ライナー電王とソード電王の猛攻をネガNEW電王は難なく対応していた。
ソード電王が手数で攻めるDソードをNNDソードで全て受け止めてから返し、ライナー電王のデンカメンソードの威力のある一振りを巧みに避けていた。
「二対一で攻めても全く問題にはならねぇな」
「うるせぇ!このモノマネパクリ野郎!!」
ソード電王が吠えながら、DソードをネガNEW電王の頭部に狙いをつけて振り下ろすが、片手持ちだったこともあり簡単にNNDソードで弾かれてしまった。
『ウラロッド、キンアックス、リュウガン』
ライナー電王はデンカメンソードのデルタレバーを引いて、ターンテーブルを回転させてモードチェンジをする。
ガン電王のようなステップを踏みながら、間合いを詰めてデンカメンソードを両手持ちから片手持ちへと変わり、くるりとターンをしてからデンカメンソードで突く。
だがネガNEW電王は武器で弾かず、身を動かすだけで突きを避ける。
ライナー電王はそれを予期していたらしく、その場でもう一度くるりとターンしてから同に狙いをつけて左薙ぎから右薙ぎへと横一文字に斬り付けようとする。
ネガNEW電王は先を読んでいたのか、デンカメンソードがこちらに向かってくると同時に一歩退がる。
「外れた……」
「並のイマジンなら確実に捉えていたぜ」
NNDソードを上段に振り上げて、ライナー電王の脳天に向かって振り下ろす。
「!!」
ライナー電王も本能的に察知したのか二、三歩使って後方へと下がった。
「モモタロス!」
「おう!!」
ライナー電王の掛け声と同時にソード電王がネガNEW電王の間合いへと入り込み、隙だらけになっている胸部及ぶ腹部をDソードで許す限り斬り付ける。
左薙ぎ、右薙ぎ、胸部と素早くしかし力を込めて斬りつけてから心臓部の刺突に狙いをつけて突きを繰り出して、ネガNEW電王を吹き飛ばした。
ネガNEW電王にとっては初のダメージとなるだろう。
斬撃箇所からは火花が飛び散って煙が立っていた。
だが膝を地に着ける素振りはない。
ダメージはあっても『軽傷』の部類に入って『重傷』ではないのだろう。
「どんな状況でも決して諦めねぇ、か……。ならこっちも本気で行かせてもらうぜ」
ネガNEW電王は右手に持っているNNDソードを左手に持ち替えてから、かざす。
足元に桜色の魔法陣が展開する。
ネガNEW電王のかざしている掌の前に、桜色の魔力球が二個出現する。
「アクセルシューター」
ネガNEW電王が言い放つと同時に、桜色の魔力球は一直線にソード電王とライナー電王に向かっていく。
二人は互いに別方向へと駆け出す。
アクセルシューターは発動者の意思で自在に軌道を変えることが出来る。
言ってしまえば発動者の意思が何がしかのかたちで切れない限り、追尾型ミサイルのように延々と追い掛け回してくる。
だから二人は同じ方向で逃げるのは意思を混乱させるために別の方向を選んだのだ。
ちなみにこの対アクセルシューター対策は即興で思いついたものであると追記しておく。
ソード電王とライナー電王はアクセルシューターが追尾してくるものだと思っていた。
だが、ネガNEW電王が放ったアクセルシューターは彼等を追尾しては来なかった。
「「?」」
高町なのはが放つアクセルシューターならば間違いなく、追尾してくるのに桜色の魔力球は既に消滅していた。
「隙ありぃ!」
放って一時的に硬直していると思われるネガNEW電王の隙を先程まともにブラッディダガーを受けていたロッド電王が立ち上がって、Dロッドを上段に構えて振り下ろす。
ガシュンという音が鳴り響くだけで、ネガNEW電王には当たってはいなかった。
「今のって、なのはのアクセルシューターだよね?」
バリアジャケットを纏っているフェイト・テスタロッサは隣にいる自分と同じ様にバリアジャケットを纏っている高町なのはに確認するように訊ねた。
「うん。間違いないよ。でも……」
「あんな半端モンじゃねーよ」
なのはの台詞に続けるように、騎士服姿のヴィータが言った。
