタロスがユーノに相手と戦って勝てる勝算があるのか訊ねる。

「ある程度、防御に徹してスキができたら攻撃するさ」

自分から攻めるような事はしないということだ。

(ユーノ。聞こえる?)

ユーノの頭にフェイトの声が入った。

念話の回線が開かれたのだ。

(フェイト、どうしたの?)

(今、そっちにデンライナーのみんなも来てる?)

(うん。良太郎さん以外は)

(良太郎は今、こっちにいるよ。ユーノ、アルフと一緒にみんなを結界の外へ転送する事できる?)

(アルフと一緒なら何とかできると思うけど……難しいね)

(そっか……。さっき戦っているアルフにも念話で聞いてみたけど、難しいって)

(相手がいるからね)

そう、全員を結界の外へと転送するという方法事態は難しくはないことだ。

ただ、作業に時間がかかるという欠点がある。

『邪魔』がいなければ時間さえかければ滞りなく完了するだろう。

(あ、そろそろ二人の戦いが始まるから切るね)

そう言うとフェイトと念話の回線が切れた。

「ユノ助。何かこっちに来よるで」

キンタロスがくいっと顎でユーノにこちらに向かっている何かを示す。

「え?」

それはなのはを襲った少女---ヴィータだった。

「何だ?あの赤いの」

モモタロスが身体的特徴のみを捉えて呼称する。

「何か妙に殺気立ってない?」

ウラタロスがヴィータが放っている殺気を察知する。

「みんな!来るわよ!」

コハナが全員に聞こえるように注意を促す。

ヴィータがグラーフアイゼンを構えてこちらに向かっている。

それはまさに戦闘機のような勢いで。

ヴィータはその場で留まり、鉄球を三個出現させる。

「みなさん!僕に集まって!」

ヴィータが何をするかわかっているユーノはその場にいる全員にこちらに来るように指示する。

グラーフアイゼンで鉄球を打ち付けて放つ。

シュワルベフリーゲンだ。

ユーノは翡翠色の魔法陣を掌に展開して、シュワルベフリーゲンを全て防ぐ。

バチンともバシンとも音を立てながらも防ぐ。

「くううう!」

掌に展開した魔法陣を解除する。

ヴィータが見下ろすかたちでこちらを見ていた。

ユーノは目を閉じて、手で印のようなものを結ぶ。

なのはが翡翠色のドーム状の入れ物のようなものに包まれた。

「回復と防御の結界魔法。なのはは絶対にここから出ないでね。あと皆さん、なのはの事をお願いします」

「空飛べない僕達としてはこれが精一杯だからね」

ウラタロスは自身が今出来る事を把握しているらしく、ユーノの頼みにすんなりと応じた。

「デンバードⅡがあればなー」

「あれは良太郎専用のバイクや。俺等が勝手に使ったらアカン」

リュウタロスの言葉にキンタロスがたしなめる。

「ああ、くそ!おいそこのテメェ!」

モモタロスがヴィータに向かって吠える。

「モモタロスさん?」

「モモ?」

モモタロスのいきなりの行動になのはとコハナは目を丸くする。

「さっきから見てりゃ、空ばっか飛んでやがるがよぉ。テメェ、俺達と同じ場所で戦うのが怖ぇんだろ!?」

誰から見てもわかるように明らかな挑発だった。

「オイ。今、何て言った?」

ヴィータがドスの聞いた声を上げる。

モモタロスの挑発に乗りつつある兆候といってもいい。

「だから怖ぇんだろって言ったんだよ!このア・カ・チ・ビ!!」

「チビだとぉ……」

更に低い声を上げるヴィータ。

「挑発に乗ったんでしょうか?」

「さあ、センパイ並に単純なら乗るかもしれないね」

ユーノとウラタロスはヴィータの態度に目を見張る。

「クマちゃん。あの子、怒ってる?」

「わからへん。モモの字並に単純なら乗るやろうけど、冷静な奴なら乗らんかもしれへんで」

人は見かけによるものではないという事をキンタロスは言う。

「でも、何かこっちにゆっくりとですが、近づいてきてません?」

「確かに言われてみれば……」

なのはの指摘通り、ヴィータはゆっくりとだがこちらに近寄っている。

コハナも言われて気づいた。

挑発に乗り始めているのでは?と誰もが思った。

「さっきから……」

ヴィータは顔を伏せたまま、言う。

「さっきから聞いてりゃ、勝手なことばっかり言いやがって!この……」

ヴィータがモモタロスを見て大声で言い放つ。

 

「赤鬼!!」

 

「「「「あ」」」」

ウラタロス、キンタロス、リュウタロス、コハナはヴィータの一言に間抜けた声を出した。

「え?え?」

「皆さん、どうしたんですか?」

なのはとユーノは何故、モモタロスを除くチームデンライナーのメンバーがこんな間抜けた声を上げたのかわからない。

「だ、誰が……」

モモタロスが拳を震わせている。

「リュウタ君。モモタロスさんどうしたの?」

なのはがリュウタロスに訊ねる。

「へへへ。あのねモモタロスはね……」

「鬼って呼ばれると怒るんだよ」

「鏡見てるのに、一向に認めへんねんからタチ悪いで」

「まあ、筋金入りのバカなのよね」

リュウタロスは含み笑いを浮かべ、ウラタロスが答え、キンタロスが自身の容姿を見てないことに呆れ、

コハナは苦笑しながら『バカ』の烙印を押した。

「なのは、オニってなに?」

日本の妖怪などの知識がないユーノはなのはに訊ねる。

「えーとね。頭に角が生えてて、牙がむき出しでギザギザの棍棒持ってて……」

「つまり、センパイのこと」

ウラタロスが付け足した。

「ウラタロスさん!!」

「ウラ!!」

なのはとコハナがユーノに誤った知識を植えつけようとするウラタロスに注意する。

「二人とも、怖いよ」

ウラタロスが二人の剣幕に圧された。

モモタロスは顔を上げ、ヴィータを睨む。

 

