1話2話まとめ(完結)⤵
合体大作戦によって「かふぇ」の触手を手に入れた
一般っぽくそうでない学生「alice」ですが、
地球温暖化という大問題に立ち向かうべく、
仙人「たらをけ やすぴー」を訪ねます。
しかし、その仙人は、電化製品を過剰に使いまわし、電力を無駄にし、
地球温暖化を進める悪、張本人だった───。
気づけば、私は何もない場所にいた。
あたりを見渡しても、薄灰色の霧がかかっており
何も見えなかった。
「───…」
聞き覚えのある、誰かの、気持ち悪い声が微かに聞こえた。
「──」 「──」
段々騒がしくなってきた。
「──キモッ!」
え、何。私に言ってるの?
感情が曖昧になっていく。
自分が泣いているのか腹がたっているのかも分からない。ただ、頭の中によぎるのはアトちゃん。
自分が見殺しにしたアトちゃんだ。
罪悪感が自分の脳みそを抉る。
喉が焼けるように痛い。
「──!」 「──バ─」 「───蟹!」
何処からともなく聞こえる声が、段々自分に近づいてくる。
騒がしい、うるさい、うるさい…うるさい!
お前らみ
ん
な
「」
一瞬の断末魔が脳を貫いた後、
異常な程に静かになった。
空気が全く振動していない。
少しずつ薄灰色がかった霧が消えていく。
あたりが明るくなっていく。
目を細めた。誰かがいることに気づいた。ぼんやりとしか見えないけど、ただ自分を見つめているように感じた。
「…誰?」
影が、空気が微小に揺れ動く。
「さっきより綺麗になってんじゃんか。
お前今最高にいい気分だろ?」
「え?」 咄嗟に下を向いた。
笑っている自分がいた。
新聞がポストに入る音が聞こえた。
目が覚めた。
時計の針は午前2時半をさしていた。
眠っていたのだろうか。だとしたら今のは、夢だったのか。夢と感じるだけで安堵が生じた。しかし、
同時に以前とはまた違う違和感を感じた。
食ぱんぐらい厚さの薄いベッド。
ホコリまみれの床。
床に足をつける度に、ギシっと音がなる。
かふぇの家だ。そう感じた。
反射的に、ドアに向かう。
なぜここにいるのか。そんな疑問より恐怖が襲う。
背中が震える。
凍えた足を必死に動かす。
微かにあいつの匂いがした。
気持ち悪い……。思い出すな。思い出すな。思い出すな……!
トタンのドアに触れた瞬間、
咄嗟に、触手が伸び、地面にへばりついた。
背中が惹き寄せられ、前に進めなくなった。
「「おい、待てよ。今の状態で外出たら警察に捕まるじゃねえか。」」
かふぇが脳内で声をかけてくる。
「…どういうこと」
「「……頭動かせよ。ほら、背中見てみろ」」
思うがままに、触手に引き寄せられ、鏡を背中に向けて立った。
──悲惨とか、そういうのではなかった。
単純に、背面の布が散り散りに破れ、
普段通り気持ち悪い触手が、背中に生えているだけだ。
…いや、普段通りって……
触手がみるみる短くなっていく。
その瞬間、私は絶句した。
触手の先に、──あいつらの、体液が。
同時に、あいつらの、姿体温を感じた。
生々しい、気持ち悪いあの声が頭をよぎった。
「──分かるよな。これ、あいつらの体液だよ。
僕が、やった。」
かふぇが、異常なほど冷静に、淡々と語る。
「何勝手にやったんだよ、って?
お前が僕に願ったんじゃないの。あいつらを殺せって。
あいつらのせいであの女は死んだんだろって。」
「でも、それは違う。僕が言った通り、お前のせいだよ。
お前の友達が死んだのも。
あいつらが殺されたのも。」
抵抗する気力も、否定する感情もなかった。
かふぇのあの、気持ち悪い笑み。
アノちゃんの、痛いげな目。
あいつらの、喉を突き刺す断末魔。
自分の、──…
自由も、解放もいらないから、
もう何も思い出したくないと、そう強く願った。
ー
「「それにしても、腹減った。そこの戸棚にパンあるからそれとってよ。手前のやつ。奥のはカッピカピだから」」
「うん」 「「ん? あは、お前やけに素直じゃん。」」
疲労がたまり重くなった足を上げ、戸棚へ向かう。
ぱんを2つとる。
床の音をギシギシと立てながら古びた机へ向かい、
袋を開ける。
「「服、ドアの横にあるハンガーにジャンパーかかってるから、それ着とけよ。…ってお前も食うんかい。」」
かふぇを無視しながらぱんを頬張る。
触手もぱんを吸い込んだ。
「「…僕はいつかいなくなる。」」
「「でも、いなくなる頃にはお前も消えてるだろうな。」」
机越しに、目の前にぼんやりかふぇが映る。
あの頃の、最後見たあの笑みとともに。
口角を上げ、笑いながら口を開く。
「お前に取り憑いてから、気づいたことだけど。
僕とお前の自我の境界が、段々曖昧になっている。
曖昧になっていけばなっていくほど、
会話せずとも意思疎通ができるようになる。
でも、境界がなくなってしまえば、感情が混合して、
俺もお前も消えちゃうんだよ。」
「もう取り返しのつかないことだけどさ
…自由になりたい?」
顔を下げ、自分の目を見る。
「ううん。自由なんかいらない。もう、何もしなくていい。」
「…なんで?」
「アノちゃんを殺したのも、あいつらを殺したのも、全部私のせいだから。」
「…あっそ。」
いつの間にか私は眠ってしまった。もう一生眠ってしまいたくないと思っていたけれど、体は許してくれなかった。まだ。
床が冷たい。かふぇの匂いがする。
かふぇが耳元で囁いている。
明日、学校あるけど、大丈夫かな。
親に叱られるかな。外出て何してたのって。
知り合いの家にいたって言えばいいかな。
やっぱ、早く起きて家に帰ろう。
あ、明日死のう。
救急車のサイレンが響く。4本の触手で体を起こし、
ひび割れた窓越しに、外を眺める。
お前さ、でも、もし自由になりたい。って、
俺を消したいって、またそう感じたら
その時は、
俺を殺して。
取り返しのつかない恐怖と罪悪感に抗いながら。
そう、aliceの耳元で囁き、眠りに落ちた。
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←パン、です。
月文字好きです。
三次創作です。
あくまで想像です。もし現在3話執筆進行形でしたらすみません、、
以前書こうとしましたが、序盤がきつかったので諦めました…今回再挑戦し、なんとか書き切れたので自分的には良かったです。
小説、書くのクソむずです。
楽しかったです。あいうえお。
あとがき欄あることも知らずに本文に後書き書いてしまいました。
それより、文字絵?対応してないのうあああです。
月文字についてはただの趣味で載せただけなので、本文とは一切関係ありませんが、とても良いです。知らない人は調べてみてください。
こんな呑気に書きやがって。です。
深煎りさん=aliceさんだと思っていました。なんでそう思っていたかはなんとなくです。すみません。