彼女は身をもって体験しているからこそ言える台詞だろう。
「テスタロッサ。仮面ライダーが魔法を使った経験はあるのか?」
騎士服姿のシグナムがフェイトに訊ねる。
「ありません。こんな事は初めてです。十分に強かったから魔法を使えたらなんて考えた事もなかったくらいで……」
フェイトが正直な感想を述べた。
「アクセルシューターを使えるって事は『夜天の魔導書』で蒐集したリンカーコアの情報は全て使用可能って事が考えられるわね」
騎士服姿のシャマルが普段ののほほんぶりが別人のように鋭い指摘をしていた。
「それってまさか……」
アルフが最悪の想像をしてしまう。
「アルフの想像通りだと思うよ……」
ユーノ・スクライアが遠まわしな言い方で『正解』と告げた。
「侑斗さん、デネブちゃん……。お願いや。無事に帰ってきて」
八神はやては両手を合わせて神様に祈るように願っていた。
「スレイプニール」
ネガNEW電王は静かに呟くと、両脚が地面から離れて空中へと足場を替えた。
右手に握られているNNDソードを放す。
バラバラに解除されて、フリーエネルギーが操り糸のように右側に収まっていたパーツの一つと左側に収まっていたパーツの一つが横連結される。
残った右側パーツを横連結させたパーツの斜め後ろに連結させる。
最後に余った左パーツの一つを三つのパーツが連結させたパーツの先端に連結していき、ネガNEW電王の右手に握られた。
ネガNEWデンガッシャーガンモード(NNDガン)の完成である。
「リュウタ!おデブちゃん!ボクちゃん!」
「カメちゃん、わかってる!」
「ボクちゃん言うな!」
『了解!カメタロス』
相手が飛び道具ならばこちらも飛び道具で返すしかない。
ガン電王とZゼロノスは空中で浮遊しているネガNEW電王にDガンとDバスターの銃口を向ける。
そして同時に引き金を絞る。
無数のフリーエネルギーの弾丸がネガNEW電王を狙うが、ひらひらと弾丸を避けていく。
空という事だけあって逃げ場に不自由しない。
「カメの字!」
「わかってるって。キンちゃん、良太郎、特にセンパイ。焦っちゃダメだよ」
ウラタロスはネガNEW電王を睨みながら何かを窺っている。
ガン電王とZゼロノスの攻撃をかわしているガン電王を見ながら、ライナー電王は先程のことを思い出していた。
(なのはちゃんの魔法が使えるのはわかったけど、何で僕とモモタロスを追尾しなかったんだろ……)
自分がアクセルシューターを使えるのならば確実に追尾していただろう。
なのに、追尾しなかった。
ネガNEW電王の高度が弾丸を直撃したわけでもないのに、高度が下がったとように見えた。
「今だ!いただき!!」
ロッド電王が構えていたDロッドをネガNEW電王に狙いをつける。
右足を前にして、しっかりと地面をかみしめてからDロッドをキャスティングする。
Dロッドはしなり、先端からフリーエネルギーで構築された糸と釣り針がネガNEW電王に向かって飛んでいく。
ネガNEW電王の腹部に絡みつく。
「キンちゃん!手伝って!良太郎、センパイ!」
ロッド電王は釣り上げるために、アックス電王に助力を求めながらライナー電王とソード電王に次の手を促す。
二人ともわかっている事なので、返事は返さない。
「うぐっ!?」
背後からアックス電王の力を借りながら、ロッド電王はDロッドを思いっきり引っ張る。
それは海の中から大魚を引きずり出すかのように。
フリーエネルギーで構築された糸も限界まで引っ張られている。
アックス電王とロッド電王がずるずると引き寄せられている。
ネガNEW電王が懸命に抵抗しているのだ。
ガン電王とZゼロノスが気を削がれるためにひたすらフリーエネルギーの弾丸を浴びせている。
弾丸に対して、防御対策をとるか腹部に巻かれた糸を解くか二者択一しかない。
「釣った魚は絶対に逃がさない!!」
釣り師のプライドに懸けてロッド電王はネガNEW電王を持てる力を駆使して、引き寄せた。