「誰が赤鬼だ!ごるあああああああ!!」

 

モモタロスは吠えた。

「絵本で読んだ事あるぞ!鬼ってのはオマエみたいなあからさまに人襲う奴で、正義の味方にやられる運命のやつだろ!?」

「テメェ!俺の顔よく見ろ!俺が人襲う顔に見えるか!?」

モモタロスが右人差し指で自分の顔を指しながらよくみるようにヴィータに言う。

その場の空気が止まった。

ここにいる誰もが、ユーノを除く誰もが言いたかったに違いない。

「見える」と。

「そこの魔導師が目的だけど、その前にオマエを真っ先に倒してやる!」

グラーフアイゼンをモモタロスに向ける。

「上等じゃねぇか!受けて立ってやるぜ!」

モモタロスもヴィータの言葉に乗った。

「おい!ユーノ!」

「は、はい!何ですか?モモタロスさん」

モモタロスはユーノの側まで歩み寄って、目線を合わせるためにしゃがむ。

 

「身体借りるぜ!」

 

「ええ!?」

ユーノが戸惑うよりも早く、モモタロスは自身の身体をエネルギー体にしてからユーノの中に入り込んだ。

モモタロスの咄嗟の行動にその場にいる誰もが目を丸くし、何もできず、それでいて何の言葉も発する事もできなかった。

身体全身が先程のユーノより逞しくなる。

髪が逆立ち、前髪の一本に赤色のメッシュが入る。

瞳の色は赤色になり、ユーノが放つ穏やかな雰囲気から荒々しい雰囲気へと変わる。

右親指を立て、自信を持って言い放つ。

 

「俺、別世界でも参上!!パート2!!」

 

モモタロスが憑依したユーノ(以後:Mユーノ)がその場に立った。

 

シグナムはこれから戦おうとしている青年---良太郎を見ていた。

(見た目からはとても幾多の修羅場を抜けた猛者には見えないな)

桜井侑斗も似たような部分があったが、それでもどこかそういった雰囲気のようなものはあった。

だが、眼前の青年にはそれがない。

(だが、桜井やデネブが一目置いている以上、強さは奴等と同等と見てもいいのかもしれん)

シグナムは良太郎の動きを逐一見張る。

現在、彼はその場にはなかったデンオウベルトを出現させて腰に巻いた。

それだけで、ベルトを巻いただけで彼が放つ雰囲気が変わった。

彼の隣にいる少女---フェイトを見る。

その瞳にはこれから戦おうとする青年に対しての強い『信頼』と勝利するという『確信』が宿っていた。

(この魔導師もまた、強いということか)

シグナムは小さく笑みを浮かべる。

自分は今日ほど幸せな日はないかもしれないと思った。

たった一日で二人の『強者』に出逢えたのだから。

「変身!」

良太郎はパスをデンオウベルトのターミナルバックルにセタッチする。

良太郎から黒と銀色が目立つ電王---プラットフォーム(以後:プラット電王)へと変身する。

それから、宙にケータロスを開いた状態のまま出現してデンオウベルトに装着された。

ケータロスから金色の線路(以後:オーラレール)が出現し、夜空へと向かっていく。

空間の一部が歪み、一振りの大型剣が滑るようにしてプラット電王へと向かう。

大型剣---デンカメンソードのグリップを握る。

デンカメンソードの刀身の峰部分にパスをセットするためのパススロットルがある。

パスを挿し込む。

『ライナーフォーム』

デンカメンソードが電子音声で発すると同時に空間が歪み、デンライナーが出現する。

「!?」

シグナムは迫り来るデンライナーを避けようとしないプラット電王に声をかけようとするが、躊躇した。

デンライナーは半透明状態(以後:オーラライナー)になり、プラット電王を透過しながら走り抜けていく。

銀色と黒色から赤色がメインで白と黒がポイントとなっているカラーへと変わり、キングライナーをモデルにしていると思われるオーラアーマーが出現し、装着される。

デンライナーをモデルにした電仮面が頭部に装着された。

仮面ライダー電王ライナーフォーム(以後:ライナー電王)の完成である。

(主が読んでいた本に出てくる正義の味方とは姿は違うが、似てはいるな)

彼女の『主』が読んでいた本はメジャーなものではなかった。

自費出版の本で著者は佐原茂。

本の題名は『太陽の王子は大いなる闇を切り裂く』だったはずだ。

そこに出てきた正義の味方の名称は『仮面ライダー』だった。

侑斗とデネブから聞いた名称は『電王』

(主は桜井のあの姿を仮面ライダーゼロノスと呼称した。ならば……)

シグナムは眼前のライナー電王をこう呼んだ。

 

「仮面ライダー……電王……」

 

と。

 

この時、仮面ライダー電王が誕生した。




次回予告

第六話 「宴の幕は閉じようと……」
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