「ハルト君が別の場所から……」
「ソノベツノバショトイウノハドコナンダシ?」
「それははっきりとはわかりません。ですが、一つだけ可能性があるとすれば……」
「あるとすれば……?」
「こことは違う世界、いわゆる異世界という事になるかもしれません」
ハッサクの言葉にユウが驚く中、シュリは落ち着いた様子で口を開いた。
「イセカイッテマタトッピナコトヲイイハジメタシ。ナニカショウコデモアルノカシ?」
「確信出来るだけの証拠はありません。ですが、ハルトさんが着ていた制服は小生達のアカデミーの制服によく似ていますが同じようなデザインの制服のアカデミーはなく、手持ちポケモンの内、マスカーニャとラウドボーン、ウェーニバルの進化前であるポケモン達は野生には生息しておらず、アカデミーで渡されるかその個体が持ってきたタマゴから孵るぐらいでしか入手も出来ないのです」
「ソレナラオボエテナイダケデ、ソウナノカモシレナイシ」
「そう、それです。ミライドンという他の誰もが所有しておらず、それどころか小生達やフトゥー博士などの限られている人物のみが名前や存在を知っているようなポケモンが傍におりながら自分の名前やポケモン達の事以外に記憶がないのか。異世界と記憶喪失という二つのワードから色々調べた結果、一つの答えが出たのです」
ユウ達の間に緊張が走る中、ハッサクは静かに口を開いた。
「ウルトラホール、それがハルトさんをこの世界へ連れてきたものなのではないかと」
「ウルトラホール?」
「はい。ウルトラホールとはかつてアローラ地方で観測された物で、その先にはこの世界とは違う世界、そして小生達が見た事のないポケモン達がいるそうです」
「見た事がないポケモン……」
「それらは
ハッサクの言葉にユウが驚き、ハルトが表情を曇らせる中、シュリは眉を潜めながらハッサクに話しかけた。
「ハッサクノイイタイコトハワカッタシ。ケド、キオクヲウシナウノハドウシテナンダシ?」
「それはわかりません。そして全員が記憶を失うわけではないようです」
「そうなんですね……」
ユウが心配そうにハルトを見る中、一行はポケモンセンターに到着した。
「今からジムバトルを控えている中で、この話をするのは少々憚られました。ですが、早い段階でハルトさんに伝えようと思った事、そしてハルトさんならばその可能性を伝えられても冷静な判断をしてくれるだろうと思ったからです。真に勝手ではありますがね」
「……いえ、大丈夫です。僕も自分の事については知りたかったのでむしろありがたいです。ハッサク先生、教えて頂き本当にありがとうございます」
「どういたしまして。まだ確定したわけではありませんが、この可能性が現時点では高いと思っていますので頭の片隅に置いておいてください。小生はまた調査をしてみますので」
「わかりました」
ハルトは頷きながら答えた後、ユウと共にポケモンセンターにポケモンを預けた。その表情は複雑そうではあったが、どこか晴れやかさを感じさせる物だった。