「ぐおっ!」
ネガNEW電王がこちらに向かってくる。
「来たぜ!」
「わかってる!」
ソード電王とライナー電王が左右で鏡のように同じ様な構えを取っていた。
ライナー電王はデンカメンソードのデルタレバーを引き『モモソード』にしていた。
中腰で互いにネガNEW電王の腹部に狙いをつけるようにしてDソードとデンカメンソードで狙いを定めている。
距離にして数センチ。
「「はああああっ!!」」
ソード電王とライナー電王が同時に手に握られている武器でネガNEW電王の腹部を切りつけた。
「がふっ!!」
ネガNEW電王はそのまま前のめりに倒れそうになるが、それでも両足で踏ん張る。
NNDガンを手放して、またフリーエネルギーを用いてひとりでに連結解除をする。
左パーツを縦連結にしてから、右パーツ縦連結した左パーツを挟むようにして上下に連結する。
そして自身の身長よりも上回る長さのロッド---ネガNEWデンガッシャーロッドモード(以後:NNDロッド)になった。
持ち上げて頭上で近づかせないように振り回す。
ブオンブオンと風を切り裂くような音を鳴らしながら、豪快にだ。
こうなると、電王達及びゼロノスは下がるしかない。
ボスンとNNDロッドを地に刺すように置く。
「さすがにあれから大分、間が開いていたからな。少しはやるようになったじゃねぇか」
ネガNEW電王は左手で斬撃箇所をなぞるようにして触る。
まるで電王達とゼロノスの実力を検分するかのように。
「いくら別格になったといっても『遊び』はいけねぇよなぁ!!」
NNDロッドを素早くそして力強く振り下ろす。
ドォンという音を立て、地に積もっていた雪が宙に舞って叩きつけた場所を基点にして地面に亀裂が入っていた。
誰もが気を取られていたが、そこには叩きつけた本人であるネガNEW電王の姿はなかった。
「どこに!?」
「リュウタ!」
ライナー電王が姿を見つけるより早く、アックス電王がネガNEW電王に背後を取られているガン電王を見た。
「ぐあ……あ……苦しい……」
ガン電王が首元で押し付けているNNDロッドを引き離そうとしていた。
苦しみのあまりにDガンを手放している。
「動くなよ。動くとこのガキの首をへし折るぜ?」
ネガNEW電王が脅しではない一言を他の電王とゼロノスにぶつける。
誰もがその場で停まってしまう。
「ぐ……あああああああ!!」
ガン電王は首を折られるような痛みに襲われながらも、発狂するかのような咆哮を上げて頭を前に下げてから、勢いよく後頭部をネガNEW電王にぶつけた。
ガンという音が鳴って、NNDロッドとガン電王の首元に隙間が出来たので、追撃として右肘をネガNEW電王の脇腹に叩き込む。
NNDロッドを手放し、くの字に曲がっているのを一瞥して把握すると地面に落ちているDガンを拾って、そのままネガNEW電王に向かって銃口を向けて引き金を引く。
「げほ……げほ……」
ガン電王はむせながらも攻撃の姿勢をやめない。
「やるじゃねぇか。ガキ」
ネガNEW電王は自前の武器を拾わずに、一気にガン電王と間合いを詰める。
フリーエネルギーの弾丸を食らってもお構いないしだ。
間合いにはいると、ネガNEW電王は右前蹴りでガン電王の腹部を狙って足を宙に浮かす。
くの字に曲がって宙に浮いている時間はほんの一瞬でしかない。
しかし、ガン電王にとってもネガNEW電王にとってもそれは停止しているようにも思えた。
ネガNEW電王の左拳が掬い上げるようにしてガン電王の顎に直撃する。
大きく仰け反ってガン電王は後方へと放物線を描くようにして飛んで、倒れた。
「そんな……折角リュウタ君が攻めてたのに!」
なのはがデバイスモードのレイジングハート・エクセリオンを強く握り締めながら悔しがっていた。
「あれだけの弾丸を受けても速度を落とさずに攻撃が出来る。桁外れのタフさだな」
シグナムがネガNEW電王の頑健さに改めて舌を巻いていた。
そのネガNEW電王はNNDロッドを拾い上げていた。
フェイトはじっとネガNEW電王を見ていた。
そして、何か訝しげな表情をしていた。
「フェイトちゃん。どないしたんや?」
はやてがアルフに車椅子を押してもらいながら、隣に立って訊ねた。
「え?ええとね。上手く言えないんだけど。何か変だなぁって思って……」
「変?何がなん?」
「うーん。何か変なんだよ。もう少し見てみないと答えが見つかるかもしれないんだけどね……」
フェイト自身にも理解できないが、今のネガNEW電王の攻撃には違和感があった。
「あ、今度は青色と金色が攻め始めてるぞ」
ヴィータの言うように、ガン電王の弔いともいわんばかりにロッド電王とアックス電王がネガNEW電王との間合いを詰めていた。
『フルチャージ』
アックス電王はパスをターミナルバックルにセタッチしていた。
パスは後ろにしまいこむ。
ターミナルバックルからDアックスに向けてフリーエネルギーが伝導されていく。
オーラアックスにフリーエネルギーがバチバチと充填されていく。
「はぁっ!!」
アックス電王は天高く跳躍する。
そしてそのまま、Dアックスを上段に構えたままネガNEW電王に向かって急降下する。
「ダイナミックチョォォォォォップ!!」
DアックスをネガNEW電王の脳天目掛けて振り下ろす。
『フルチャージ』
ネガNEW電王がコピーパスをセタッチする。
右手に握られているNNDロッドにターミナルバックルからフリーエネルギーが伝導されていく。
「ダイナミックにぶっ飛びやがれ……」
ネガNEW電王がアックス電王が振り下ろすより速く、NNDロッドを投げつけた。
ロッド電王の時と同じ、フリーエネルギーで構築された亀甲型のオーラキャストだが節々にトライバル柄のパターンが施されていた。
「う、動けへん!?」
オーラキャストに捕縛されたままのアックス電王が落下していく。
これから繰り出す一手が届く範囲になると見計らうと、その場でくるりとターンして左足を軸足にして跳躍して右足を出して回し蹴りを放つ。
足の裏がオーラキャストに直撃すると粉々に砕け散って、空中で爆発が起こる。
「ぐおわああああああ!!」
アックス電王が爆発から出てきたが、受身の態勢をとることも出来ず地面に落下した。
全身から煙が噴き出ており、それだけでいかに強力なダメージを受けているというのがわかる。
「これで二匹目。ん?」
ネガNEW電王が落下してくるNNDロッドを右手で受け止めてから倒れたアックス電王が一瞥して、Dロッドを構えているロッド電王を見た。
「僕の十八番まで使うなんてセンパイの言うようにモノマネかつパクリだよね?オマエ!!」
間合いを詰めながらDロッドを下段---足元に狙いをつけて繰り出す。
ジャキンという音が鳴るだけで、ネガNEW電王はその場で両脚を跳躍していた。
すかさず左上段回し蹴りをネガNEW電王の右こめかみに狙いをつけて放つが、右腕で防御する。
蹴りで放った右足をすぐに引き戻してから、二、三歩下がってからDロッドを構えなおして間合いを詰めて今度は薙ぎ払うようにして右腹部に狙いをつける。
ネガNEW電王は避けずにNNDロッドで受け止めてから、滑らせるようにしてロッド電王との間合いを詰めてから右前蹴りをロッド電王の腹部に放つ。
「があっ!」
ロッド電王は後方へと吹き飛ぶが、膝を地に着かない。
よろめきながらも立っている。
「さすがに……コレを使わないとマズイかな……」
ロッド電王はパスを取り出して、ターミナルバックルにセタッチする。
『フルチャージ』
電子音声で発すると、ターミナルバックルから出ているフリーエネルギーはDロッドへと伝っていく。
先端がフリーエネルギーで充填されると、ロッド電王は槍投げのようにして構えてロッド電王は投げ飛ばした。
DロッドはネガNEW電王の体内に入り込み、前面に青色の亀甲型のフリーエネルギーが構築されてネガNEW電王の動きを封じていた。
「せやあああああああああ!!」
ロッド電王は駆けてから跳躍して、右足を前に突き出してそのままオーラキャストの中央に向かっていく。
ネガNEW電王はその中で体の自由が利く部分を探す。
右腕、両脚、頭部、胴体は動かない。
だが左腕が動く。
「左腕一本あればテメェなんざ倒せるぜ」
ネガNEW電王は動く左腕をロッド電王にかざす。
「バレルショット」
見えない衝撃波がオーラキャストを粉砕して、ロッド電王は吹き飛ばされる。
ネガNEW電王はすかさず間合いを詰めて、右腕を振りかぶって一直線にロッド電王の顔面に向けて放つ。
声を上げる間も防御の体勢を取る間もなく、背中を地面に強く打ち付けてロッド電王はそのままあお向けになって倒れた。
「残り三匹」
ネガNEW電王はNNDロッドからNNDソードへとNNDを変更させてからライナー電王、ソード電王、Zゼロノスを見ていた。
「キンタロスさんやウラタロスさんまで……」
ユーノが目の前に起こっている出来事が信じられなかった。
だが、それでもわかっている事が一つだけあった。
魔導師陣営が総出でかかっていっても、ネガNEW電王には勝てないという事を。
むしろ足を引っ張るだけでしかないという事を。
「今まで仮面ライダーが敵だったらという事を想定しなかった事はない。だがそれでもどこかぼんやりしている部分はあったが、これでハッキリわかったことがある」
「わかった事って?」
クロノ・ハラオウンの確信めいた言葉にシャマルは首を傾げる。
「仮面ライダーを敵に回したとき、僕達にはどんな対抗策を講じてもいい結果は望めないって事さ」
クロノの言葉に誰もが頷きはしないが、理解はしていた。
「フェイト?」
アルフは先程から何かを考え込んでいるフェイトに声をかける。
だが、フェイトは何の反応も示さない。
「やっぱりおかしいよ……」
ネガNEW電王の動きを見ながら、さらに訝しげに見ていた。
「やっぱりおかしい……」
ライナー電王はネガNEW電王の一連の動きを思い出しながらそのように呟いた。
「何がおかしいんだよ?良太郎」
ソード電王は何故ライナー電王がそのような事を口にするのか理解できない。
「アイツ、魔法が使えるのに何で乱発しないのかって事だろ?野上」
代弁するかのようにZゼロノスがDバスターを構えながら歩み寄る。
ライナー電王は頷く。
「彼の性格からして出し惜しみするとは思えないから、何かあると思うんだ。でもそれが何なのかはわからない。だからさ……」
ライナー電王はソード電王とZゼロノスに近くに寄るように手で合図する。
「アイツに魔法を使わせる?」
「多分だけどね。スターライトブレイカー級の特大魔法は撃たないと思うから、ブラッディダガーやアクセルシューターを使わせればいいから」
「良太郎、何でそんなこと言い切れんだよ?」
「それを確かめるためにも彼に魔法を使わせるんだ」
「俺は乗るぜ。野上の提案、俺も確かめたいしな」
「しょーがねぇなぁ。俺も乗ってやるよ」
ライナー電王、ソード電王、Zゼロノスは余裕に構えているネガNEW電王を睨んでいた。
三人は同時にネガNEW電王に向かって駆け出した。
ライナー電王が跳躍してから上段からデンカメンソードを振り下ろす。
ネガNEW電王がNNDソードで受け止める。
ライナー電王はすぐに、その場から離れるように右側へとサイドステップする。
その間に腹部ががら空きになったので、ZゼロノスがDバスターで狙いをつけてフリーエネルギーの弾丸を放つ。
その直後にZゼロノスの背中を踏み台にしてソード電王が跳躍して前に着地してそのままネガNEW電王に斬りかかる。
右薙ぎ、左薙ぎ、右薙ぎ、左薙ぎと繰り返し横一線に斬りつける。
その度にネガNEW電王の腹部に火花が飛び散っている。
ライナー電王が背後から斬りかかろうとする。
Zゼロノスも背後に回ってDバスターを構えていた。
「!!ブラッディダガー!」
後ろを振り向いて、狙いをつけて左手をかざす。
赤い短剣が出現して、ライナー電王に向かって発射された。
(来た!)
間に合うか間に合わないかわからないがライナー電王はデンカメンソードを前に出して盾代わりにして防御の体勢を取る。
その直後に赤い短剣が直撃して、ライナー電王に爆発が生じた。
「良太郎!」
ソード電王は攻撃を中断して、ネガNEW電王の動向を窺いながら爆煙が立っている場まで向かう。
爆煙が晴れていくと、そこには防御態勢をとっていたライナー電王がいた。
「無事か?」
Zゼロノスがライナー電王の側まで寄る。
「オメェ、最初から自分に向けさせてたのかよ?」
ソード電王がこの提案の真相をライナー電王に訊ねる。
「いや、僕に向かって飛んできたのはたまたまだよ。でも彼が確実に撃ってくるのはわかってたし、一本しかブラッディダガーが飛んでこないのも考えどおりだったよ」
ライナー電王は自身の考えが正しかったと自信を持っていた。
「で、何がわかったんだ?そろそろ教えろよ。野上」
「そうだぜ良太郎。一体何がわかったんだよ?」
Zゼロノスとソード電王が回答を求める。
「最初に疑問を感じたのは僕とモモタロスを狙って撃ったアクセルシューターからなんだ」
「追っかけてこなかったよな。なのはが撃ってりゃもっとマシになってたと思うぜ」
ソード電王は素直な意見を述べる。
「追尾は出来たと思うよ。でもね、やりたくなかったからやらなかったんだよ。ブラッディダガーも一度に数本出す事は出来たんだよ。でもね、アクセルシューターの追尾と同じでやりたくなかったんだよ」
「やりたくないからやらない?」
Zゼロノスはライナー電王の言葉を鸚鵡返しする。
「出来るんだったらやればいーじゃねーかよ。何でやらねーんだよ?」
ソード電王の言う事は正論だ。
「リスクが孕んでるから、か……」
ライナー電王が言おうとしている事をこれまでの事で理解したZゼロノスが先に口にした。
「うん。リィンフォースさんの姿の時は魔法を使ってもリスクはなかったと思うよ。でも、今の姿の彼は魔法は使えても、リィンフォースさんのときとは違ってリスクを抱えてるんだよ。だから、魔法を使っても単発なものしか出さなかったんだ」
「で、何なんだよ?そのクスリってのはよぉ」
気の短いソード電王は結論を急かす。ちなみに彼の言っている『クスリ』とは『リスク』の間違いである。
「魔力の異常なまでの消費だよ。あの姿と魔法の相性は極めて悪いんだよ。だから異常なまでに消費するんだと思うよ。だから使えても使いたくなかったんだよ」
ライナー電王は結論を述べた。
ネガNEW電王の弱点ともいうべきものを発見したが、それは相手自身が一番わかっているのではという考えも同時に持っていた。
次回予告
第五十九話 「修羅の降臨」